臨床研修ブログ
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紹介状を書く時(5)・・・クリニックへの報告
今回は紹介してくれたクリニックや病院に報告し、フォローをお願いする時の紹介状について考えてみましょう。
個々のケースで記載する内容や重要ポイントは異なりますが、忘れて欲しくないのは、あなたが書いた紹介状はそのクリニックの先生だけが読むものではない、ということです。
その患者さんが他の理由で別の病院を受診する時に、あなたが書いた紹介状のコピーが一緒に別の病院に行くかもしれません。そこを意識して、今後の診療に関わる先生たちにも分かるように書くと良いです。もちろん、いきなり略語は使わないこと。使うなら初めて書いたところにカッコ書きで略語を示します。
記載すべき内容としては、入院サマリーのような詳細な経過は通常必要ありませんが、診断の根拠となった検査所見や手術などの術式は重要です。悪性腫瘍であれば治療選択の根拠となる病理所見と進行度分類(ステージング)を記載すれば共通認識が出来るので細かいことは書かなくてもよいかもしれません。
肺炎や心不全であれば、人工呼吸器管理を要したなど経過の中の重要ポイントを記載します。クリニックの先生が患者さんと話した時に、事情が分って話を合わせられるように入院中のイベントを記載すると良いと思います。
今後のフォローに関しては、あなたの診療科では当たり前と思っていることでも、クリニックの先生や専門が異なると全く分からないものです。なので、少々くどいくらいに、どんな点に注意してもらいたいのかを明示した方が安全です。たとえばある薬剤を追加したので、3か月ごとに採血で肝機能をフォローして欲しいとか、抗血小板薬は出血のトラブルがなければ6ヶ月は継続してもらい、その後は減量可能だが完全に中断はしないでほしいとか。もし、出血のトラブルがあれば、勝手に中止しないで受診してもらうなど。
薬剤を追加した理由も簡単に触れておくとこちらの意図を理解して、患者さんに上手く説明してくれることも多くあります。一番悲しいのは、やめてほしくない薬剤が中止されてしまうことです。そうならないように、きちんと伝えるようにしましょう。
また、かかりつけのクリニックと自分の病院の両方でフォローしていく場合もありますが、どちらで内服処方するのかをはっきり記載しておかないと、両方から処方されていたり、処方されていなかったりする事態が起こり得ます。
繰り返しますが、あなたにとっては当たり前のことでも、クリニックの先生にとっては全く分からないことだらけです。そこを意識して記載してみて下さい。
(編集長)
ICUの回診風景
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