臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
CRBSIの治療 松永先生の感染症カンファより
松永先生の感染症カンファから
「人工物・デバイス感染」の内容を
紹介しています。
前回は血管内留置カテーテル関連菌血症
(CRBSI)の診断について紹介しました。
今回はCRBSIの治療についてです。
CRBSIであっても、それ以外の人工物や
デバイスの感染であっても、治療の原則は
・抜くのが基本
・静注抗菌薬での治療 です。
CRBSIの場合、カテーテルを抜いてしまえば
OKと安心して、抗菌薬が使われていない
状況に遭遇することがあります。菌血症
(血培で陽性)になっているのですから、
必ず抗菌薬は使用しないといけません。
では、抗菌薬の投与期間は具体的に
どのくらいが必要となるのでしょう?
コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)
・抜去した場合 5-7日
・抜去なしの場合 10-14日
(抗菌薬ロックを加える)
黄色ブドウ球菌
・抜去のうえ14日以上
腸球菌
・抜去のうえ7-14日
グラム陰性桿菌(GNR)
・抜去のうえ7-14日
カンジダ属菌
・抜去のうえで、初回血液培養陰性から14日
繰り返しますが、CRBSIでは抜いただけでは
ダメです。静注抗菌薬での治療を忘れない
ようにしましょう。
(編集長)
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春の合同病院説明会のご案内
春休みに病院説明会が開催されます。
当院も参加しますので、ぜひブースに
お越しください!
茨城県臨床研修病院合同説明会
日時:平成30年3月11日(日) 午後1時~午後5時
場所:イーアスつくば 2Fイーアスホール
詳細はこちら
↓
http://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/jinzai/ishikakuho/isei/ishikakuho/mstudent/godosetsumeikai.html
レジナビフェアスプリング2018東京
日時:平成30年3月18日(日)午前10時~午後5時
場所:東京ビックサイト 西1ホール
詳細はこちら
↓
https://www.residentnavi.com/rnfair/ts180318
◆春休みを利用して、当院へ病院見学に
来ませんか?
当院の研修医がどんなふうに仕事しているのか?
どんな生活を送っているのか?
あなたの目で確かめてみてください。
病院見学に興味のある方、
参加してみたい方こちらからご連絡ください。
↓
http://www.mito-saisei.jp/resident/contact.html
◆感想やコメントはFacebookページから
お願いします!
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https://www.facebook.com/mitosaiseikai/
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婦人科も頑張ってます!
月日の経つの早いもので、、、
って言いたくなるのは年を取った
証拠でしょうか(TT)
ご無沙汰しております。チームさんばです。
いいわけですが(^^;)、1月~2月にかけて
びっくりするほど患者さんが多くて病棟は
てんてこ舞いの日々でした。
ご承知の通り周産期センターは緊急入院
ばかりで全く予定が立ちません。それでも
我が周産期センターのスタッフは嫌な顔
一つせず歯を食いしばってどんな時でも
受け入れてくれます。
周産期病棟の予定入院は帝王切開予定の方
だけなのでベッドコントロールは至難の業
です。こども病院が受け入れられないとき
以外はすべて受ける。これが周産期センター
のモットーなので、陣痛室や分娩室が
いったん病室となることもありますし、
症状によっては突然個室を確保しなければ
ならない場合もあります。
そんなわけで患者さんにも協力していただか
なければならないので急な病室移動の
ご理解を呼び掛けています。いつも皆様
お世話になっております。
ところで、そんな中でも婦人科としての
仕事も実はしております。
残念ながら婦人科腫瘍専門医がいないので、
上皮内癌以上の手術は行っていない
のですが、良性腫瘍の手術は行っています。
研修医の先生方にはまず開腹手術を勉強
してもらうのですが、初心者向けの手術が
どんどん腹腔鏡下手術に移行しているため、
開腹手術と腹腔鏡下手術と並行して勉強して
いってもらいます。
そして当院には、こんな腹腔鏡の
トレーニング室があるんです。
裏で(表で?)お産や母体搬送を受けつつ、
婦人科としても働ける周産期センターという
名の産婦人科!の宣伝させてもらいました。
(チームさんば)
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春の合同病院説明会のご案内
春休みに病院説明会が開催されます。
当院も参加しますので、ぜひブースに
お越しください!
茨城県臨床研修病院合同説明会
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高アンモニア血症の原因? 水戸医学生セミナーより
先日開催された第17回水戸医学生セミナー
から、イイところを紹介します。
今回は1日目の午後に水戸協同病院で
行われたケースカンファからです。
水戸協同病院では、初めにPhysical
examination roundを行いました。
これは実際の患者さんを、ベッドサイドで
問診なしの身体診察を行わせてもらい、
鑑別診断を考えていくというものです。
3名の患者さんに協力いただき、参加者は
一生懸命診察をしていました。さらに電子
聴診器を用いて聴診所見のクイズも
ありました。
これが終わると橋本先生による
「水戸協流 ケースカンファ」です。
前回も紹介しましたが、橋本先生は卒後
4年目ですが、第10回の医学生セミナーに
参加してくれた先生です。
提示したのは意識障害で受診した症例
でしたが、まるでERで診察しているような
感じで、各グループが知りたい情報を
橋本先生に問診しながら進めていく
のですが、先生は患者の家族役を熱演?
してくれました。
答えから言うと、意識障害の原因として
高アンモニア血症が関与していることが
分かりました。
でも問題は、なぜ高アンモニア血症に
なったのか??です。
高アンモニア血症を来す原因には
・先天代謝異常(尿素サイクル異常症)
・肝性脳症
・門脈・体循環シャント
・ウレアーゼ産生菌による尿路感染症
実は以前のセミナーでウレアーゼ産生菌
による尿路感染から高アンモニア血症で
意識障害に至った症例があったので、
もしかして2回目?と編集長は思ってしまい
ましたが、今回は門脈・体循環シャントが
原因で、カテーテルによる塞栓術も非常に
上手くいったケースでした。
いつもながら勉強になるケースカンファ
でした。
参加者の感想は
・普段の実習ではやらないような身体所見を
じっくりと鑑別を考えるという機会で、
とても楽しく勉強になりました。先生方
からのFeedbackがすばらしかったです。
・身体診察だけで分かることがたくさんある
ことを実感できた。
・もっと水戸協のレクチャー&実践があった
方がよかった。
・みんな身体診察だけで病名が分かっていて
ほんとにすごいと思った。
などなど、新しい発見があったようです。
次回も第17回水戸医学生セミナーの
イイところを紹介します。
(編集長)
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春の合同病院説明会のご案内
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CRBSIの診断 松永先生の感染症カンファより
先日行われた松永先生の感染症カンファ
からのご紹介です。今回のテーマは
「人工物・デバイス感染」でした。
人工物やデバイスを植え込む状況は多く
ありますが、感染症的には短期留置型
デバイスと長期留置型デバイスに分けて
考えます。
短期留置型デバイスには
・血管内留置カテーテル
・尿道留置カテーテル
・人工呼吸器関連感染
・脳室ドレナージ
などがあります。
長期留置型デバイスには
・長期留置型血管内留置カテーテル
・心血管系デバイス
心臓植え込み型電子デバイス(CEID)
機会弁
血管グラフト
・整形外科関連
人工関節
・脳神経外科関連
脳室―腹腔シャント
などですね。
さて、日常で多く遭遇するのは使用頻度の
多い血管内留置カテーテル関連菌血症
ですね。短期留置型デバイス感染の代表
です。英語ではCatheter-related Blood
Stream Infectionと言って、CRBSIと
略されます。
このCRBSIは疑うことが大事で、治療には
抜去+抗菌薬の投与が基本です。でも、
患者さんの状態によっては抜けない、
抜きたくない、抜いても次を入れられない
という切羽詰まった状況も出てきます。
つまり、感染でなければ残しておきたい・・・・。
こんな時はどう判断したら良いでしょう?
一つ参考になる方法が松永先生から紹介
されていました。それは、CRBSIを疑った
ら末梢血から血培1セットとカテーテルから
血培を1セットそれぞれ採取します。末梢血
に比べて、カテーテル血の方が2時間以上
速く培養陽性となればCRBSIと判断して
良いだろうとのことでした。
重症患者さんほど判断に悩む時が多いので、
試してみる価値がありそうですね。
(編集長)
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