臨床研修ブログ

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若年女性の頭痛・・・・第18回水戸医学生セミナーより

2018.07.31
カテゴリー: 水戸医学生セミナー

先日開催された第18回水戸医学生

セミナーから、イイところを紹介します。

 

今回は1日目の午後に水戸協同病院で

行われたケースカンファからです。

 

水戸協同病院のメインはPhysical 

examination roundですが、これが終わると

ケースカンファがあります。 

今回は小林先生からの症例提示でした。

 

症例は若年女性の頭痛。今までも

頭痛はあった(緊張性頭痛らしい症状)けど、

1週間ほど前から異なるタイプの頭痛で

食事がとれないほど。この日は昼過ぎから

増強したために受診。下を向くと頭痛が

増強する。神経学的には異常なし。

 

この情報だけで、あなたは何を鑑別に

挙げますか?考えてみてください。

ここで病歴が隠されていて、昼過ぎから

増強したというのは、じつは昼寝から

起きた時とのこと。朝の起床時も増強

していたそうです。

 

では最初の鑑別から変更はありますか?

↓ 

さらに病歴が明らかにされました。

月経困難症がありピルを服用していた。

 

そろそろ絞り込めたでしょうか?

この後、頭部CTとMRIが供覧されましたが、

頭蓋内占拠病変なし、出血なしでした。

 

さて、診断は?

↓ 

答えは、脳静脈洞血栓症でした。

 

この疾患は頭痛や意識障害、けいれんなど

症状が幅広いので疑わないと見落とす

可能性の高い疾患です。

画像所見も疑ってかからないと見落とします。

通常の頭部MRIでは見落とす可能性が高く

疑えば静脈相を狙って造影MRIを撮ります。

ピル服用患者ではリスクが高くなります。

 

この症例では下を向いたり、起床時に

増強したのは頭蓋内圧が上昇したからと

考えられます。

 

通常良く遭遇する片頭痛や緊張性頭痛と

異なること、ピルを服用していたことから疑って、

画像検査に進んで診断に至った症例です。

 

いつもながら勉強になるケースカンファでした。 

せっかくの機会なので、ネットなどで

典型的な画像を確認しておくとイイですね。

(編集長)

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◆病院見学はもうお済みですか?

どうやって研修病院を決めたらいいのか

分からない・・・。

 

それには病院見学をするのが一番です。

さらに直接研修医から話を聞くのがベストです。

実際に見学に行くと、想像以上に雰囲気が

違うことに気づくでしょう。

 

ぜひ夏休みを利用して、当院へ見学に

お越しください。あなたの目でリアルな

研修生活をのぞいてみて下さい。

 

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