臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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救命救急センターだより「搬送困難症例」

2023.01.21
カテゴリー: 救命救急センター

皆さんこんにちは。空飛ぶ消化器内科医を目指して早1年半以上経ちました、naoです。

 

寒さが厳しくなってきていますがいかがお過ごしでしょうか。今年もさっそく低体温でECMO導入など冬の寒さを実感しております。

 

昨年末から救急要請件数が異常に増加しています。発熱患者さんの不適切な救急要請もあり、特に水戸市では救急車の稼働率が異常に上昇してしまい、市が救急車の適正利用についてお願いを繰り返している状況です。

 

この背景にはやはりコロナに端を発する発熱患者さんの受け入れ困難があります。当院のコロナ病床はほぼ満床を常にキープしており、一人退院すればすぐに次が入院する状態です。年末年始は、10件以上断られた発熱患者さんが当院へ搬送されるなども多数ありました。もはやコロナ病床だけでは足らず、やむを得ず一般病床を一部利用して入院対応しました。

 

先日は他県での発熱、呼吸困難のため救急要請され、酸素10L投与が必要な方が、一晩中病院が見つからず、50件以上病院選定を繰り返した結果当院へ搬送された事例がありました。当院へは2時間以上の距離でしたが、その時の担当だった救急医が、酸素需要も大きく、6L⇒10Lと酸素投与量が増えている状況も鑑みて受け入れてくれました。ニュースでは見ていましたが、実際にこのようなケースを目の当たりにして、事態の異常さを痛感しております。

 

当院も事情でお断りして、近隣の病院へ迷惑をかけてしまうことがありますので、大きなことは言えませんが、私が本来所属している消化器内科ではこの地域で消化器患者の難民は出してはいけないをモットーに、断らない医療を続けています。若手の先生たちが一生懸命頑張ってくれているからこそできることではありますが。

 

このブログを読んでいただいている、これから医師になる皆さんもぜひ、自分が最後の砦になる気持ちで医療にあたっていただけたらと思います。

 

当院のコロナ診療も、自主的に集まった専門外メンバーで開始されました。地域医療を支えるには知識と技術だけでなく、想いが大切です。そんな想いを持った医師になってください!

(Nao)

ERの一コマ

PPEで患者対応と外回り

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