臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

20分間の真剣勝負?

2019.01.29
カテゴリー: 水戸医学生セミナー

まず、病室前の廊下で簡単な症例提示

があります。

 

「78歳の男性。3日前に呼吸困難感を

主訴に救急車で搬送されてきました。」

 

検査所見などは一切提示されないまま、

 

「さあ、20分間で診察をして、身体所見と

考えられる診断をまとめて下さい。」

 

水戸協同病院でのPhysical examination 

roundは、このように始まります。

 

 

病室に入る時にアルコールで手を消毒

しているか?患者さんに挨拶しているか?

これらもチェックポイントです。

そして、患者さんには基本的に

質問(問診)をしてはいけません。

 

冒頭の症例はCOPDの急性増悪の

症例で、診察時はだいぶ呼吸状態も

落ち着いてきている時でしたが、

診察する医学生は緊張しながらも、

チームメンバーと相談しながら、

身体所見を一生懸命に取っています。

 

ではここで、あなたにも質問です。

COPDの際に見られる身体所見を

挙げて下さい。

いろいろありますが、

あなたはいくつ言えましたか?

 

・口すぼめ呼吸

患者さんはほとんど無意識にやって

いますが、Auto PEEPの効果があります。

 

・気管短縮

肺の過膨張で横隔膜が下がるため、

肺や気管が下に引っ張られて、相対的に

気管が短く見える。胸骨上縁と輪状軟骨

までの距離が2横指以下の時に言う

 

・胸鎖乳突筋の肥大

呼吸補助筋を使うので肥大してくる

 

・剣状突起下での心尖拍動

肺の過膨張で心臓も下に引っ張られて、

心尖拍動が剣状突起付近に移動してくる

 

・フーバーサイン

これも肺の過膨張で胸郭の動きが制限

され、下部肋骨が吸気時に内側に移動

すること

 

・バチ指

いちおうCOPDの身体所見ですが、

COPD単独でバチ指は稀です。

肺癌などの検索をしましょう。

(よく、徳田先生が強調しておられます)

 

COPDの身体所見は、他にもいろいろ

ありますが、ラウンド終了後は、

このような所見とその解釈を、

担当の研修医からフォードバックして

もらいます。

 

五感をフルに使って真剣に身体診察に

取り組み、身体診察後の詳細なフィード

バックを受けると、もう一度ベッドサイドに

行ってみたくなるはずです。

 

あなたは身体診察のみの20分間で

どこまで診断に迫れるのか?

水戸協同病院でのPhysical examination 

roundに、ぜひ挑戦してみて下さい。

 

第19回水戸医学生セミナーは

平成31年3月2日(土)、3日(日)

2日間で開催します

 

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追って担当者からご連絡します。 

 

 過去の参加者の感想は・・・

↓↓↓

・初めて身体診察をさせてもらい緊張で

 後悔ばかりでしたが、学生がこれ程

 任せてもらう機会はないと思うので

 貴重な体験になりました。

 

・実際の患者さんを診察させていただいた

 ので所見が印象に残りました。フィード

 バックもあり診察しっ放しにならなかった

 のも良かったです。

 

・普段、自分がいかに身体診察を怠って

 いるかが分かりました。今後、実習では

 もっと主体的に患者さんに関わって

 いきたいと思います。

 

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