臨床研修ブログ

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胃潰瘍とピロリ(2)

2022.02.01

前回の続きで、ここからはH.pyloriに関してです。

 

・H.pylori除菌

従来はPPI+アモキシシリン+クラリスロマイシンの7日間投与が一次除菌のレジメンとして普及していましたが、近年はPPIよりも強力な酸分泌抑制薬であるボノプラザン(VPZ)の使用が可能になり、VPZとアモキシシリン、クラリスロマイシンの併用療法がガイドラインでも推奨されています。また本邦ではクラリスロマイシン耐性菌が35%~40%ほどに増加しているという報告もあり、除菌療法に対する考え方は近年変化しています。一次除菌無効例では二次除菌としてメトロニダゾールが用いられ、二次除菌まで保険適応があります。一次除菌の成功率は92.6%、二次除菌の成功率は98.0%とされています。ちなみに三次除菌のレジメンも存在します。

 

・H.pyloriの診断法

胃生検材料を用いる侵襲的検査としては培養法・組織鏡検法・迅速ウレアーゼ試験。非侵襲的診断法としては、抗体測定法・尿素呼気試験・便中抗原測定法があります。除菌終了後4週間以降に尿素呼気試験や便中抗原法で治療効果判定を行います。除菌後でも胃がんの発生リスクを考え、定期的内視鏡検査は必要です。

 

・H.pyloriと胃癌

胃潰瘍との関係は明らかですが、もう一つ胃癌との関係も有名です。機序としては、H.pyloriが感染した胃では小さな炎症が常に起こっている状態(萎縮性胃炎)なので、「持続する炎症」は遺伝子に傷をつけやすくなり、これが癌のリスクを高めます。

実際にピロリ菌感染者1246人を10年間観察したところ、36人(約2.9%)が胃癌を発症したと報告されています。非感染者では胃癌は認められませんでした。(Uemura N.: N. Engl. J. Med. 345, 784, 2001)。また早期胃がんの患者さんを対象に行った研究では、ピロリ菌除菌により、胃癌のリスクは3分の1にまで抑えられる(Fukase K.: Lancet 372, 392, 2008)ことが分かったため、2013年2月から日本では萎縮性胃炎患者さんのピロリ除菌が可能となっています。

 

以上になります。胃潰瘍は非常にコモンな疾患でありどの診療科に進んでも目にすることは多いと思います。H.pylori除菌のレジメンとして耐性菌の増加やVPZの登場など、知らない知識も多くとても勉強になりました。

(Dr. Muscle)

PICCは一人でも大丈夫♪

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胃潰瘍とピロリ(1)

2022.01.29

コロナのせいでジムに行けてないDr. Muscleの記事です。今回も自分の経験症例からのまとめです。

 

今回は胃潰瘍について。Commonな疾患ですが、研修医に質問すると、歯切れのよい答えが返ってこないことが意外と多いと思います。ぜひ読んでみてください。

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今回は入院中の担当患者さんで黒色便を認め、内視鏡検査で多発性の胃潰瘍を認めた症例を経験したので胃潰瘍について簡単にまとめてみました。

 

・胃潰瘍の原因としては、ほとんどはNSAIDs内服、H.pylori感染です。

そのほかの原因としては、組織血行障害を起こす基礎疾患(肝硬変による門脈圧亢進や糖尿病、狭心症)やビスホスホネート製剤、Zolinger-Ellison症候群、サイトメガロウイルスや単純ヘルペスウイルス感染によるものなどが稀ではありますが挙げられます。

 

・症状としては心窩部痛、上腹部不快感、胸やけ、げっぷ、呑酸と多様な症状がありますが、どれも特異度は低く、高齢者では消化管出血や穿孔などの合併症が起こるまで全く無症状ということも多くあります。

 

・重篤な合併症としては吐血・下血・穿通・穿孔・狭窄があげられます。

出血が大量にあれば血圧低下や頻脈をきたしますが、少量の場合は症状がみられず動悸、息切れ、めまいで来院することもあります。穿通・穿孔は十二指腸潰瘍に多く、穿通が起こると疼痛は限局し背部に放散し、強度の疼痛を訴えます。突然腹部全体に重度のびまん性の腹痛が生じた場合は穿孔が示唆されます。

 

・次に胃潰瘍ステージ分類についてです。

胃潰瘍は内視鏡検査の所見によってActive stage(A1,A2), healing stage(H1,H2), scarring stage(S1,S2)に分類されます。

 

(日本医師会ホームページ 健康の森より)

 

A1では潰瘍辺縁に浮腫を伴い、潰瘍底は一般に白苔または黒苔でおおわれています。

A2ステージに移行すると辺縁の浮腫が改善し潰瘍底は白苔に覆われます。

これらの時期には悪性腫瘍との鑑別が難しいため、潰瘍辺縁からの生検が鑑別診断に有効です。

 

H1・H2ステージでは潰瘍辺縁に再生上皮を認め、白苔を伴う潰瘍底の面積は減少します。白苔が残存している場合はhealing stageとされます。

 

Scarring stageでは白苔は消失。赤色瘢痕を認めるS1と白色瘢痕を認めるS2に分類されます。

 

・内視鏡にて活動性の出血を認める場合や非出血性の露出血管を認める場合には内視鏡的止血術の適応となります。内視鏡的止血術としてはクリップ法や凝固法、血管収縮剤や硬化剤の局注法が存在します。

 

・薬物治療としてPPI・H2RA・ボノプラザン(VPZ)内服、H.pylori除菌などがあります。

 

次回はピロリについてです。

(Dr. Muscle)

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メトロニダゾール誘発性脳症

2021.07.20

6月のこのブログで、消化器学会地方会の奨励賞をいただいたことを紹介しました。(その時の記事はこちら)

今回は目時先生が発表したメトロニダゾール誘発性脳症についてシェアします。

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メトロニダゾール誘発性脳症 (MIE:Metronidazole-induced-encephalopathy)

メトロニダゾール(MNZ)の継続使用により、構音障害、歩行障害、意識障害、失調など多様な中枢神経症状をきたす。MNZ中止後数日で症状改善を認めることが多い。発症機序として血管原性浮腫による細胞機能不全などの説があるが、いまだ不明。

 

【初発症状】

構音障害、失調、歩行障害、嘔気、意識障害

 

【MNZ投与開始から症状出現まで】

平均61.3日 中央値 51日(2~210日)

 

【診断】

病歴に加えて、MRIが有用なことが多い

病変部位は、小脳歯状核>脳梁膨大部>中脳>橋背側、大脳白質、脳室周囲

 

【経過】

中止により94%で症状改善

改善までの期間 2~30日 平均8.5日 中央値6.5日

 

参考文献:加藤英明ら 「メトロニダゾール誘発性脳症2例の症例報告および国内32例の文献的考察」 感染症学雑誌 89巻5号(H27.9.20)

(目時)

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急性胆嚢炎 その4

2020.03.24

今回も、急性胆嚢炎の治療の続きです。

ドレナージや手術は、自分一人でやる

ことは無いと思いますが、抗菌薬治療に

ついては、あなたが一人で判断する

場面に遭遇する可能性が十分あります。

 

いざと言う時に慌てないように、

十分に知っておきましょう。

  

【急性胆嚢炎の原因菌】

・グラム陰性桿菌

大腸菌 クレブシエラ、緑膿菌

エンテロバクター、アシネトバクター、

シトロバクターなどの腸内細菌群

 

・グラム陽性球菌

腸球菌、連鎖球菌、ブドウ球菌

 

・嫌気性菌

 

注意点としては、ESBL産生菌や

カルバペネマーゼ産生菌が

検出されることが増えています。

普段から各施設でのアンチバイオ

グラムに目を通しておきましょう。

 

【治療戦略】

市中発生か、医療関連感染かで

起炎菌が異なります。まずは。

そこをはっきりさせましょう。

 

①市中発生の場合

・軽症・中等症:

 腸内細菌群をカバーする抗菌薬

・重症例:

 培養結果が判明するまで、緑膿菌も

 カバーする抗菌薬を選択

 腸球菌対策にはバンコマイシンの

 併用を推奨

(当然、培養結果を見て、De-escalation)

 

②医療関連感染

・培養結果が出るまでは、緑膿菌も

 カバーする抗菌薬を選択

・バンコマイシンは、患者が耐性グラム

 陽性菌(MRSA、腸球菌)を保菌している

 場合に併用が推奨される

 

【投与期間】

・軽症・中等症:

 術前または術中のみ投与。術中の穿孔や

 気腫性変化、壊疽がある場合は4~7日間

 

・重症:

 感染源コントロール(ドレナージ)後、

 4~7日間。グラム陽性球菌による

 菌血症であれば14日間以上

 

なお、胆嚢周囲膿瘍、胆嚢穿孔がある

場合には、発熱の消失、白血球の正常化、

腹部症状の消失などを参考に、さらに

長期間の投与を考慮します。

(マッキー)

ベンチレーターは理屈だけでなく、

実践も大事

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・どこで研修したらいいのかイメージが

 分からない。

とりあえずどうしよう?

 

あなたはこんな悩みを持っていませんか?

そんな悩みには、実際に病院見学に行って、

研修医から直接に話を聞くのがベストです。

 

見学に行くと、想像以上に雰囲気が違う

ことに気づくでしょう。

 

ぜひ当院へ病院見学にお越しください。

 

あなたの目でリアルな研修生活を

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病院見学をお断りする場合があり

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急性胆嚢炎 その3

2020.03.21

前回は急性胆嚢炎の重症度判定

について紹介しました。

今回は治療に関してです。

 

【急性胆嚢炎の治療】

①初期治療の開始

・モニタリングの上で、十分な補液、

 抗菌薬投与、鎮痛剤投与などの

 初期治療を開始する

 

・緊急ドレナージに即応できるように

 絶食が基本

 

・ショック、意識障害、急性呼吸障害、

 急性腎障害、肝障害、DICのいずれかを

 認める場合、適切な臓器サポートや

 呼吸循環管理(人工呼吸器、気管挿管、

 昇圧剤の使用など)と共に、

 緊急胆道ドレナージを考慮

 

②重症度別に加療内容を検討

重症度別の加療について

CCI(チャールソン併存疾患指数)と

ASA-PS(米国麻酔科学会術前状態分類)

を用いて,耐術能を評価する。

 

そのうえで、ドレナージ(PTGBD、内視鏡下

胆嚢ドレナージなど)や外科手術(腹腔鏡下

胆嚢摘出術、腹腔鏡下胆嚢亜全摘、

開腹手術)の適応を判断

 

【軽症】

耐術と判断

 ⇒発症早期の腹腔鏡下胆嚢摘出術が望ましい

耐術と判断できない

 ⇒保存的加療を行い、状態改善後に胆嚢摘出

 

【中等症』

耐術と判断

 ⇒発症後早期の腹腔鏡下胆嚢摘出術が

 望ましい、術中所見で開腹への移行も考慮

耐術と判断できない

 ⇒保存的加療、胆嚢ドレナージを考慮

 

【重症】

臓器障害の程度を判断、正常化に努め、

抗菌薬投与

 

耐術と判断

 ⇒全身状態管理下に腹腔鏡下胆嚢

 摘出術を考慮できる

耐術と判断できない

 ⇒保存的加療を行い、炎症コントロール

 不能例には緊急または早期の胆嚢

 ドレナージを考慮

 

【再発率】

保存加療または手術待機中の再発率

 ⇒19~36%

PTGBD後の胆嚢摘出術非施行例

 ⇒22~47%

(マッキー)

一生懸命のぞき込んでいます!

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急性胆嚢炎 その2

2020.03.19

前回は急性胆嚢炎の診断フロー

について紹介しました。

今回は重症度判定についてです。

 

 

【重症急性胆嚢炎】

重篤な臓器障害があり、原則、緊急

胆嚢摘出やドレナージを施行しなければ

生命に危険を及ぼす状態を指します。

 

以下のいずれかを伴う場合は

「重症」とします。

・循環障害(ドパミン≧5γもしくは

 ノルアドレナリンの使用

・中枢神経障害(意識障害)

・呼吸機能障害(P/F比<300)

・腎機能障害(乏尿もしくはCr>2.0mg/dl)

・肝機能障害(PT-INR>1.5)

・血液凝固異常(血小板<10万/㎜3)

 

【中等症急性胆嚢炎】

中等症は、臓器障害を起こす危険性が

あり、重篤な局所合併症があり、

速やかに胆嚢摘出術、ドレナージが

行われるべき状態です。

 

以下のいずれかを伴う場合は

「中等症」とします。

・白血球>18000/㎜3

・右季肋部の有痛性腫瘤触知

・症状出現後72時間以上の症状持続

・顕著な炎症所見(壊疽性胆嚢炎、

 胆嚢周囲膿瘍、肝膿瘍、胆汁性腹膜炎、

 気腫性胆嚢炎などを示唆する所見)

 

【軽度急性胆嚢炎】

「中等症」「重症」の基準を満たさないもの

 

 

対応が困難な場合、緊急手術、IVR、

内視鏡などの対応が可能な病院に

搬送を考慮します。

 

急性胆嚢炎の診断後、短時間に

病態が悪化する場合には、胆嚢捻転症、

気腫性胆嚢炎、急性胆管炎の合併、

壊疽性胆嚢炎、胆嚢穿孔を考慮します。

(マッキー)

医学生の病院見学

病棟での一コマ

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急性胆嚢炎 その1

2020.03.14

急性胆嚢炎は、よく遭遇する疾患です。

 

ところが、

「肝胆道系酵素の上昇がないので

胆嚢炎ではアリマセン」とか、

食事をとっていない患者さんにエコーを

あてて、「胆嚢が腫大しているので

胆嚢炎です」とか、診断や治療について

イマイチ整理されていないことも多い

ような印象です。

 

そんなモヤモヤを解消すべく、今回も

マッキーが急性胆嚢炎について

まとめてくれました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

【診断の流れ】

①急性胆道炎(急性胆嚢炎・胆管炎)を

 疑う所見の有無

発熱、悪寒、腹痛、黄疸、悪心、嘔吐、

意識障害のうち、1つでもある場合には

急性胆道炎を疑う

 

②緊急性の判断

バイタルサインの確認。敗血症性ショックを

疑う際には、平均動脈圧、血液ガス、

乳酸の確認

緊急の場合は、診断確定を待たずに

初期治療、必要に応じて呼吸・循環

管理を直ちに開始する。

 

③必要な診察

問診では、症状の出現時期、性状、

既往歴、常用薬

身体診察では、眼球結膜で黄疸の有無、

圧痛部位と程度、Murphy’s sign、

腹膜刺激徴候

 

④必要な検査

血液検査では、血算、CRP、ALB、ALP、

γGTP、AST、ALT、Bil、BUN、Cr、PT

血液ガスでLactate

血液培養

画像検査は腹部エコー、腹部造影CTで、

胆嚢腫大、胆嚢壁肥厚、胆嚢結石、

胆嚢周囲液体貯留、胆嚢周囲膿瘍、

 

腹部エコーでは、胆嚢内のSludge、debris像、

Sonographic Murphy signなども確認

 

この①~④までの所見を踏まえて、

診断基準を用いて診断と重症度判定を行う

 

今回は診断基準を載せておきます。

(マッキー)

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病院見学のススメ

当院へ病院見学に来ませんか?

 

レジナビも、病院説明会も開催中止となって、

不安に思っているあなた。

 

こんな時こそ、実際に病院見学に行くのが

情報を得るのに大事になってきます。

 

当院の研修医が、実際にどんなふうに

仕事しているのか?

 

どんな生活を送っているのか?

 

あなたの目で実際に確かめてみてください!

 

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腹痛患者さんのTips

2019.07.25

ERにはよく腹痛の患者さんが

来ます。虫垂炎や消化管穿孔

などを見逃さないように

気を付けながら診察しますが、

中には、大丈夫そうな患者さん

もいます。

 

たぶん、心因性の腹痛かな?

と思うものの、そう言い切って

いいのか自信が持てません。

かといって、CTまでは・・・・。

 

こんなときは、

上田剛士先生の著書

「非器質性・心因性疾患を

身体診察診断するための

エビデンス」が、非常に参考に

なるのでおススメです。

 

その中から、今回紹介するのは

「Closed eyes sign」

 

これは、腹部触診時に患者さんが

目を閉じていれば、非器質的な

腹痛である可能性が高い

というものです。

 

通常、痛い部位を触られる

時には、何をされるか不安なので

目を開けていることが多いのです

が、心因性のものであれば、

触られることに抵抗感がないため、

目を閉じていられるそうです。

 

編集長も、経験的にそんな印象を

持っていましたが、感度33%、

特異度93%、陽性尤度比(LR+)が

5.0と、非特異的な腹痛である

ことを強く示唆するデータがある

そうです。

 

ぜひあなたも、患者さんの表情に

注意しながら診察してみてください。

(編集長)

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆第20回水戸医学生セミナー 

~内科と救急のエッセンスを体験しよう~

 

令和元年8月2日(金) 3日(土) 

2日間で開催します。

 

多発外傷患者が搬送されて来た時、

初めに何をしますか?

 

もし多数傷病者が発生する多重事故や

災害が発生した時、あなたが最初に

するべきことは何ですか?

 

大学では教えてくれない現場での対応を、

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身に付けてください!

 

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【症例】70歳代の発熱・・・アメーバ性肝膿瘍

2018.08.02

前回は化膿性(細菌性)肝膿瘍の

ポイントをまとめました。

 

勢いついでに、今回はアメーバ性

肝膿瘍についてまとめましょう。

 

【アメーバ性肝膿瘍】

・壮年男性に多い

・リスクとして半年以内の海外渡航歴、

 性交渉歴(HIV感染症)が重要

・画像検査では化膿性肝膿瘍と比べて、

 右葉に、単発性で、径が5-10㎝と大きい

 傾向がある

・診断は血清アメーバ抗体。感度、特異度

 とも高い(>95%)。

・IHA法では<64倍で否定、>512倍で確定

 と考えてよい

・穿刺液の塗抹から原虫が検出されるのは

 約1/3のみ。どちらかと言えば化膿性肝膿瘍

 の否定に有用 

(編集長)

 

エコーハンズオン その2

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◆病院見学はもうお済みですか?

どうやって研修病院を決めたらいいのか

分からない・・・。

 

それには病院見学をするのが一番です。

さらに直接研修医から話を聞くのがベストです。

実際に見学に行くと、想像以上に雰囲気が

違うことに気づくでしょう。

 

ぜひ夏休みを利用して、当院へ見学に

お越しください。あなたの目でリアルな

研修生活をのぞいてみて下さい。

 

病院見学や、その他のご質問・お問い合わせは

こちらからご連絡ください。

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【症例】70歳代の発熱・・・化膿性肝膿瘍

2018.07.26

前回は肝膿瘍の症例を紹介しました。

思いのほかアクセスが多くて編集長も

びっくりです。

 

さて、前回の続きで肝膿瘍のポイントを

おさえておきましょう。

 

【化膿性肝膿瘍】

・胆道系に基礎疾患を有する患者での

 経胆道感染が半数以上を占める

 

・他に経門脈性や肝細胞癌への動脈

 塞栓術による経肝動脈性が多い

 

・起炎菌は腸内細菌群(クレブシエラ、

 大腸菌など)、腸球菌が多く、嫌気性菌、

 緑膿菌、連鎖球菌、ブドウ球菌と続く

 

・アジアではクレブシエラによる肝膿瘍が

 50%以上を占める

 

・ガス産生性肝膿瘍は糖尿病との関連が

 強く、起炎菌はクレブシエラが多い

 

・クレブシエラは糖尿病患者に多く血行性

 散布するため眼内炎を高頻度に起こす

 

・症候は発熱と肝叩打痛を高頻度に認める

 

・検査では炎症反応とALPの上昇が多いが、

 ASTやALTの上昇を認めないこともある

 

・血液培養は半数以上で陽性

 

・画像検査はエコーや造影CT

 

前回紹介した症例は、糖尿病があり

クレブシエラが起炎菌でしたから

典型的な化膿性肝膿瘍の症例と言えます。

眼内炎はないことを確認しました。

 

ここまでくればせっかくなので、次回は

アメーバ性肝膿瘍もまとめてみましょう。

(編集長)

病院見学でエコーハンズオン!

患者役は○○先生、講師役はJ1の〇澤先生!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆7月がラストチャンスです

6年生のあなたは、今も研修病院を

どうやって決めようと悩んでいませんか?

 

診療科とか病院HPのデータを見ても

良く分からない・・・・、

 

それには病院見学をするのが一番です。

さらに直接研修医から話を聞くのがベストです。

実際に見学に行くと、想像以上に雰囲気が

違うことに気づくでしょう。

 

マッチング面接が始まる前の7月が

病院見学のラストチャンスかもしれません。

ぜひとも、当院の研修医がどんなふうに

仕事しているのか、どんな生活を送っているのか、

あなたの目で確かめてみてください。

ご連絡をお待ちしています。

 

ご連絡はこちらからどうぞ!

http://www.mito-saisei.jp/resident/contact.html 

 

もちろん、4年生や5年生でまだ時間が

あるあなたも、いつでも病院見学ができます。

リアルな研修生活をのぞいてみて下さい。

 

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