臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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肺炎患者の対応 その5
院内肺炎(HAP)の続きです。
HAPの治療の流れは、
①敗血症の有無の判断
②重症度の判断
③耐性菌リスクの判断
特に、重症度の判断は、
A-DROPではなく、
I-ROADと、2つの重症度
規定因子を用いて評価します。
では、③の耐性菌のリスクは
どう考えればいいのでしょうか?
成人肺炎診療ガイドライン2017では、
次のようなものを、耐性菌のリスク
因子に挙げています。
さらに考慮すべき起炎菌はとして
下記のようなものを挙げています。
こう考えると、「HAPだから、
緑膿菌もカバーしなければ」と
いうのは、必ずしも正しくありません。
さらに、現実問題として、緑膿菌や
ESBLを考慮して、ペネム系抗菌薬を
最初から使ってしまうと、次の手が
なくなってしまい、非常に困ります。
「HAPだから緑膿菌も、ESBLもカバー」
ではなく、起炎菌は何なのか?
ホントにカバーする必要があるのか?
この点を意識しながら抗菌薬を
考えてみてください。
次回はVAPを紹介します。
(編集長)
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◆松永先生の感染症カンファ
松永先生の感染症カンファを
下記日程で開催します。
院外からの参加も歓迎します!
令和元年9月10日(火)13時より
参加を希望される方はこちらにご連絡ください!
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