臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
合格祈願2021
今年の医師国家試験も今週末となりました。受験生のあなたは最後の追い込みですね。
幾多の試験を乗り越えてきたあなたに改めて言うまでもありませんが、試験では何が起こるか分かりませんので、最後まで気を抜かず、あきらめないことが大事です。
特に今回は、新型コロナの影響がいろいろな形で出ているので、例年になく神経を使う状況だったと思います。そんな中で勉強を続けてきた訳ですから、あと少し気を抜かずに頑張ってください。
この国家試験を乗り越えて、春から臨床の現場で、一緒に人のために役立つ仕事をしましょう!
当院のスタッフ一同、あなたの合格を心よりお祈り申し上げます。
(編集長)
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手術はできる?
皆さん、お疲れ様です。初期研修ももうすぐ終わる時期ですが、ついにブログデビューを果たしました(笑)。
さて、疾患として手術適応があると分かっても、いざ手術の相談をすると、外科医から「この患者さんは手術できるの?」と聞かれた経験はありませんか?特に、心疾患の既往がある人だと、必ずと言っていいほど聞かれます。そして心エコー所見(要するにEF)を聞かれます。
自分も春から脳外科に進むのですが、編集長にホントに心エコーが必要なのかと突っ込まれて即答できなかったので、まとめてみました。
対象は待機手術で、非心臓血管手術症例です。緊急症例は、たとえハイリスクでも手術をしなければ死んでしまうので、ここでは別に考えます。
各手術によって差はあるかと思いますが、大まかな目安となるものがあります。
それがMETs(メッツ;metabolic equivalents)です。
METsとは、運動強度の単位で、安静時を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示したもの、であると定められており、様々な活動の強度をまとめた表を、「METs表」といいます。
非心臓血管手術において非心臓手術術前循環器スクリーニングシートでは4METs以上の運動耐容能があるかが重要となります。ざっくりといえば、「4METs以上あれば概ね手術は耐えられる。」と言えます。
METs表には4METsの活動として、
例)ゆっくり階段を上る ベビーカーを押して歩く 庭木の剪定 etc…です。
患者さんには「二階建ての自宅で普通に過ごされてましたか?」と尋ねてみて下さい。「はい」と答えた瞬間に4METs以上確定で、運動耐術能は及第点という評価ができます。
…最初の場面を思い出してみましょう。
Q「この人手術できるの?」
A「4METs以上なの大丈夫です!」と自信をもって答えられるようになりたいです。(願望)
また、心臓の観点から手術を避けるべきタイミングもあります。
・現在コントロールできていない心不全
・直近に急性冠症候群などの冠動脈イベント
以上がある場合は、循環器内科医に要相談です。
(Unofficial 髭男dism)
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