臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
画像問題・胸部レントゲン
胸部レントゲンは基本の検査ですが、実際のところ読影はすごく難しいものです。パッと見た時の印象も大事ですし、細かい所見を丹念に見ていくことも大事です。
そんな胸部レントゲンから決して難しくはないけど、研修医が意外と分かっていないものを取り上げてみます。
今回はこのレントゲン。
あとで質問するので、まずはじっくり見てください。
あ、ペースメーカーが入っていますが、これは気にしなくてOKです。
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そろそろイイですか? では、質問です。
左右の下肺野の透過性が異なっていますが、どうしてでしょうか?
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もちろん、画面が小さくとも、この解像度でも分かることです。
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正解は・・・・・、右乳房切除後だからです。
よく見ると、下記の矢印ように乳房の輪郭が左では見えているのに、右では見えていません。
正解できましたか?
この症例は80歳台の女性のもの。本人も忘れているくらい昔に乳がんで手術を受けた方です。
今は乳がんでも、乳房を温存する術式が多いですが、以前は乳房切除が当たり前でした。患者さんを診察すればすぐにわかることですが、左右の胸壁の厚さが明らかに異なっているので、レントゲンでも左右差が出ます。ときどき遭遇しますので、覚えておくとイイですよ。
(編集長)
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水戸済生会総合病院の臨床研修は
総合診断能力を有するスペシャリスト
を目指します
◆専門研修ブログもご覧ください!
当院には基幹型内科専門研修プログラムがありますが、その強みは消化器内科、循環器内科、腎臓内科の診療体制です。あなたも最短で内科専門医、そして施設を異動することなくサブスペシャルティ専門医と関連する各種の資格を取得できます。そんな内科専門研修プログラムを紹介するブログもぜひご覧ください。
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◆水戸済生会の内科専門研修説明動画はこちら
「レジナビFair 専門研修(内科)プログラム」で紹介された説明動画がご覧いただけます。
◆病院見学に来ませんか?
当院の研修医がどんなふうに仕事しているのか?どんな生活を送っているのか?あなたの目で確かめてみてください!
病院見学をご希望の方は、こちらからご連絡ください。
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https://recruit-mito-saisei.jp/entry
◆レジナビFairでの病院紹介動画が見れます!
11月30日に開催されたレジナビFairでの紹介動画(11分)を、こちらからご覧いただけます。ぜひご覧ください!
心不全患者さんを診る時は・その4(最初に除外すべき基礎疾患)
心不全患者さんの問診や指導医へのプレゼンの際に押さえるべき2つのポイントとして「基礎疾患」と「誘因」が重要なことを紹介してきました。
前回の記事では、心不全増悪の誘因がすぐには分からないことも多いと書きました。同様にERで心不全患者さんの対応する時にも、基礎疾患がすぐに分からないことが多々あります。
でも、最初に除外すべき基礎疾患が2つあることはぜひ覚えておいてください。
しかも、そのうちの一つはあなたでも見つけ出すことができます。
何だか分かりますか?
その2つとは、虚血と大動脈弁狭窄症(AS)です。
虚血といっても急性虚血か否かの把握が大事ですが、言うほど簡単ではないことが多く、治療と同時進行で動かなければいけない状況では、あまり突き詰め過ぎないことも大事です。
実際のところ、STEMIIとか急性冠症候群が無いか、PCIやCABGなどの治療歴があれば、カルテから多枝病変や左冠動脈主幹部病変が無いかの把握が重要になります。
もう一つのASは治療の際の管理が変わるので、ASだという認識が無いと、あなたがもの凄く怖い思いをするでしょう(ここまで言うのは、編集長が怖い思いをした経験があるからです・・・・)。
そんなASをあなたでも見つけ出すことができます。その方法は聴診です。
ASの雑音は、たとえあなたが全く心雑音の聴診に興味がなくても、何かおかしいと気づけます。ぜひASの心雑音だけは覚えておいてください。
心不全患者さんを対応する時は、虚血の関与がないかを考えること、そしてASがあるかもしれないと思いながら、必ず聴診器を当ててみてください。
(編集長)
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新年明けましておめでとうございます。
いつもこのブログをお読みいただき有難うございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、年末年始はいかがお過ごしでしたか?
明日から仕事はじめという方が多いと思いますが、実際は年末年始も当直や日勤で、結局は病院にいたという方も多かったのではないでしょうか。大変お疲れ様でした。
さて、水戸済生会では昨年秋の初期研修医マッチングでは2年連続で10名のフルマッチとなりました。また、当院の内科専門研修プログラムにも1名応募いただいたり、協力施設からのローテーションで来ていただくことになったり、嬉しいことが続きました。
各診療科をローテーションしている専攻医らも頑張ってくれており、メキメキと実力を付けて、いろいろ任せても頼りになる存在になっています。
専門医取得を目指すあなたにとって、自分が経験できる症例数や、自分で実際に行う手技の多さと多様さ、そして働く環境という点から考えると、当院はすごく掘り出しものだと思っています。
そんな当院の専門研修についてお伝えできるように、今年はよりパワーアップしていこうと思っています。
改めて本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
(編集長)
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◆水戸済生会での専門研修に関するご質問はこちらへ!
どんなことでも問い合わせフォームからご質問ください。
また、各診療科の専攻医にZoomで質問できますので、その旨もお知らせください!
◆市中病院で循環器専門医を目指しているなら
水戸済生会循環器内科のサイトを是非ご覧ください!
PCIだけでなく、Ablation、TAVIなど、当院で行っている幅広い循環器診療を紹介している充実したサイトです。各種の資格取得にも有利です!
是非ご覧ください!
◆10分で分かります!
1月に開催された「レジナビFairオンライン2021 ~専門研修(内科)プログラム~」 での説明動画を、水戸済生会YouTubeチャンネルでご覧いただけます!
水戸済生会の内科専門研修の特徴が10分で分かります。特に、消化器内科・循環器内科・腎臓内科を志望しているあなたは、ぜひご覧ください!
新年あけましておめでとうございます。
ブログ読者のみなさま
新年明けましておめでとうございます。本年もこのブログをどうぞよろしくお願い申し上げます。
新年なので気の利いた話題を紹介したいところですが、あいにくネタがはありません(笑)。そこで、この時期に編集長の頭を悩ませるローテーションについて書いてみようと思います。。
当院では12月の初めから研修らと面談を行って、来年度のローテーションの調整を行っています。まずは今のJ1たちに話を聞いて、2年目のローテーションを決めて、それから新しく入ってくる新J1のローテーションを組むという流れです。
ご存知の通り初期研修には必修科目があって、内科6か月、救急3か月、地域1か月、小児科1か月、外科1か月、産婦人科1か月、精神科1か月、外来研修1か月となっています。
この必修ローテーションがあるので、実は自由度はあまり高くないのが分かると思います。そんな中でこれらの必修科目を考えながら、何とか各研修医の希望に沿うよう苦心しながら決めていきます。
ここで面白いことに、希望を聞いていると大きく2つのパターンがあることに気づきます。
一つは、自分の希望診療科を決めていて、それに関連する診療科のみをローテーションしたい人。もう一つは、いろいろ勉強したくて、1か月ごとにマイナー科も含めてたくさんローテーションしようとする人。
これは編集長がこの仕事をするようになってから、この傾向はずっと変わりません。
どちらが良いとか悪いとかではありませんが、そもそも初期研修の目的は「プライマリケアの習得」ですから、バランスの問題だと思います。
関連する科だけのローテーションは一見効率的ですが、どこまでを関連すると言えるのかは曖昧です。結局のところ自分のやりたいことだけになってしまわないかが心配な点です。
例えば、外科を考えてい研修医がいたとしましょう。内科的なことはどうも苦手で、特に糖尿病とか透析は良くわからない・・・。でも糖尿病や透析患者さんの手術をしない訳に行きません。どう管理するのかまで出来なくとも、透析患者さんは何に注意して腎臓内科医に相談すべきなのかは初期研修医のうちに習得できます。
病院を受診する患者さんの背景はじつに様々ですから、多くの合併疾患を抱えている高齢者で、どの診療科がイニシアチブを取ればいいのか悩むことは日常茶飯事です。このような時は、いろいろな診療科をローテーションしていた方が、各科の事情も分かるし、相談しやすくなります。
一方、いろいろな診療科を1か月ごとにローテーションしても、知識も手技も果たして身に付けられるのか?と思ってしまいます。もちろん、知らないよりはいいですが、臨床はそんなに甘くありません。やった気になっただけでは、あなたも患者さんも不幸です。
ということで、当院では
・目標はプライマリケアの習得
・1診療科を、できれば2か月以上
・希望の診療科が決まっているなら、パートナーとなる科のローテーションを勧める
(例えば、消化器内科希望なら消化器外科の研修を組み込む)
これらを基本方針にして相談しています。
初期研修でさまざまな症例を経験して、その後の専門研修でも当院の研修目標である、
医療を支えるチームの一員として『疾患』のみならず『患者さん』を診ることができる
ようになってほしいと考えています。
さらに、これから医療環境が大きく変化することが予想されます。臨床のスキルを身に付けることはもちろんですが、医学以外のことにも関心をもって、大きな変化に対応できるようになって欲しいと思います。
あなたにとって2022年が飛躍の1年になるよう頑張って行きましょう!
(編集長)
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