臨床研修ブログ
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低ナトリウム血症の対処・2
前回の続きで、低Na血症の症例を
考えていきましょう。
本人は元気そうで、データと解離が
あったので再検しましたが、
やはりNaが118と低値でした。
そしてフロセミドとスピロノラクトンを
内服していました。
では低Na血症の原因を鑑別していくには
次に何を調べればよいでしょう?
↓
↓
診断のフローチャートは下の通りですが、
最初にチェックするのは
・血漿浸透圧
実測値を利用できるならOKですが、
推定値を計算してもOKです。
血症浸透圧の推定値(mOsm/kgH2O)
=2×Na+血糖/18+BUN/2.8
でしたね。
多くの場合低Na血症では低浸透圧性
になるはずです。なので、高浸透圧性や
等浸透圧性であれば原因が絞られます。
さて、低浸透圧性であれば
次にチェックするのは
・尿浸透圧
これは簡単です。
>100が普通なので、
<100ならば、鑑別は
・心因性多飲
・Beer potomania
・TURP後
ちなみにBeer potomaniaとは
食事もとらずにビールばっかり
飲んでいる人に見られる
電解質異常のことです。
ビールはNaも蛋白も少ししか
含まれないのでこんなことに
なるそうです。
またTURP(経尿道的前立腺切除術)
後の低Na血症は、切断面から潅流に
用いられる等張非電解質液が
多量に吸収されることによるものです。
前回の冒頭で提示した症例は
血漿浸透圧が239mOsm/l
尿浸透圧が194mOsm/lでした。
さて、次は何を調べればよいでしょう?
次回に続きます。
(編集長)
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