臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
救命救急センターだより「熱中症の初期治療」
当院の臨床研修ブログも1000回を超えました。それを記念しまして、今年からは週に1回の「救命救急センターだより」を刊行していきたいと考えております。救命救急センターから医学生の皆様にぜひ知っておいてほしいワンポイントをお伝えできればと思います。
記念すべき第1回目は熱中症の初期治療です。
今年は6月から記録的な猛暑となり、すでに熱中症で死亡例が多数認められております。日本においては夏に多くのスポーツの大会が行われることから、中高生の熱中症患者さんも発生してしまう季節になります。
実は、熱中症は初期治療がとても大切な疾患です。適切な初期治療が遅れると、重篤化してしまい生命に危機を及ぼすことすらあります。
熱中症の重症度を非常に簡素に見分ける方法は
軽 症: 水分の自力摂取が可能
中等症: ぐったりし水分摂取ができない、嘔気などのために水分摂取ができない。
重 症: 呼びかけに応じない。
中等症は適切な対応で現場対応可能な可能性もありますが、基本的には中等症~重症はためらわずに医療機関へ収容しましょう。特に重症は救急車を呼びましょう。
軽症の対応は、
- 日陰やできれば冷房のかかった部屋に移動します。
- 厚手の衣服を着ている場合、汗の気化を阻害してしまいますので、なるべく薄い格好にします。
- 冷たい電解質を含む飲料水(経口補水液やスポーツドリンク)を摂取させます。細かい説明は省きますが水やお茶は最適解ではありません。
中等症以上の場合であっても、救急車を待つ間や医療機関へ運ぶ間に上記対応を行いましょう。冷却したペットボトルがあれば首や腋下、股の間にあてて冷却するのも効果的です。
夏の運動は若くても注意しましょう。
引き続き「救命救急センターだより」をお楽しみに!
(Nao)
ドクヘリへ収容中
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