臨床研修ブログ

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低ナトリウム血症の対処・2

2018.08.18

前回の続きで、低Na血症の症例を

考えていきましょう。

 

本人は元気そうで、データと解離が

あったので再検しましたが、

やはりNaが118と低値でした。

そしてフロセミドとスピロノラクトンを

内服していました。

 

では低Na血症の原因を鑑別していくには

次に何を調べればよいでしょう?

診断のフローチャートは下の通りですが、

最初にチェックするのは

・血漿浸透圧

 

実測値を利用できるならOKですが、

推定値を計算してもOKです。

 

血症浸透圧の推定値(mOsm/kgH2O)

=2×Na+血糖/18+BUN/2.8

でしたね。 

 

多くの場合低Na血症では低浸透圧性

になるはずです。なので、高浸透圧性や

等浸透圧性であれば原因が絞られます。

 

さて、低浸透圧性であれば

次にチェックするのは

・尿浸透圧

 

これは簡単です。

>100が普通なので、

 

<100ならば、鑑別は

・心因性多飲

・Beer potomania

・TURP後

 

ちなみにBeer potomaniaとは

食事もとらずにビールばっかり

飲んでいる人に見られる

電解質異常のことです。

ビールはNaも蛋白も少ししか

含まれないのでこんなことに

なるそうです。

 

またTURP(経尿道的前立腺切除術)

後の低Na血症は、切断面から潅流に

用いられる等張非電解質液が

多量に吸収されることによるものです。

  

前回の冒頭で提示した症例は

血漿浸透圧が239mOsm/l

尿浸透圧が194mOsm/lでした。

 

さて、次は何を調べればよいでしょう?

次回に続きます。

(編集長)

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どうやって研修病院を決めたらいいのか

分からない・・・。

 

それには病院見学をするのが一番です。

さらに直接研修医から話を聞くのがベストです。

実際に見学に行くと、想像以上に雰囲気が

違うことに気づくでしょう。

 

ぜひ夏休みを利用して、当院へ見学に

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