臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
抗菌薬の整理法・6 松永先生のカンファより
7月9日に松永先生の
感染症カンファが開催されました。
11年目となった当院にとって
無くてはならないカンファの
一つです。
毎年のことですが、2回目のテーマは
「微生物・抗微生物薬」。
感染症診療の基本を確認しながら、
抗菌薬を一気に勉強しました。
抗菌薬は入院でも、ERでも、
よく処方する薬の一つですが、
苦手な人が多いはず。
抗菌薬を勉強する時のポイントは
「この菌に有効な抗菌薬が何なのか?」
をおさえることです。
そのためには、抗菌薬表を
利用すると分かりやすくなります。
さらに、個々の菌名を覚えるよりも、
グループで覚えた方が
分かりやすくなります。
このブログでは、一昨年にペニシリン系を
昨年は、セフェム系の抗菌薬表を
紹介しました。 菌の分類についても
紹介しているので、ぜひご覧ください。
(*抗菌薬の整理法5まであります!)
そして、今年はキノロン系抗菌薬を
紹介していきます。
キノロンは、よく処方される抗菌薬で、
なんでも効くような印象があって、
困ったときは処方している人が
多いと思います。でも、特徴や
問題点をきちんと押さえておきましょう。
キノロン系の特徴は
・核酸合成阻害作用
・非定型肺炎(マイコプラズマ、
クラミジア、レジオネラ)に有効
・古い世代ほどグラム陰性菌に強い
・新しい世代ほどグラム陽性菌に強い
・経口で抗緑膿菌作用のある唯一の系統
問題点としては
・耐性化、特にシプロキサシン
・結核を中途半端にカバーしてしまう
→診断の遅れにつながる
・経口薬ではMg製剤と同時服用はNG
→吸収が低下します
副作用
・乳幼児の軟骨形成障害
・痙攣(特にNSAIDsとの併用時)
・QT延長⇒Torsade de pointes⇒心室細動
・腱断裂(高齢者)
・大動脈瘤の破裂リスク増大
それから、キノロン系にも世代が
あるのを知っていましたか?
代表的なキノロン系薬剤の特徴は
シプロフロキサシン(シプロキサン®; CPFX)
–グラム陰性桿菌+非定型
–緑膿菌もOK
レボフロキサシン(クラビット®; LVFX)
–シプロ+グラム陽性菌
–緑膿菌もOKだがシプロより弱い
モキシフロキサシン(アベロックス®; MFLX)
–グラム陽・陰性+非定型+/-嫌気性菌
–緑膿菌への効果は失われた
抗菌薬表にすると、こんな感じです
(編集長)
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