臨床研修ブログ

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感染性のFever & Rash    徳田先生のカンファより

2018.06.21
カテゴリー: カンファレンス 内科

少し時間がたってしまいましたが、

5月29日に徳田安春先生にお越しいた

だいて、内科カンファを開催しました。

 

徳田先生は紹介する必要が無いくらい

有名です。著書も多数ありますし、

ドクターGと言えば患者さんでも

分かってしまうくらいです。

 

そんな徳田先生ですが、当院との

お付き合いも長くなりました。

 

もともとは当院での研修医教育を

どうしたら良いのかと、感染症の

青木眞先生に相談したことがありました。

 

(ちなみに編集長は研修医時代に

青木先生にカンファなどでご指導

いただいたことがあり、そのご縁で

当院にもお越しいただいたこともあります)

 

その時に青木先生からご紹介いただいた

のが、徳田先生と感染症の松永先生でした。

 

ちょうど徳田先生が水戸協同病院に

赴任される時期と重なったこともあり、

水戸を離れた現在も、当院に定期的に

カンファに来ていただいています。

 

今回は5月29日に行われた症例検討の中から

今後の役に立ちそうなところを紹介します。

 

症例は70歳代の女性で

主訴は発熱、発疹、浮腫

病歴としては、発熱から始まり、

発疹が出現。その後浮腫も出現して・・・、

という経過でしたが、約6週間の経過で

症状も軽快して、結局のところ

診断がつかずに終了でした。

 

ですが、診断を考えていくうえで、

いくつかポイントがありました。

その中から今回はFever & Rash

(発熱+皮疹の患者)をまとめてみました。

(徳田先生の話に加えて青木先生の感染症

レジデントマニュアルを参考にしています)

 

Fever & Rashの鑑別

まずは、

・感染性か?

・非感染性なのか?

 

非感染性は長くなるので

今回は感染性のものを挙げます。

 

①全身性の感染症に伴う皮疹と発熱

ウイルス

麻疹、風疹、突発性発疹、伝染性紅斑、

水痘、CMV、EBV、HIV感染症

ポリオ以外のエンテロウイルス感染症、

B型肝炎、(黄熱病やデング熱など)

細菌:

野兎病、梅毒、レプトスピラ症、

クラミジア症、リケッチア症、

(Q熱、鼠咬症)

 

②局在する一次感染巣から菌塊や毒素などが

 二次的に皮膚に広がり出現する皮疹

ウイルス:

単純ヘルペス、帯状疱疹ヘルペス

(神経→皮膚)

 

細菌:

髄膜炎菌性髄膜炎

 (髄液・髄膜→血液・皮膚など)

播種性淋菌感染症

 (生殖器→関節・皮膚など)

心内膜炎(心内膜→爪下、皮膚など)

黄色ブドウ球菌・毒素性ショック

(女性生殖器・トキシン→皮膚・粘膜など)

緑膿菌(深部臓器・血液→皮膚)

溶連菌・猩紅熱・毒素性ショック様症候群

(皮膚・咽頭・トキシン→皮膚)

腸チフス(長官・血液→皮膚)

真菌:

カンジダ症(深部臓器・血液→皮膚)

クリプトコッカス症

 (髄液・髄膜→血液・皮膚など)

 

③局所の細菌性皮膚感染症による発熱

細菌:

蜂巣炎、丹毒、毛包炎、壊死性膿皮症

真菌:

アスペルギルス症

 

正直なところ、編集長は皮疹が絡むと

どう対処したらいいのか困るのですが、

むしろヒントになるので、ある程度は

整理しておくとビビらないで済みそうです。

(編集長)

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