臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

糸は何を使いますか?

2018.05.10

救急外来で、ちょっとした切り傷などで

受診される方いらっしゃいますよね?

 

その時に自分がどんな針や糸を使って

縫ってあげるのが一般的なのか、

迷ったりしていませんか?

 
看護師さんが準備してくれたものを
そのまま使うのも手ですが(笑)、

とりあえず、おおざっぱな分類を覚えて

大外れがないようにおさえておきましょう。

 

針の種類

①角針

 皮膚、繊維性組織などの固いところ

②丸針

 やわらかいところ、血液などが漏れにくい

 

これがが原則です。

 

糸については、

分ける方法はおおざっぱに2方向、

モノフィラメント編み糸か、

吸収糸非吸収糸か。

 

編み糸(絹糸など)はしなやかで結びやすい

です。モノフィラメントは結びにくく緩み

やすいですが、感染源になりにくいです。

 

こういったことを考えて針や糸を選びます。

 

例えば、

①編み糸+非吸収糸

 (絹糸、ニューロロン®など)

…血管の結紮、筋膜など

 

②編み糸+吸収糸

 (バイクリル®など)

…皮膚の埋没縫合、消化管、筋膜、

 尿路生殖器など

 

③モノフィラメント+非吸収糸

 (ナイロン、プロリンなど)

…皮膚や血管など

 

④モノフィラメント+吸収糸

 (PDS®など)

…皮膚の埋没縫合など

 

あくまで例であり、好みや各施設ごとに

多少の違いはあります。

 

ちなみに大まかな糸の太さを表にすると

こんな感じです

 

では、救急外来でよくある例を

見てみましょう。

 

①頭部

おすすめはステイプラー、創部完治後も

抜きやすく一番いいかも。

どうしても縫いたいときには2-0など

太いナイロンなどで髪の毛と見分け

やすい色にしないと抜糸が大変。

 

②手や足

4-0くらいのナイロンなど。細かいところは

5-0くらい。子供の時などは少し細目の

糸を選択することも。

 

③顔など

5-0か6-0くらいのナイロンなど。

 

ERで縫合する時は参考にしてみて下さい。

(腎臓内科のベイマックス)

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5月は徳田安春先生です!

 

おなじみの徳田先生のカンファ

昨年度は4回もお越しいただきました。

今年度第1回目が下記日程で開催されます。

平成30年5月29日(火)11時~

*日程が変更となりました

 

いずれも院外からの参加を歓迎します!

参加を希望される方はこちらにご連絡ください!

http://www.mito-saisei.jp/resident/contact.html 

 

◆そして・・・、

第25回県央県北レジデントセミナー

平成30年5月24日(木)18:50~

水戸医療センター2F 地域医療研修センター

 

当院研修医が症例提示を行います!

 

◆病院見学や、ご質問・お問い合わせは

こちらからご連絡ください。

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祝2周年!

2018.05.08
カテゴリー: 初期研修

いつも当ブログをご覧いただき有難う

ございます。

 

なんと明日5月9日でブログを始めてから

2周年を迎えることになります。

 

ちょうど2年前の5月9日に最初の記事を

アップして、この2年で330本以上の記事を

アップしてきました。

 

このブログでは当院のイベントはもちろん

初期研修医や医学生のあなたに知って

もらいたいことや、病棟やERで患者さんを

見ながら研修医に説明したことなど

日常で気づいた内容を記事にしています。

 

そんなブログですが、こうして2周年を

迎えることができるのも、あなたに読んで

もらえるからです。改めて御礼申し上げます。

 

実はだんだんと記事がたまってきたので、

昨年夏のレジナビから、人気のあった

シリーズをまとめて印刷し、会場で配布

してみました。これが意外と好評で、

編集長としては非常に嬉しくて、やる気も

でました(笑)。

 

これからもあなたに役立つように、

そして当院の研修をもっと知ってもらえる

ように、続けていきたいと思います。

どうぞよろしくお願い致します。

 

さらに、双方向性でいろいろと議論できれば

より役に立つと思っています。ぜひとも

遠慮なく、ご意見やコメントをFBに書いて

下さい。

(編集長)

 

朝カンファの一コマ

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5月は徳田安春先生です!

 

おなじみの徳田先生のカンファ

昨年度は4回もお越しいただきました。

今年度第1回目が下記日程で開催されます。

平成30年5月29日(火)11時~

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カーネットサイン・・山中先生のベッドサイドレクチャーから

2018.05.05
カテゴリー: カンファレンス 内科

山中先生のベッドサイドレクチャーから

イイところを紹介しています。

 

ベッドサイドの時間をたっぷりとった

症例検討の後は、スライドを全く使わ

ない講演でした。

 

当院No1のイケメン研修医(??)が

モデルとなって、診察の実演や

患者さんへの態度など、診察のポイントを

丁寧かつ具体的に解説してくれました。

 

ベッドサイドでは胸部の診察を中心に

レクチャーしていただいたので、

ここでは腹部の診察を中心に解説

してもらいました。

 

今回紹介するのは、その中の一つ

カーネットサイン(Carnett sign)

あなたは知っていましたか?

 

カーネットサインは腹腔内由来の疼痛と

腹壁由来の疼痛を鑑別する時に役立つ

ものです。具体的には、臥位で両上肢を

前胸部でクロスさせ、そのまま頭を持ち

上げるようにして腹壁に力を入れさせます。

この状態で、腹壁に力を入れていない時

との腹部圧痛の変化を調べます。

 

腹腔内由来の疼痛ならば痛みは減弱します。

しかし腹壁由来の疼痛なら、変化がないか

増強します。変化がないか、増強すれば

カーネットサイン陽性とします。

 

例えば右下腹部痛など、限局した腹痛を

訴える場合に、虫垂炎など腹腔内病変の

除外に役立ちます。

 

カーネットサインが陽性の時に考える疾患

として、山中先生は前皮神経絞扼症候群

(ACNES:Anterior Cutaneous Nerve

Entrapment Syndrome)を紹介して

くれました。

 

体幹前面の皮膚を支配する肋間神経や

腸骨下腹神経末梢の前皮枝が腹直筋を

穿通しているのですが、腹直筋内で

前皮枝が絞扼を受けることで強い痛みが

生じるものを言います。

 

カーネットサインの弱点としては、子どもや

高齢者では協力が得られにくいことや

腹部全体の痛みを訴える場合も不適です。

さらに壁側腹膜を巻き込んでいる様な腹腔内

疾患では陽性になり得ますし、腹腔内膿瘍が

ある場合は腹圧が上がることで破裂の危険が

あることも知っておいた方がいいでしょう。

 

でも虫垂炎かどうか悩んだ時は試してみる

価値はありますね。

(編集長)

著書にサインをいただきました

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5月は徳田安春先生です!

 

おなじみの徳田先生のカンファ

昨年度は4回もお越しいただきました。

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平成30年5月29日(火)11時~

*日程が変更となりました

 

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「どこで?」「何が?」・・・松永先生の感染症カンファより

2018.05.03

松永先生の感染症カンファからイイところを

紹介しています。

 

前回は感染症診療の流れのスライドを紹介

しました。ずっと変わらない重要スライド

です。

 

感染症というと、発熱時に抗菌薬を選択する

作業というイメージを持っている人も多い

かもしれません。

 

でも、本当に感染症なのか?まずは診断を

付けるところからです。

 

感染症診断は一言で言うと、

「感染症ならば必ず燃え盛っている現場が

ある。そこを探すことに尽きる」

と松永先生は言い切っています。

 

そして、ここでのキーワードが

「どこで?何が?」 です。

 

どこで?(=感染巣) 

何が?(=微生物)

をおさえることで、

感染巣が分かれば、起炎菌も絞られる。

逆に微生物が分かれば、感染巣も

絞られます

 

では、どこを探せばいいのか?

 

まず考えるべきは3か所+α

 

それは肺、腹部、尿路に加えて、

人工物(CVカテーテルなど)や皮膚(創部)

さらに中枢神経系(髄液) です。

 

そして、何が(=微生物)をおさえるには?

検体採取、そしてグラム染色と培養ですね。

 

 

では、ここで問題です。

あなたの担当患者さんが発熱した場合は、

まず、何をやったらいいでしょうか?

 

もちろん問診や身体診察は当然ですが、

Fever work-upとして

血培(2セット)、尿培、血液検査

尿検査(定性・沈査)、胸部レントゲン

はチェックするようにしましょう。

 

発熱しているから抗菌薬を開始する、

CRPが高いから抗菌薬を開始する

のではなく、どこで?何が?

常に考えて対応しましょう。

(編集長)

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5月は徳田安春先生です!

 

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今年度も始まりました・・・・松永先生の感染症カンファ

2018.05.01

4月26日に本年度1回目となる松永先生の

感染症カンファが開催されました。

 

なんと10年目を迎えた、当院にとって

無くてはならないカンファの一つです。

 

毎年ですが、年度初めのテーマは

「感染症診療の基本」

 

この「感染症診療の基本」は非常に重要

なので、このブログ開設当初からネタとして

紹介してきました。

 

松永先生のプロフィールを紹介しておきます。

松永先生は帝京大学医学部付属病院の感染制御部

に所属されている先生です。1999年に東京大学

医学部を卒業され、在沖縄米国海軍病院インターン、

東京大学医学部附属病院内科研修医、そして茨城

県立中央病院内科レジデントを経て、2002年から

米国コロンビア大学関連病院St.Luke’s-Roosevelt

Hospital Center内科レジデント、2005年からUCLA

関連フェローシッププログラム感染症科臨床フェロー

修了されています。帰国後は三愛病院内科、東京

医科大学病院感染制御部を経て、2010年から現職を

務めておられます。当院には平成21年から感染症

カンファや院内講演会などでお越しいただいており、

現在は年5回の研修医向け感染症カンファをお願い

しています。

 

 

さて、感染症診療と言うと、あなたは

「抗菌薬を覚えるのが大変だな」

なんて考えていませんか?

 

でも待ってください。抗菌薬は治療法という

枠の中の一つの方法に過ぎません。

つまり、感染症診療≠抗菌薬の使い方

ってことなのです。

 

感染症診療を学ぶ時は、抗菌薬の使い方よりも

感染症診療の流れを把握することが大事です。

 

特に下のスライドは、この10年間変わること

なく毎回資料に含まれている重要なものです。

 

これから何度かに分けて、松永先生が何度も

強調したところを紹介していきます。

 

(編集長)

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5月は徳田安春先生です!

 

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