臨床研修ブログ

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なぜ脈が抜けるの? 期外収縮4

2020.02.22
カテゴリー: カンファレンス循環器

期外収縮の続きです。

 

患者さんは、期外収縮の症状を

「脈が抜けた」とか

「ドキンと脈が強くなる

と、よく表現します。

 

これって、どうしてなのでしょう?

さらに、よく考えてみれば、

脈が抜けるのと、ドキンと

強く脈を感じるのは

全然違う現象ですよね。

 

あなたは説明できますか?

正常の心臓であれば、1回拍出量は、

拡張期が短いと低下します。

これは、左室内に十分に血液を

ため込めない(左室拡張末期容積が

小さい)うちに収縮してしまうためです。

 

逆に、拡張期が長いと、1回拍出量は

増加します。

これは、左室内に十分血液をため込む

(左室拡張末期容積が大きい)と、

収縮力が増加するためです。

Frank-Starlingの法則

 

期外収縮の話に戻ると、期外収縮は

予定よりも早いタイミングで収縮する

不整脈なので、1回拍出量が低下

します。

 

と言うことは、図の矢印のように

なるので、脈をとっていると、

ここで「脈が抜けた」ように感じます。

 

一方、期外収縮の直後の収縮は、

一般的に拡張期が長くなるので、

1回拍出量が増加します。

 

図の矢頭のようになり、ここで正常の

脈よりも「ドキン」と強く脈を感じて

しまいます。

 

では、ここで宿題です。

下記のような心電図では

脈拍はどうなるでしょうか?

解説は次回にしますので、

それまで考えてみてください。

(編集長)

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