臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
病棟からのコールを減らすコツ・・・食事とクスリ
早いもので9月になりました。人によってはローテーションが変わって、新しい診療科のことを覚えるのに精いっぱいだと思います。
編集長自身の経験でも、研修医たちを観察していても、ローテーションが変わると、慣れるまでには2週間ほどかかります。最初の週は何が何だか分かりませんが、2週目にはすこし動きもわかってきて、3週目には自分で先を読んで行動できるようになるはずです。焦らずに頑張ってください。
さて、そんな慣れない状況なのに、PHSには病棟の看護師から連絡がじゃんじゃん入ってきてかなりストレスです。仕方ないとあきらめるのも一つの方法ですが、減らせるものなら、減らしたいですよね。今回は、そんな時に役立つコツを伝授しましょう。
看護師さんが、必ず確認してくる2つのポイントがあるのを知っていますか?
・・・そう、「食事とクスリ」です。
・検査や手術前に食事を止めるのか?
・いつ再開するのか?
・同様にクスリは飲ませていいのか?
・中止するのか?
看護師は、ここを必ず確認してきます。逆に考えると、この点をあらかじめ指示簿に明記しておけば、PHSが鳴る回数は確実に減らせます。
さっそく明日から食事とクスリの指示を忘れないようにしてください。
(編集長)
ICLSコースでの一コマ
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水戸済生会総合病院の臨床研修は
総合診断能力を有するスペシャリスト
を目指します
◆レジナビ内科専門研修に登壇します!
9月8日(日) 12:30~12:50
レジナビFairオンライン2024 内科専門研修プログラムに当院も登壇します。
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副鼻腔気管支症候群(SBS)
遷延性・慢性咳嗽の原因として、今回は副鼻腔気管支症候群(SBS)を取り上げます。
SBSは「慢性・反復性の好中球性気道炎症を上気道と下気道に合併した病態」と定義されています。
ちょっと分かりにくいですが、慢性副鼻腔炎に慢性気管支炎、気管支拡張症あるいはびまん性汎細気管支炎が合併したものです。注意点としては、SBSで出てくる慢性気管支炎はタバコが原因の慢性気管支炎とは別物という扱いです。臨床像としては、慢性の湿性咳嗽、慢性副鼻腔炎による鼻閉感、後鼻漏を呈し、進行例では労作時呼吸困難も見られます。
診断基準としては以下の3点すべてを満たすことですが、さらに鼻汁や喀痰中に好酸球の増加を認めることが特徴とされています。
①8週間以上続く呼吸困難発作を伴わない湿性咳嗽
②次の所見のうち1つ以上を認める
1)後鼻漏、鼻汁、咳払いなどの副鼻腔炎症状
2)敷石状所見を含む口腔鼻咽頭における粘液性あるいは粘膿性の分泌物
3)副鼻腔炎を示唆する画像所見
③マクロライド系抗菌薬や喀痰調整薬による治療が有効
治療としてはマクロライド系抗菌薬(エリスロマイシン600㎎/日やクラリスロマイシン400㎎/日)の長期投与が第一選択となります。ただし、効果があらわれ始めるのは2~4週間目以降とされているので、効果判定は4~8週間で判定することになります。
参考文献:咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019
(編集長)
ICUで気切造設中
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