臨床研修ブログ
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入院患者の発熱 ~膝の痛み~
今回はJ1のどんぐり坊やのデビュー記事です。最後まで診断をつける経験は非常に貴重なものです。さらに経験してすぐに、カンファでの発表でも、このブログでも、何でも良いのでアウトプットすると記憶に残りますので、ぜひ実践してみてください。
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こんにちは、どんぐり坊やです。今回は経験した症例を1つ紹介します。
入院中の患者さんに突然39度の発熱がありました。みなさんまず何を考えますか?
天下の「内科レジデントの鉄則」には入院患者の発熱原因7Dなんてものもありますね。
Drug 薬剤熱
Device デバイス
DVT 深部静脈血栓症
CDトキシン CD腸炎
Decubitus 褥瘡
CPPD 偽痛風
Debris 胆泥:胆嚢炎/胆管炎
恥ずかしながら「やばいやばい、採血・血培・尿倍!抗生剤どうしよう⁉
入院中だしタゾピペかな?」とか考えていたのですが、、、
よくよく診察してみると膝を痛がる様子。触ってみると熱感と腫脹が!よしよし、7Dにも入っているし、偽痛風だ!と決めつけてはいけません。
ここで必ず鑑別にあげなければならないのが化膿性関節炎。こればっかりは関節液を見てみないとわからない。
というわけで、整形外科の先生に見守っていただきながらちゃんと関節穿刺もしました。性状や細胞数からも化膿性関節炎というよりは偽痛風でよさそう。そして見事ピロリン酸カルシウムも検出!
診断基準としては以下のRyanとMcCartyらの診断基準が用いられています。
(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?page=2&id=19130 参照)
幸いNSAIDs投与で速やかに解熱し、痛みも改善していきました。無駄に抗菌薬を投与することを免れた症例であり、診察の重要性を改めて実感させられました。
ちなみに治療としては他に、ステロイド関節内注射・内服・静注、コルヒチンなどが挙げられていました(UpToDateより)。 単関節なのか多関節なのか、腎機能や肝機能によって薬剤選択は行っていくようです。
皆さんも入院患者の発熱では偽痛風を忘れずに、ぜひ関節穿刺までトライしてみてください。
(どんぐり坊や)
回診でプレゼン中♪
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