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水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
【御礼】レジナビにご参加ありがとうございました!
4月23日に”レジナビFairオンライン2024 6年生Week”に参加しました。30名以上の医学生にご参加いただきました。どうも有難うございました!
いつも通り前半は編集長が病院説明、後半はJ2の友永先生も加わっての質疑応答でした。今回はホントに関東以外の全国から参加いただいた方が多く、さらに質問をたくさんいただきましたが、友永先生がバッチリ答えてくれました。特に当院の特徴である小児科と産婦人科に関する質問が多かったですね。どうも有難うございました!!
ご承知の通り、研修病院探しではレジナビは完全に定番となっています。20分という短い時間ですが、毎回司会の方が上手に進行してくれるので、沈黙の時間がなくて我々としても非常にやりやすいですね。
レジナビの中でもお伝えしたのですが、候補に考えている病院には必ず足を運んで、自分で雰囲気を確かめてください。「研修先」であると同時に「就職先」でもある訳ですから、全く見学に行かないで決めるのはちょっと心配になります。
6年生のあなたはなかなか時間がないかもしれませんが、4年生や5年生のあなたなら是非とも気になる病院には、2回、3回と見学に行ってみてください。1回の見学だけでは分からなかった病院の雰囲気などが分かるようになるはずです。
ちなみに6月に東京で開催予定のレジナビには茨城県立こども病院と一緒に出展する計画を立てています。皆さんにブースに訪問していただけるような企画を考えていますので、もう少々お待ちください♪
(編集長)
今回は友永先生♪
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水戸済生会総合病院の臨床研修は
総合診断能力を有するスペシャリスト
を目指します
◆病院見学に来ませんか?
当院の研修医がどんなふうに仕事しているのか?どんな生活を送っているのか?
あなたの目で確かめてみてください!
病院見学をご希望の方は、下のフォームからご連絡ください。
なお、病院見学がむずかしい時は、Zoomで個別説明会を行っていますので、
下のフォームに「Zoom希望」と記入してご連絡ください。
↓
病棟での問診のコツ(2)
病棟で問診する際のコツの続きです。
3.場所に配慮する
個室に入院している場合は問題ないかもしれませんが、大部屋の場合は周囲の患者さんに全部話を聞かれてしまいます。病気のことは誰でも聞かれたくないものですから、動ける患者さんの場合は、病棟内のICするスペースなどに場所を変えて話を聞くと良いでしょう。
また、場所を代えるということは患者さんが「ちゃんと先生と話が出来た」と認識してくれるきっかけになります。特に女性の研修医は看護師さんと勘違いされていて、十分話をしたはずなのに、「まだ先生が来てくれていません」なんて言われることが残念ながら時々あります。こんな時は場所を代えて、改めて自己紹介して話をすると上手くいきます。
ただし、患者さんと二人きりになる環境は可能な限り避けた方が良いでしょう。たとえ相手が若い女性やこどもでなくとも、昨今のニュースにもあるように、患者さんと二人きりになると身の潔白を証明できないこともありえることは覚えておく必要があります。かといって、全ての患者さんにできる訳ではないのも現実ですが・・・。
4.雰囲気や態度で共感的理解を示す
入院してくる患者さんは、いろいろ不安を抱えています。不安に思っていることを全部話せて、しっかりと話を聞いてもらった(=共感的理解)という安心感はとても大事です。
ここで重要なのは、共感的理解というのは、言葉よりも、むしろ言葉以外の態度が大きく影響する、ということです。具体的に言えば、患者さんから話を聞くときは、患者さんと視線を合わせて、少し前かがみの姿勢で話を聞く、ベッドサイドなら、サッとしゃがんで患者さんと目線の高さを合わせて話をする、などです。
こういった態度が自然にできると患者さんにも家族にも、そして看護師さんなどのスタッフにも好印象を持ってもらえます。ぜひやってみて下さい。
(編集長)
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◆今夜です! レジナビでお会いしましょう!!
4月23日(火)18:00~18:20
「レジナビFairオンライン2024 6年生Week」に当院が登壇します。
当日は研修医も登場しますので、ぜひとも直接質問して下さい!!
参加にはレジナビから申し込みが必要です。
下記リンクからお申し込みください。
レジナビのページはこちら(申し込み締め切りは本日15時まで)
病棟での問診のコツ(1)
4月も半分を過ぎましたが、病棟では患者さんを担当して、問診やオーダー、カルテ記載など、毎日の仕事が忙しいと思います。
そして、担当患者さんのことを全然把握できない・・・・、そう思っているあなたは心配いりません。最初からできる人はいませんから、焦らずにやっていきましょう。
さて、病棟では担当患者さんのところに行って話を聞きますよね。指導医が外来などで記載しているカルテの内容を確認するのはもちろんですが、それを鵜呑みにせず直接患者さんに確認することが大事です。
そうは言っても、患者さんと何となく話しにくい、うまく聞き出せないなんてことがありますよね。家族だとなおさらかもしれません。患者さんや家族から話を聞きだすには、どんなことに注意したら良いでしょう?ここでは病棟での問診のコツを紹介します。
1.挨拶と自己紹介
病棟に入院してきた患者さんのところへ行ったら、まずは挨拶です。「こんにちは。入院中に□□先生と一緒に担当します研修医の○○です。」
この時に患者さんの名前を確認を忘れないように。編集長も話していたら、じつは全然別の患者さんだった、という経験があります。特に慣れていない時ほど注意です。
また、もし家族がいれば家族にも挨拶すると同時に、患者さんとの関係を聞いておきます。「失礼ですが、ご関係は?」と言えばOKです。
これも編集長の経験談ですが、明らかに奥さんと思われる女性が入院に付き添ってきたので、「奥さまですね。今回の入院では・・・」などと話し始めたら、、奥さんは亡くなっていて、年の近い妹さんが一緒に来ていたなんてこともあります。
家族のことは後になるほど聞き出しにくくなるので、最初の時点で聞き出しておくのがコツです。家族がいない時は、誰に電話など連絡をとるのが良いのか患者さん自身に確認しておきましょう
2.患者さんの状態を尋ねる
病棟には、基本的に具合の悪い患者さんが入院してきます。そこで、いろいろ問診する前に「今のお加減はいかがですか?」「少し話を伺ってもいいですか?」と患者さんを労わる一言から始めましょう。
もちろん検査入院などでは体調も悪くない場合もありますが、外来受診から入院までの間に状態の変化がないかを、最初に聞きましょう。その後で「今日はどうしましたか?」など、患者さんが自由に話せるいわゆるOpen Questionから始めて、最初の数分間だけでも、こちらから言葉を挟まずに聞くことに徹すると、患者さんや家族のあなたに対する印象がすごく良くなります。
(編集長)
回診の一コマ
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◆レジナビでお会いしましょう!
4月23日(火)18:00~18:20
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糖尿病のお薬・・・インスリン
今回はインスリンの紹介です。インスリンというと種類も多くて良く分からない、スライディングスケールしかやったことがないという人が多いかもしれませんが、今回は実践的な最低限の知識(と編集長が思っている)に絞って紹介します。
【機序】
血中のブドウ糖を肝臓や脂肪細動、骨格筋などの細胞内に取り込ませることで血糖値を低下させます。健常者では、主に肝糖産生を調節して空腹時血糖を制御する基礎インスリン分泌と食事による食後血糖を制御する追加インスリン分泌からなっています。
【適応】
<絶対的適応>
・インスリン依存状態
・高血糖性の昏睡(糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧性高血糖状態)
・重症の肝障害、腎障害の合併
・重症感染症、外傷、中等症以上の外科手術
・糖尿病合併妊娠(コントロール不良の妊娠糖尿病を含む)
・静脈栄養時の血糖コントロール
<相対的適応>
・インスリン非依存状態でも著明な高血糖の場合
・経口糖尿病薬のみではコントロールが得られない場合
・やせ型で栄養状態が低下している場合
・ステロイド治療中の高血糖
・糖毒性を積極的に解除する場合
【禁忌】
特別なものはありません。
【副作用】
「インスリンの副作用はなに?」と質問すると多くの研修医が「低血糖」、「低カリウム血症」と答えてくれます。もちろんこれは正解ですが、これに加えて、「体重増加」もぜひ覚えてください。
インスリンは血糖を肝臓や脂肪細胞などに取り込ませるだけでなく、脂肪の分解を抑制する作用もあるため、体重増加につながります。入院中など急性期にインスリンでコントロールするのは問題ありませんが、外来での管理の時はできるだけインスリンを増やさない工夫が求められます。
インスリン療法の基本は、健常者に見られる血中インスリンの変動パターンをインスリン注射で模倣することです。当院の総合内科では、基礎インスリン分泌として眠前に持効型インスリンを、追加インスリン分泌として食前に超速効型インスリンを打つ4回打ちを基本とし、ダラダラとスライディングスケールをしないようにしています。
また、①経口糖尿病薬を使ってもコントロールが悪い時にインスリンに切り替える方法もありますが、②治療開始早期にインスリンを導入し、積極的に糖毒性を解除してコントロールを付けてから経口薬に切り替える方法もあります。患者さんにどのような方針なのかを良く説明しておくことが大事です。
インスリン療法の大事なことは、その患者さんの生活スタイルに合わせてアドヒアランスを向上させるように工夫することです。糖尿病の先生はいろいろな手を知っているので、困ったときは相談すると良いと思います。
(編集長)
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4月23日(火)18:00~18:20
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「おひたし」は出来ていますか?
今回はJ2のあなた向けの内容です。もちろんJ1にも医学生にも役立つ内容ですので、ぜひご覧ください。
あなたは「ほうれんそう」を聞いたことがあると思います。もちろん、ほう(報告)・れん(連絡)・そう(相談)のことです。
だれでも指導医などから「対応に困ったら、すぐに連絡をくれ」とか「相談してくれ」と言われた経験があるはずですが、実際のところすぐに連絡して、相談しているでしょうか?
「なんか忙しそうで声をかけにくい・・・」とか「聞いたら怒られるかな?」とか、ためらってしまうことが多いのではないでしょうか?
でもこれって、指導医の先生によるところも大きいですよね?つまり、相談しやすい指導医と相談しにくい指導医がいるのですが、いったい何が違うのでしょうか?
こんな時に思い出してほしいのが「おひたし」です。
「おひたし」とは
お:怒らない
ひ:否定しない
た:(必要があれば)助ける
し:指示する
つまり安心して報告、連絡、相談できるように、あなたが現場の雰囲気を作ることが必要という意味です。
J1が入ってきて病棟やERで指導するとき、あなたにとっては当たり前の対応も、J1にとっては初めてのことでどうしていいか分かりません。1年前のあなた自身を思い出してみればわかることと言え、つい声をかけにくいオーラを出しているかもしれません。
J1や看護師さんからの連絡を「そんな(つまらない)こと・・・」とか、「いま忙しいのに・・・」という感じで、たとえ言葉に出さなくとも、そんな雰囲気を敏感に感じ取って話しにくくなります。そのうちにどんどん情報が来るのが遅くなり、「なんでこんなことになるまで連絡くれないの!」と、あなたも、そして患者さんも不幸になってしまいます。
普段から報告、連絡、相談をしても大丈夫な先生だと思ってもらえるように、あなたも「おひたし」が出来ているのか、ぜひ振り返ってみてください。
(編集長)
ERの一コマ
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チェックリストの活用
研修が始まってそろそろ2週間です。水戸済生会では1週目がオリエンテーションだったので、病棟の仕事はまだ1週間ですが、おそらく何が何だか分からない状態だったと思います。
編集長の経験から言わせてもらうと、ローテーションが変わった時は、最初の1週目は何が何だかわからないまま過ぎて、2週目になってようやく何をするのかが理解できてくるといった感じです。仕事に慣れてきたかもと思えるのは3週目からです。まして初期研修のホントの最初ですから、まあ焦らず行きましょう。
このところほぼ毎年紹介していますが、仕事を進めていくコツの一つはルーチンワークをいかに早く終わらせるかです。ルーチンを速く済ませて、患者さんのところにいったり、勉強の時間に使いましょう。
でも覚えることがたくさんありすぎて、訳が分からないというのも事実。そんな時に役に立つのがチェックリストです。チェックリストでやるべきことを確認して、仕事を効率的に済ませることができます。
例えば、あなたがERで関わった患者さんについて、指導医から「この患者さんは入院だから、一通りの指示を出しておいてね」と言われたら、何を済ませておけばいいでしょう?
入院時のチェックリストとしては
・入院病棟を決める
・入院オーダーを入力
・入院診療計画書の記入
・服薬指導の指示
・食事内容の指示
・点滴のオーダー(抗菌薬を使うならアレルギーチェックシート記入)
・追加検査のオーダー入力
・DVTのスクリーニングシート記入
・看護師さんへの指示簿記入(バイタル、安静度など)
・リハビリのオーダー入力
・持参薬の確認と処方
・MSWへの連絡
・患者家族へのIC
といったところでしょうか。全ては必要ないかもしれませんが、もし入院後に手術とか内視鏡やカテをやるのならば、そのオーダーとか同意書もやらないといけないので、チェックリストがないとなかなか難しいと思います。
入院というルーチンワークに関してチェックリストを作って確認しながらやれば、患者さんが病棟に入院してから何度もコールされて、慌てることもなくなります。是非使ってみてください。
(編集長)
夕方の回診の一コマ
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糖尿病のお薬・・・イメグリミン
今回は血糖依存性のインスリン分泌促進系薬剤のうちイメグリミンについてです。この薬剤は登場してから日が浅く、まだ目にしたことがない人も多いと思いますが、慌てないように知っておきましょう。
【機序】
・ミトコンドリアに作用することで膵臓でのインスリン分泌促成作用や骨格筋でのインスリン抵抗性改善作用、さらに肝臓での糖新生抑制作用があります。
【特徴】
・ビグアナイドに構造や機序が似ているそうですが、違いはグルコース濃度依存的にインスリン分泌促進作用があることと、ビグアナイドで起こりうる乳酸アシドーシスが起きないとされているところです。
【禁忌】
禁忌ではないものの、腎機能低下例(eGFR<45)では投与は推奨されていません。また肝機能低下例にも慎重に投与が必要です。
【副作用】
・消化器症状:嘔気、胃部不快感、便秘、下痢
・特にビグアナイドとの併用で消化器症状が増えるようですので、避けた方がよいでしょう。
・他の糖尿病薬との併用の際は低血糖に注意です。
投与量としてイメグリミン(ツイミーグ®) 1回1000㎎を1日2回服用となっています。
今後、この薬剤の立ち位置がだんだんと定まってくると思いますので、適宜情報収集しておくと良いと思います。
(編集長)
J2からのご指導中
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糖尿病のお薬・・・GLP1受容体作動薬
年度の切り替わりでちょっと間が空いてしまいましたが、今回は血糖依存性のインスリン分泌促進系薬剤のうちGLP1受容体作動薬についてです。
GLP1受容体作動薬は注射薬として登場しましたが、2020年から内服薬も発売されています。最近では心血管イベント減らす糖尿病薬としてSGLT2阻害薬と同様に循環器内科で処方される場面が多くなりました。
【機序】
・インスリン分泌を促進する消化管ホルモン(インクレチン)の一つであるGLP1のアミノ酸配列を変化させて、DPP4で分解されにくくした薬剤。膵β細胞膜状のGLP1受容体に結合して血糖依存的にインスリン分泌を促進させる。さたにグルカゴン分泌抑制作用もある。
【特徴】
DPP4阻害薬同様に、
・体重増加を来しにくい。
・空腹時に低血糖を来しにくい(GLP1は腸管に食べ物が入る刺激で分泌され、空腹時は分泌されない)。
・心血管イベントを減らす。
さらに、
・長時間分解されなくても低血糖を起こさないので1日1回投与と週1回投与の注射薬がある。
・当初は注射薬だけでしたが、2020年に経口薬も登場(1日1回朝空腹時の服用です)。
【禁忌】
腎機能低下例でも使用可能ですが、エキセナチド(バイエッタ®、ビデュリオン®)は透析を含む重度腎機能低下例には禁忌です。
【副作用】
・消化器症状:嘔気、胃部不快感、便秘、下痢、腸閉塞
(DPP4阻害薬と同様に、消化管ホルモンの作用を増強し、腸管蠕動や食欲抑制する方向に作用します)
・急性膵炎の報告がある。特に膵炎の既往がある患者には慎重投与
週1回の注射で済むので、アドヒアランスが保てない患者に向きます。例えば高齢者なら、家族や訪問看護師さんが週1回打つだけになるので、コントロールが安定するケースを良く経験します。一方、食欲低下作用があるので、高齢者では脱水や低栄養、サルコペニアや骨量減少など、マイナスの面が出ることがあります。体重の推移に十分注意を払う必要があります。
なお、Webで検索するとダイエット目的のGLP1受容体作動薬の広告がたくさん出てきますが、ダイエット目的の使用は薬機法違反になります!!当たり前ですが、やったら捕まります。
(編集長)
あいにくの曇り空でしたが、
敷地内の桜は満開になっています
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患者さんに言ってはいけないNGワード
今回も新J1のオリエンテーションで話した話題からです。
これも編集長が毎年話しているネタですが、患者さんに言ってはいけない3つのNGワードを伝授しました。このNGワードは、編集長自身の反省や、他の先生の失敗から導き出されたものですから、あなたにも絶対役に立つはずです。
そのNGワードは次の3つ
「なんでもっと早く(病院に)来なかったの?」
「なんでこんなことで(病院に)来たの?」
「まあいいか」
患者さんには、いろいろな人がいますが、大多数の人は受診するのをためらっています。「こんなことで受診していいのか?」「医者に何を言われるんだろう?」と思いながらも、「でも、やっぱり心配」と思って病院に来るわけです。
我々だって詳細に問診をして、検査をしたうえで診断を付けるわけですが、医学的知識がない人に「なんでもっと早く・・・」と言ってもしょうがない訳です。こんなことを言われたら、患者さんは自分自身を責めて、不安に拍車をかけるだけ。
同様に、「なんでこんなことで・・・」と言われても、やっぱり不安だったから受診したわけです。もっと寄り添う言葉が必要です。
そして、「まあいいか」は手を抜いたり、まじめに取り組んでいないと取られることがあります。
これらのNGワードは病棟でもERでも、つい口に出てしまわないように注意してください。
(編集長)
OJTの一コマ
(お互いに採血の練習)
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初期研修のテーマ
新J1は今日も各部署からのオリエンテーションとJ2とのOJTで1日を過ごし、明日からの病棟デビューに備えていました。さて、今回はオリエンテーションで編集長が新J1たちに話した話題を紹介します。
まず新J1にこんな質問をしてみました。「初期研修の2年間の大きなテーマは何でしょうか?」あなたもちょっと考えてみてください。
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水戸済生会のプログラムだけでなく、各研修病院のプログラム冊子を見てみると、「理念」とか「目標」が書いてあり、その中には医師の「プロフェッショナリズム」とか「人格の涵養」といったワードが書かれていますが、編集長は初期研修の大きなテーマは「プライマリケア」だと考えています。
「プライマリケア」と言っても奥が深いですし、どこまでをプライマリケアと定義するかはここでは取り上げませんが、例えば「息が苦しい」と訴える人に「呼吸器内科を受診して下さい」と言うのではなく、まず喘息?COPD?心不全?それとも貧血?などと鑑別を考えながら話を聞いてみる、そのうえで適切な診療科にお願いすることが「プライマリケア」の第一歩だと思います。
この「プライマリケア」がテーマになっているので、内科、救急、外科、小児科、産婦人科、精神科、地域といった多くの診療科が必修ローテになっている訳です。
これらの必修ローテは編集長的には良いことだと思うのですが、好きではない診療科のローテはあまり研修に気合が入らないと思いますし、特に希望の診療科が決まっている人にとっては、タイパ重視の風潮があるご時世で、余計なローテは回りたくないと考えるのも良く理解できます。
ただ、医学生の時と初期研修で大きく異なるのは、患者さんに対して実際の医療行為を自分で行うことで、講義や実習では分からなかった、自分の興味や向き・不向き、診療科のリズム感が理解できるようになります。そこで新たに興味や関心がわいて、当初志望していた診療科とは別の診療科に進んだ先輩たちを何人も見てきました。
さらに、コロナの影響で本来のカリキュラム通りに十分な臨床実習ができず、全ての診療科を回った訳でもありませんから、初期研修を含めて一度も経験したことの無い診療科はずっと経験しないので、苦手意識を持ったままになります。
たとえローテした診療科に興味や関心を持てなかったとしても、そこで出会った指導医やスタッフをきっかけに後々のキャリア形成に思わぬ効果があったりもします。自分の考えだけでローテを決めれば合理的に思えるかもしれませんが、必修ローテは「自身の合理性を越えた機会提供の場」と捉えてみると初期研修も面白くなるかもしれませんよ。
(編集長)
総合内科のカンファの一コマ
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