臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

P(リン)のお話・1

2019.01.31

久しぶりに腎臓内科のベイマックスが

記事を書いてくれました。ニッチな

ネタかもしれませんが、臨床では大事

です。ぜひご一読ください! 

(編集長)

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ICU管理中の患者さんのPが低い・・・

透析患者のPが高い

・・・

あなたが、看護師さんからこんなこと

言われたらどうしますか?

 

今回からP(リン)のお話です。

ヒトの体の中には約600gのPが

存在し、そのうち85%は骨に存在

しています。

 

Pは体内ではcAMPやcGMPなどの

情報伝達のメッセンジャーやATPなどの

エネルギー、補酵素、リン脂質などで

使用されています。

 

そのためPが体内から少なくなると

エネルギーや情報伝達などがうまく

働かなくなります。また、Pが多くなると

動脈硬化につながります。

 

ヒトの体内ではどのように摂取され、

どのように調整を受けているのでしょうか?

 

まず、食事(乳製品やたんぱく質の多い

もの、保存料など)に含まれるPは

十二指腸や小腸で吸収されます。

 

この時にビタミンDの作用を受けて

吸収が良くなります。(ビタミンDが

十二指腸などにあるⅡb型Na-Pi共輸送体

の働きを高めるためです。)

 

余分なPは腎臓から排泄されます。

まず糸球体で濾過されたPの80%は

近位尿細管で再吸収されます。

腎臓でのP排泄を調節する因子としては

PTH、活性型ビタミンD、FGF23、

細胞外液量の増加、グルココルチコイド、

ドパミンなどがあります。

 

またP排泄を抑制する因子としては

成長ホルモンやインスリンがあります。

 

次回は、これらが異常を見た時に

どのような病態を考えるべきか?

について紹介します。

(腎臓内科のベイマックス)

 

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