臨床研修ブログ
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免疫能低下と感染症・・・松永先生の感染症カンファ
11月21日に今年度4回目となる松永先生の感染症カンファが開催されました。
今回のテーマは「免疫能低下と感染症」。「免疫能低下」とか「免疫不全」と聞くとあなたはどんなイメージを持つでしょうか?
化学療法中の白血球減少とか、HIV感染とかをイメージするかもしれません。人によっては糖尿病患者を免疫能低下と考えているかもしれません。
どれも間違いではありませんが、では、これらの患者さんが発熱を主訴に受診したら、対応は同じでいいのでしょうか?
松永先生が強調した重要点は以下の通りです。
・感染症診療の原則は、免疫能低下患者でも不変
・免疫能低下の種類で、想定する感染症が異なる
‐バリア障害
‐生体機能異常
‐好中球減少
‐細胞性免疫の低下
‐液性免疫の低下
・想定しないと、診断や治療はできない
どういう事かと言うと、感染症の診療をする時は
・患者背景を理解して
・どの臓器の感染症か?
・原因となる微生物は?
・どの抗菌薬を選択する?
・適切な経過観察
という流れがありますが、免疫能低下患者では患者背景の理解、つまりどの免疫能が低下しているかを理解することが必須です。何となく糖尿病の患者だから「真菌もカバーしておこう♪」というものではありません。
そこで今回は、細胞性免疫と液性免疫について整理しておきます。
【細胞性免疫の低下を来す背景】
・悪性腫瘍・感染症
急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫、
HIV感染症、HTLV-1関連疾患
・医療行為
移植(造血幹細胞・固形臓器)、
ステロイド投与、免疫抑制剤、
生物学的製剤
関連微生物には
・細菌(細胞内寄生菌)
サルモネラ、ノカルジア、リステリア
Tb、MAC
・ウイルス
ヘルペス属、インフルエンザ、
アデノウイルス
・真菌
Pneumocystis jiroveci
Cryptococcus neoformans
・寄生虫
トキソプラズマ、糞線虫
【液性免疫が低下する背景】
・悪性腫瘍・感染症
多発性骨髄腫、HIV感染症
・医療行為
造血幹細胞移植後、脾臓摘出後
関連微生物としては
・細菌
肺炎球菌、インフルエンザ菌、髄膜炎菌
(編集長)
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