臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
HIVで知っておくべきこと(5)・・・松永先生レクチャーより
前回まで症例ベースでHIVを疑う状況を紹介してきました。
当院でHIVに遭遇する機会は稀かもしれませんが、病歴や身体所見などから違和感を感じてHIVを鑑別に入れておくことは必要です。今までのポイントをまとめると、
<HIVに出会う時>
【急性期】
インフルエンザ様、伝染性単核球症様、無菌性髄膜炎、皮疹
【無症候期】
性感染症(肝炎、赤痢アメーバ含む)、繰り返す帯状疱疹、口腔カンジダ、脂漏性皮膚炎、結核
【AIDS発症期】
ニューモシスチス肺炎、クリプトコッカス髄膜炎、各種のAIDS指標疾患
<身体診察で重要な点>
・診ようとする人には見える
・毎日、繰り返して行う
・眼、皮膚、リンパ節、心音、腹部などに特に注意
–原因不明の皮疹、リンパ節腫大、肝腫大⇒生検対象
・いつも診ないところを診る
–「孔の周り」に注意せよ→「眼、耳、鼻、口、肛門」
松永先生のレクチャーでは他にもHIVに関する内容が盛りだくさんでしたが、以下のポイントのみ紹介しておきます。あなたもHIV患者さんに遭遇した時に焦ることがないようにしておきましょう。
・HIV感染症は長期生存可能な疾患である
・良好にコントロールされているHIV感染者は「免疫不全者」ではない
・良好にコントロールされているHIV感染者が他者へHIVを感染させるリスクは非常に小さい
・不用意な治療中断は時に重大な結果をもたらす
・一部の抗HIV薬は高度の薬物相互作用を有する
・針刺し事故時に予防内服が有効である
・事故後の服薬開始はできるだけ早い方が良い
・HIV感染症の専門家は決して相談を嫌がらない
(編集長)
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