臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
いつまで続ける? 投与期間の決定
来週7月9日の開催予定の
松永先生の感染症カンファの前に、
「感染症診療の流れ」における
6つのポイントを紹介しています。
今回は最後に残った
「投与期間の決定」についてです。
例えば、あなたが蜂窩織炎の患者
さんを担当したとします。血液培養で
黄色ブドウ球菌(MSSA)が検出され
ました。第1世代セフェムのセファゾリン
(CEZ)の投与で順調に改善しています。
患者さんも元気になってきて
「いつ退院できますか?」とか
「点滴はいつまでやるの?」と
聞いてきました。
こんな時、あなたは何と答えますか?
結論から言うと、投与期間の判断は、
「各疾患の一般的な目安+個々の
患者の状態」
で決めることになります。
血液培養でMSSAが検出されて
いれば、抗菌薬の10~14日間投与
を考えます。
でも、人工血管などのデバイスが
ある患者さんだったら、かなり
悩んでしまいます。血液培養の
陰性化も確認しなくてはなりません。
ということで、「決まり」ではなく、
「目安」をもとに、培養結果や
感染局所の指標を見ながら
判断することになります。
「抗菌剤投与の目安」には
以下のようなものがあります。
【髄膜炎】
髄膜炎菌、インフルエンザ菌 ・・・・7日間
肺炎球菌 ・・・・・・・・・・・・・14日間
リステリア菌 ・・・・・・・・・・・21日間
【肺炎】
肺炎球菌 ・・・・・・・・・・・・・解熱後3~5日
(最短5日)
レジオネラ・非定型 ・・・・・・・・7~14日
腸内細菌科、緑膿菌 ・・・・・・・・21日
(しばしば42日)
【心内膜炎】
緑色連鎖球菌 ・・・・・・・・・・・14日
(GM使用下)
腸球菌 ・・・・・・・・・・・・・・28日~42日
黄色ブドウ球菌 ・・・・・・・・・・28日~42日
【腎盂腎炎】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・14日
CPFX、LVFX使用 ・・それぞれ7日、5日
【菌血症】
感染源除去可能 ・・・・・・・・・・10~14日
(編集長)
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