臨床研修ブログ

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HIVで知っておくべきこと(5)・・・松永先生レクチャーより

2024.11.30

前回まで症例ベースでHIVを疑う状況を紹介してきました。

 

当院でHIVに遭遇する機会は稀かもしれませんが、病歴や身体所見などから違和感を感じてHIVを鑑別に入れておくことは必要です。今までのポイントをまとめると、

 

<HIVに出会う時>

【急性期】

 インフルエンザ様、伝染性単核球症様、無菌性髄膜炎、皮疹

【無症候期】

 性感染症(肝炎、赤痢アメーバ含む)、繰り返す帯状疱疹、口腔カンジダ、脂漏性皮膚炎、結核

【AIDS発症期】

 ニューモシスチス肺炎、クリプトコッカス髄膜炎、各種のAIDS指標疾患

 

<身体診察で重要な点>
・診ようとする人には見える
・毎日、繰り返して行う
・眼、皮膚、リンパ節、心音、腹部などに特に注意
 –原因不明の皮疹、リンパ節腫大、肝腫大⇒生検対象
・いつも診ないところを診る
 –「孔の周り」に注意せよ→「眼、耳、鼻、口、肛門」

 

松永先生のレクチャーでは他にもHIVに関する内容が盛りだくさんでしたが、以下のポイントのみ紹介しておきます。あなたもHIV患者さんに遭遇した時に焦ることがないようにしておきましょう。

 

・HIV感染症は長期生存可能な疾患である

・良好にコントロールされているHIV感染者は「免疫不全者」ではない

・良好にコントロールされているHIV感染者が他者へHIVを感染させるリスクは非常に小さい

・不用意な治療中断は時に重大な結果をもたらす

・一部の抗HIV薬は高度の薬物相互作用を有する

・針刺し事故時に予防内服が有効である

・事故後の服薬開始はできるだけ早い方が良い

・HIV感染症の専門家は決して相談を嫌がらない 

 (編集長)

 

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