臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
HIVで知っておくべきこと(4)・・・松永先生レクチャーより
25歳の男性が左下腹部痛を主訴に受診しました。現病歴としては、数日前より左下腹部にヒリヒリした感覚が出現。段々と鋭い痛みを自覚するようになり来院。疼痛は食事と関係なく、外傷もありません。既往歴、家族歴、内服薬、生活歴、アレルギー歴には特記ありませんでした。
身体所見では、体温 36.7 ℃, 血圧 114/58 mmHg, 脈拍 72 /min, 呼吸数 12/min
呼吸音は清で心音も整で心雑音なし。腹部は軟で圧痛なし。肝・脾臓触知せず。四肢に浮腫なしでした。痛みの部位の皮膚は写真の通りでした。
診断は帯状疱疹です。
でも、ここで安心してはいけません。次に聴取すべきことはなんでしょう?
「このような症状は初めてですか?」
「・・・、実は2年前にも罹ったことがあります」
若年なのに帯状疱疹を繰り返している。
→ 何かおかしい
→ こんな時はHIVを鑑別に入れておきましょう。
帯状疱疹は年齢が上がるほど(具体的には50歳以上から)患者数が増加して、60歳台がピークとされています。もちろん若年者でも見られますが、患者数も少ないですし、繰り返すことには違和感を感じるアンテナを持っておきたいところです。
(編集長)
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