臨床研修ブログ

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抗菌薬の整理法16  抗インフルエンザウイルス薬と抗新型コロナウイルス薬

2025.07.26

前回は松永先生の感染症カンファから抗ヘルペス薬についてシェアしました。今回は抗インフルエンザウイルス薬と抗新型コロナ薬をまとめます。

 

一時期は毎日何度も処方していた抗新型コロナウイルス薬ですが、現在は処方する機会が激減しています。ただ、どんな薬剤があるのかはチェックしておいてください。

 

【抗インフルエンザウイルス薬】

・ノイラミニダーゼ阻害薬
 経口:オセルタミビル(タミフル®)
 吸入:ザナミビル(リレンザ®)、ラニナミビル(イナビル®)
 静注:ペラミビル(ラピアクタ®)
 

 A型、B型両方に有効

 機序としては、ウイルスの感染細胞表面からの遊離(ノイラミニダーゼによる)阻害 
 耐性の問題

 

•キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬
 経口:バロキサビル(ゾフルーザ®)
 

 A型、B型両方に有効

 機序は、キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害(ウイルスのポリメラーゼの1つPAに作用)→mRNA合成阻害→ウイルス増殖抑制
 特徴として、単回投与オセルタミビルと同等の臨床効果とウイルス感染価を早期に大幅に低下(周囲への感染防止効果?)
 アミノ酸変異が高率に発現(小児23.3%、成人9.7%)→ただし、臨床効果への影響は不明

 

【抗新型コロナウイルス薬】

 静注:レムデシビル(ベクルリー®)
     肝・腎障害に注意

 経口:ニルマトレビル/リトナビル(パキロビット®)
       相互作用に注意
    モルヌピラビル(ラゲブリオ®)
       妊婦は禁忌
    エンシトレルビル(ゾコーバ®)
       妊婦は禁忌、相互作用に注意

(編集長)

 

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