
臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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浮腫へのアプローチ・・・山中克郎先生のレクチャーより
10月16日に山中克郎先生をお迎えしてレクチャーを開催しました。
山中先生は藤田医科大学の教授を務めた後、諏訪中央病院の総合診療科、福島県立医大会津医療センター総合内科の教授として活躍され、退官後の現在は諏訪中央病院に戻られて診療を続けている総合内科の大御所の一人です。著書もたくさんあります。
当院とは2018年からのお付き合いで、コロナ期間中もZoomでのレクチャーをお願いしていました。昨年度も2回ほどお越しいただきましたが、今年度もレクチャーをお願いしたところ、快諾いただきました。
今回は、その山中先生のレクチャーから「浮腫へのアプローチ」をシェアします。
【Step1:どの部位に浮腫があるか?】
全身性浮腫:⼼不全、肝硬変、腎不全、ネフローゼ症候群などによる低アルブミン⾎症、甲状腺機能低下症、薬剤(Ca拮抗薬、NSAIDs、ステロイド、シクロスポリン)
局所性浮腫:⼝唇(⾎管浮腫)、上肢(上⼤静脈症候群)、⽚側下肢(深部静脈⾎栓症、蜂窩織炎、リンパ浮腫)
【Step2:発症形式】
突然発症(数分以内)⇒ アナフィラキシー、血管浮腫
急性発症(数日)⇒ 深部静脈⾎栓症、蜂窩織炎、急性⽷球体腎炎
慢性(数か月)⇒ 心不全、肝硬変、静脈不全
【Step3:病態生理を考える】
患部を指で圧迫する
・非圧痕性浮腫
⇒甲状腺機能低下症、リンパ浮腫
・圧痕性浮腫
⇒①Fast edema(40秒以内に圧痕が消失)なら低アルブミン血症
②Slow edema (40秒経っても圧痕が残る)なら⼼不全、静脈不全
【その他】
• ⽚側性下腿浮腫では深部静脈⾎栓症→肺塞栓の可能性を第⼀に考える
• 悪性腫瘍(特に腺がん)に伴う過凝固が原因で深部静脈⾎栓症ができることもある
• 静脈不全は⾒逃されていることが多い。内果の⾎管拡張、うっ滞性⽪膚炎、静脈瘤、⾜関節付近の⾊素沈着、下腿潰瘍があれば疑う
• 原因は複合的なことが多い。例えば、薬剤(Ca拮抗薬)+静脈不全+塩分過多+⻑時間の⽴位
(編集長)
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