臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
低酸素血症の鑑別・・・・水戸医学生セミナーより
第20回水戸医学生セミナーから、
イイところを紹介します。
今回は1日目の午後に
水戸協同病院で行われた
ケースカンファからです。
水戸協同病院のメインは
Physical examination round
ですが、この後にはケース
カンファがあります。今回は
総合診療科の橋本先生から
症例提示でした。
実は橋本先生も、学生の頃に
この水戸医学生セミナーに
参加して、衝撃を受けた一人です。
そして、今は水戸協同病院で
大活躍中の先生です。
さて、症例は80歳代の女性。
独居でADLも自立していて
症状は特にないのですが、
かかりつけ医で酸素飽和度(SpO2)の
低下を指摘され、紹介となりました。
バイタルは問題なく、呼吸回数も
速くない。
でも座位でSpO2が<90%。
ところが臥位にするとSpO2が
正常化しました。
さて、この情報だけですが、
あなたは分かりましたか?
答えは
Platypnea Orthodeoxia syndrome
(POS)です。
(読み方は・・・、プラティプネア・
オルソデオキシア・シンドローム
でイイはずです)
Platypneaとは、座位で増強する
呼吸困難感のことを意味します。
Orthodeoxiaは、体位によってSpO2が
低下することを意味するそうです。
この症例のように、高齢者に多く
座位になるとSpO2が低下して、
臥位になると正常化することで
気づかれます。
原因としては、心房中隔欠損(ASD)
や卵円孔開存(PFO)などの右左
シャントがあることが前提です。
さらに、円背などの影響で心臓の
位置が通常と変わる状況があると、
体位(座位)によって、下大静脈からの
流入血流が心房中隔方向を向いて
しまい、酸素化されていない血液が
右左シャントを介して動脈血側に入る
ことでSpO2の低下を来すとされています。
橋本先生の症例は、最終的に
心房中隔の閉鎖術までやって
元気に過ごしているという貴重な
症例でした。
座位でSpO2が下がり、
臥位でSpO2が上がる、とくれば
POSを思い浮かべてください!
(編集長)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆病院見学はもうお済みですか?
どうやって研修病院を決めたらいいのか
分からない・・・。
それには病院見学をするのが一番です。
さらに直接研修医から話を聞くのがベストです。
実際に見学に行くと、想像以上に雰囲気が
違うことに気づくでしょう。
ぜひ夏休みを利用して、当院へ見学に
お越しください。あなたの目でリアルな
研修生活をのぞいてみて下さい。
◆病院見学や、ご質問・お問い合わせは
こちらからご連絡ください。
↓
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実際の車が!・・・第20回水戸医学生セミナー
8月2日と3日に開催された
第20回水戸医学生セミナー
からです。
今回のセミナーは20回目の開催を記念
して、メディカルラリーを臨調感たっぷり
に充実させてみました。
どういうことかと言うと・・・、
通常は、病院内で行う外傷・多数
傷病者のステージを、炎天下ながら
屋外で開催してしまいました。
さらに、そのステージまでは、
病院の救急車で移動。
交通事故で多数傷病者がでたという
設定でしたが、到着したステージでは
実際の車が横転してあり、患者役の
スタッフが迫真の演技で、参加者を
惑わせていました。
千里メディカルラリーなど、大きな
ラリーでは実際の車が使われている
のを知っていたので、編集長は前から
水戸医学生セミナーでもやりたいと
思っていました。
幸いなことに、「20回記念」に乗じて
院長に掛け合ったところ、OKをもらえ、
さらに、救急科のスタッフの協力で実現に
至りました。
参加者の感想は
・救急車にのって現場に行くので、
すごくテンションが上がった
・実際に車が横転していてびっくりした。
・どうやって車を横転させたのですか?
などと、インパクトがあったようです!
暑い中、汗だくで頑張っていただいた
スタッフの皆様、有難うございました。
(熱中症患者が発生しなくて良かった
です)
進化を続ける水戸医学生セミナーの
メディカルラリーに、次回はあなたも
挑戦してください!
(編集長)
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◆病院見学はもうお済みですか?
どうやって研修病院を決めたらいいのか
分からない・・・。
それには病院見学をするのが一番です。
さらに直接研修医から話を聞くのがベストです。
実際に見学に行くと、想像以上に雰囲気が
違うことに気づくでしょう。
ぜひ夏休みを利用して、当院へ見学に
お越しください。あなたの目でリアルな
研修生活をのぞいてみて下さい。
◆病院見学や、ご質問・お問い合わせは
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本日は2日目!ラリーの真っ最中です。 第20回水戸医学生セミナー
昨日から2日間の日程で
第20回水戸医学生セミナーを
開催しています。
医学生に加えて、水戸済生会と
筑波記念病院の研修医、さらに
今回は2名の高校生もオブザーバー
参加してくれています。
昨日は、午前中にJATEC、MCLSを
中心とした講義と実技を行いました。
午後は当院のヘリポートでドクターヘリを
バックに記念撮影をしてから
水戸協同病院に移動。
水戸協同病院では、医学生のころに
このセミナーに参加したことのある
総合診療科の橋本先生による身体診察の
講義、Physical examination round、
ケースカンファと、濃密な1日目を
終えました。
本日は、当院でのメディカルラリーで
盛り上がっています。
しかも、今回は20回目の開催を
記念して、屋外でのラリーで
盛り上がっています!
セミナーの内容は、ブログで紹介
していきますので、お楽しみに。
(編集長)
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どうやって研修病院を決めたらいいのか
分からない・・・。
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お越しください。あなたの目でリアルな
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肺炎患者の対応 その1
肺炎は日常的に遭遇する疾患です。
たぶんあなたも担当したことが
あると思います。
ですが、よく遭遇するので、診療も
ついついワンパターンになりがちです。
例えば、肺炎ならA-Dropで評価して、
入院させたらセフトリアキソン(CTRX)
を開始。
他にも、高齢者でちょっとでも誤嚥が
疑われるなら、絶食にして
アンピシリン/スルバクタム(ABPC/SBT)
呼吸器関連肺炎(VAP)ならメロペネム
(MEPM)
まあ、間違っていませんが
色々なツールやガイドラインを
きちんと利用できているでしょうか?
このへんで、もう一度要点を整理
してみようと思います。
今回は肺炎の分類から。
肺炎患者を見た時は、まず
下記の3つの分類の、どれに
該当するのかを考えます。
・市中肺炎
(CAP:Community Acquired Pneumonia)
・院内肺炎
(HAP:Hospital Acquired Pneumonia)
・医療介護関連肺炎
(NHCAP:Nursing and Health-Care
Associated Pneumonia)
それぞれの定義を確認しておきましょう。
CAPは
・病院外で日常生活を送っている人に
発症した肺炎
HAPは
・入院48時間以上経過した患者に
新たに発症した肺炎
NHCAPは
・医療ケアや介護を受けている人に
発症した肺炎で、以下の1つ以上を
満たすもの
①療養病床、介護施設、精神病床に
入所している
②90日以内に病院を退院した
③介護を必要とする高齢者、身体障害者
④通院にて継続的に血管内治療
(透析、抗菌薬、化学療法、免疫抑制剤
等)を受けている
ちなみに、ここでの介護の定義は
PS(Performance status)≧3が該当します。
PS3とは、限られた身の周りのことしか
できない、日中の50%以上をベッドか
椅子で暮らしている、とされています。
次回は、CAPについて紹介します。
(編集長)
肺炎患者さんにPICC挿入中
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