臨床研修ブログ
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舩越先生のZoomレクチャー2024・・・治療方針の決め方
9月18日に東京ベイ浦安市川医療センター救命救急センター長の舩越拓先生に今年度2回目のZoomレクチャーを行っていただきました。
舩越先生のことは、このブログで何度も紹介していますが、救急領域では名が知られた存在の先生で、多くの監訳や著書があり、レジデントノートなどの雑誌の企画も行っています。編集長とはIVRつながりで、兄弟子、弟弟子という関係で、コロナ前からレクチャーをお願いしていました。
今回は「治療方針の決め方」というテーマでお話いただきましたので、その中から一部をシェアします。
治療の甲斐なく患者さんが悪くなっていくことがありますが、そんな時に挿管してECMOまでやるのか?挿管はやらない?カテコラミンは?という感じに、どこまでの治療を行うか決める場面にあなたも遭遇したことがあるはずです。
患者さんの考えを尊重して、どこまでの治療を行うかの方針を決めるのが理想ですが、現実には「挿管しますか?」「胸骨圧迫をしますか?」「カテコラミンを使いますか?」「ECMOを装着しますか?」といった感じで話が進んでいるのではないでしょうか?
こんな時に役立つのが「3 step approach」です。
Stage1:Sharing knowledge
多職種で患者がどのような状態か判断し、内容を決める。患者に説明する
Stage2:Clarifying goal of care
ケアのゴールを明確にする。患者が大事にしていたり、避けたい状態などがあるのか
Stage3:Negotiating treatment options
治療方針の決定、インフォームドコンセント
ここで大事になるのがStage2です。患者さんの価値観を聞き出して、どのような治療が良いのか、どのような最後を迎えたいのかを、患者さんに話してもらうことに時間を使います。患者さん自身から聞き出せない場合なら、家族など患者さんを良く知る人に「患者さんなら何と言うでしょうか?」「患者さんなら、どうしたいと言いますかね?」というように患者さんの価値観を探る質問をするのがポイントです。
そのうえで治療方針を決めますが、目指すゴールを明確にすることで、治療のオプションが決まってきます。例えば、挿管しない方針なら、胸骨圧迫はする必要はありませんよね。
参加した研修医はこのような判断を求められる状況に何度も遭遇しているので、レクチャー後に舩越先生に積極的に質問して盛り上がっていました。いろいろと心に刺さる舩越先生のお話だったと思います。
初期研修中に直接自分が話すことは無いかもしれませんが、初期研修を終えたとたんに自分で話すことになります。あなたも今から自分事として考えてみてください。
(編集長)
今回の内容に関連して、
こちらの本もおススメです
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