臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
リウマチ性多発筋痛症 その2
マッキーがまとめてくれた
リウマチ性多発筋痛症
(Polymyalgia rhumatica:PMR)の続きです。
今回は検査所見について
【PMRの検査所見】
・高度の炎症反応を認める。
具体的には血沈(ESR)が80~100㎜/h
時に>150㎜/hを示す。
同様にCRPの上昇し>10㎎/dlとなる
こともある
・滑液包炎や滑膜炎を反映してMMP-3が
著明高値となる。ただし、ステロイド
開始後は、ステロイド自体でも上昇する
ため、寛解の指標には使えない
・リウマトイド因子や抗核抗体などの
自己抗体は陰性
・筋逸脱酵素(CK アルドラーゼ)は正常
同様に、筋電図、筋生検も異常なし
・エコーやMRIで、両側の肩峰下や三角筋下、
大腿骨大転子下に滑液包炎を高頻度に
認める。
【PMRの診断基準】
高齢者で、両側対称性の上肢のこわばりや
疼痛による挙上困難を訴え、炎症反応の
上昇を認める時はPMRを鑑別に挙げる。
Birdの診断基準が汎用されているが、
エコー所見を加味した、米国リウマチ学会
/欧州リウマチ学会(ACR/EULAR)の基準も
用いられます。
次回は鑑別と治療についてです。
(マッキー)
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リウマチ性多発筋痛症 その1
80歳台の女性
ADLの自立した患者さん。
糖尿病で近医加療中ですが、
コントロールはあまりよくない。
今回は、1か月前から両肩と両膝の
痛みを自覚。1週間前には整形外科を
受診し、痛み止めを追加された。
しかし、前日から疼痛が悪化し、
立ち上がれなくなったため、ERを
受診しました。
バイタルはBP:150/90mmHg、HR:90bpm
BT:37.1℃ RR:16 SpO2:97%
痛みを訴える場所には発赤・腫脹なし
熱感なし
さて、これだけの情報で、あなたは
どんな鑑別を挙げますか?
考えてみてください。
↓
↓
この症例はリウマチ性多発筋痛症
(Polymyalgia rheumatica:PMR)でした。
高齢者の不明熱の原因になるなど、
名前は聞いたことがあると思います。
除外診断が基本ですが、もうすぐ
初期研修を終えるマッキーが
PMRについて、まとめてくれたので
紹介します。
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【PMRの臨床的特徴】
・50歳以上(多くは60歳以上)に発症し、
男女比は1:2
・病因は不明だが、炎症の局在は
筋ではなく、滑液包や滑膜
・頚・肩・腰・大腿などの近位筋部に疼痛や
こわばりを訴え、一般的に両側性
・炎症を反映した安静時のこわばりで
肩関節周囲の滑液包炎のため
「朝から昼まで、両側上肢の挙上が
できない」という訴えが多い。
・微熱、倦怠感、体重減少などの
全身症状を伴う
・症状は2週間以内に完成し、慢性関節
リウマチより比較的亜急性の経過を取る
・側頭動脈炎と合併することもある
(欧米に比べ、本邦は少ない)
・両側の肩峰下滑液包と大腿骨転子部、
坐骨結節に、同部位の炎症を反映した
圧痛がある
・筋力低下はないものの、筋痛のために
筋力テストが困難なことがある
(マッキー)
次回は、PMRの検査や診断基準に
ついて紹介します。
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結節性紅斑 その2
結節性硬化症(Erythema Nodosum:EN)の
続きです。
皮疹は患者さんや家族も自分の目で
見ることができるので、どういう
経過になるのかを、よく質問されます。
ですので、今回はENの経過について
まとめておきます。
ENは炎症性の脂肪織炎なので、
皮下に結節が触れるのがポイントですが、
病変は硬く、境界不明瞭で、大きさは
さまざま。明るい赤色で、熱感や疼痛が
あります。
それが、だんだん平坦になって、紫色を
経て黄色のあざのように変化します。
最終的には、潰瘍や瘢痕を残さずに
完全に治癒しますが、数週間(たいてい
6週間)程度はかかるようです。
(もちろん基礎疾患によります)
基礎疾患が不明の場合は、30~40%で
再発を認めるとされ、その場合は
悪性腫瘍の検索を考慮します。
写真はネット上でいろいろ見れるので、
是非確認してください
参考文献
国際診療のための内科アトラス大事典
(編集長)
ERの一コマ
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