臨床研修ブログ

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肺炎患者の対応 その3

2019.08.15
カテゴリー: カンファレンス 内科

市中肺炎(CAP)の続きです。

 敗血症の有無や重症度の

評価を行った後は、抗菌薬の

選択を考えます。

 

抗菌薬を選択する際は、大きく

・定型肺炎

・非定型肺炎

の2つに分けて考えます。

 

定型肺炎とは、肺炎球菌や

インフルエンザ桿菌、

モレキセラ・カタラーリス

などによる肺炎のことです。

 

一方の、非定型肺炎は

マイコプラズマやクラミドフィラ

(クラミジア)による肺炎の

ことを指します。

 

青木眞先生の「レジデントの

ための感染症診療マニュアル」

によれば、定型肺炎は、肺に

病像が限定される傾向あるそう

ですが、一方の非定型肺炎

では、頭痛や筋肉痛、皮疹、

関節痛など、肺外の臨床像が

目立つ傾向にあることから

名づけられたそうです。

 

とはいっても、青木先生も

書いているように、定型肺炎と

非定型肺炎を臨床的に

区別することは難しいのです。

 

そこで編集長のおススメは、

 

・定型肺炎

ペニシリン系やセフェム系が効く肺炎。

・非定型肺炎

ペニシリンやセフェムが効かない肺炎

 

と覚えておくと便利です。

 

非定型肺炎の起炎菌である

マイコプラズマとかクラミドフィラ

(クラミジア)では、ペニシリンや

セフェムが効きませんので

マクロライド系やキノロン系を選択

します。

 

この、定型肺炎と非定型肺炎を

どうやって見分けるかは

スコアがあったりしますが、

実際にはどうかな?という印象です。

 

参考までに・・・

 

編集長的に一番役に立つのは

グラム染色です。(もちろん良質の

喀痰を染色するのが前提です)

 

グラム染色で

・起炎菌が分かれば定型肺炎

・何も見えなければ非定型肺炎

と推定できます。

 

一番よくないのが、

CAP=セフトリアキソン(第3セフェム)

とワンパターンになってしまうこと。

 

非定型肺炎のことなど、これっぽっちも

考えていないのはNGです。

 

患者の話をよく聞いて、マクロライドを

選択するのか、セフェムにするのかを

症例ごとに、よーく悩んでください。

 

 

そのほか、定型肺炎の起炎菌として

黄色ブドウ球菌やクレブシエラ、

緑膿菌も記載されていることもあります。

 

ですが、

黄色ブドウ球菌はインフルエンザ罹患後

クレブシエラはアルコール依存患者

緑膿菌は気管支拡張症の患者

といった、限られた状況で起炎菌と

なるので、CAP患者さんで、毎回

全部をカバーする必要はありません。

 

定型肺炎か?非定型肺炎か?

抗菌薬の選択をどうするか?

基本通り、病歴や既往を確認して

決めていきましょう。

 (編集長)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆病院見学はもうお済みですか?

どうやって研修病院を決めたらいいのか

分からない・・・。

 

それには病院見学をするのが一番です。

さらに直接研修医から話を聞くのがベストです。

実際に見学に行くと、想像以上に雰囲気が

違うことに気づくでしょう。

 

ぜひ夏休みを利用して、当院へ見学に

お越しください。あなたの目でリアルな

研修生活をのぞいてみて下さい。

 

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