臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
糖尿病患者を診る時のポイント
糖尿病は全く無症状の期間が非常に長いので、症状が出現した時はすでに手遅れ・・・・、という怖い病気です。網膜症などの合併症だけでなく、心血管イベントも多いし、感染症も重症化しやすい。いろいろとマネジメントも大変なことが多いですね。
どの診療科に行っても糖尿病の患者さんに関わらないことはありません。もちろん、あなたの担当患者さんの中にも糖尿病の人がいるはずです。でも、糖尿病は耐糖能異常と呼ばれるような状態から、網膜症や腎症などの糖尿病性合併症を来した状態まで非常に幅広い病態を含んでいます。当然ながら対応すべきことが変わってきます。
では、糖尿病の対応をどうすべきか判断する時、糖尿病を持っている患者さんを問診する時、または指導医の前でプレゼンする時は、どんなポイントを押さえればよいでしょう?
ちょっと考えてみてください。
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編集長は普段から以下の4点を把握するようにしています。
①罹病期間
10年以上か10年未満か ざっくりした把握でOKです。患者さん自身が合併症のことを把握していなくとも、10年以上の罹病期間があれば、なにか合併症があってもおかしくないと捉えておきましょう。
②現在の治療内容
インスリン? SU剤? など、当然把握しておくことが必須ですし、低血糖などの合併症への対応も変わってきます。インスリンを行っている患者であれば、Ⅰ型かⅡ型かを確認しましょう。つい忘れがちですが非常に重要です。いつからインスリンを開始されたことが分かるだけでも参考になります。
③最近のコントロール
HbA1cを確認しましょう。最近は患者さんもクリニックで教えてもらっていたり、糖尿病手帳に書いてあったりします。コントロールが悪いのも心配ですが、コントロールが良すぎるのも心配です。治療内容と照らし合わせましょう。
④合併症の有無
腎症は何期?網膜症は?神経障害は?コントロールされていない網膜症がある時に急に厳格な血糖コントロールをすると、網膜症が悪化すると言われています。3大合併症以外にも、脳梗塞や虚血性心臓病などの心血管イベントも把握しましょう。
この4点を押さえておけば別の疾患で入院することになっても、糖尿病への対応を絶対に外せない患者さんなのか、慌てなくてよい患者さんなのかをおおよそ掴むことができます。
もちろん、これらのポイントを押さえておけば、プレゼンする時でも、指導医に突っ込まれた時でも、慌てなくて済みますよ。
(編集長)
先輩からの指導中@病棟
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