臨床研修ブログ

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救命救急センターだより「銃創に対する初期治療」

2022.07.14
カテゴリー: 救命救急センター

痛ましい事件が起こってしまいました。治療に当たられたドクター達は、必死に考え、何とか命をつなぎとめようと全力を尽くされたことと思います。私たちもヘリドクターの一員、また救命救急センターの一員として、自分が治療を担当していたら何をしたか。何をすれば救命に近づくことができただろうかとそれぞれに考え、議論しています。

 

救命救急センターだより第3弾では銃創についてお話したいと思います。銃創については、当院でも数は少ないながら経験があります。銃創の場合、ドクターカーやドクターヘリなどのプレホスピタルの要請がかかり、連携することがあります。

 

プレホスピタルにおいては、銃創だからと言って特別大きな何かがあるわけではありません。プレホスピタルの基本はA-Dの安定を図り、一刻も早く適切な医療機関へ搬送することです。銃創で一般に想定されるのはBの異常とCの異常でしょうか。

 

Bの異常は肺損傷からの緊張性気胸が想定されるため、現場での緊急脱気を考慮します。

 

Cの異常は可能な限りの止血処置および輸液路を確保して対応することになります。Cの異常に関してはどの部位が損傷しているかにもよりますが、銃創や刺創などの鋭的外傷は鈍的外傷に比してターゲットがはっきりしていることが多いため、そうであれば局所の止血で何とか食い止められることが期待できます。

 

ちなみに、緊張性気胸に対しての現場での開胸や胸腔ドレーン留置は救急医にとって最も緊張する瞬間の一つでもあります。自分の中では根拠はあるけれど、もし診断が違えばただの傷害行為になってしまう。プシューっと脱気され、呼吸状態がみるみる改善するのを見たとき、救急医にとっては自分の診断が正しかったことへの安堵感と心停止を回避できたことへの安堵感に満たされるとともに、救急医としてのやりがいを感じる瞬間です。

 

銃創について補足すると、弾丸自体は体内にあるものを取り出す必要は全くなく、放置しても感染を起こすことはないそうです。また、銃器の種類や距離などによる威力の違いにもよりますが、体内で骨にあたって方向が変わったりすると多数の臓器損傷を来しうるのですが、とにかく出血部位の止血とダメージを受けた臓器の対処に尽きます。

(Nao)

 

ヘリの格納庫

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