臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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心筋梗塞の診断基準

2018.11.03
カテゴリー: カンファレンス循環器

ERに搬送されて来た80歳代の女性。

主訴は胸痛。発症から約3時間で

来院しました。心電図は下壁誘導で

ST上昇あり。緊急PCIで右冠動脈の

閉塞を認めてステント留置で再灌流

成功と、よくあるSTEMIの症例です。

 

ところがPCI終了後にERで対応した

研修医からこんな質問がありました。

 

「来院時の採血でWBCもCPKも

LDHもトロポニンも全く正常でしたけど、

こんなことってあるんですか?」

 

答えはもちろん、「あり」です。

 

STEMIでも発症から早ければ

血液検査が正常ということは

当然あります。

 

でも現場でやっていると、

「WBCも何も上昇していない、

いいのかな?」とか

「循環器の先生を呼んじゃったけど

良かったのかな?」

などと、急に不安になった経験が

あなたにもあるはずです。

 

後から考えれば何てことないのですが、

臨床とはそういうものです。なので

心配しなくて大丈夫です。

 

でも、自分なりに症例を振り返り、

次に同じような状況に遭遇した時に

自信をもって対応できるように

経験を積み上げていくことが大事です。

 

では、この症例に関連して質問です。

急性心筋梗塞の診断基準は何でしょう?

意外とこの質問に自信をもって

答えられる研修医は少ないです。

なので、この機会に是非とも

覚えてください。

 

急性心筋梗塞の診断基準は2012年に

欧州心臓病学会と米国心臓病学会から

Universal definitionなるガイドラインが

出されています。これには、

 

トロポニン上昇に加えて、

  1. 心筋虚血による症状
  2. 心電図による新たなST-T変化、新たな左脚ブロックの出現
  3. 心電図にて異常Q波出現
  4. 画像診断にて新たな心筋のバイアビリティ喪失、新た壁運動異常
  5. 冠動脈血管造影や剖検での冠動脈内の血栓の同定 

上記5つのうち1つ以上を満たす

と定義されています。

 

このUniversal definitionが覚えにくい

もしくは覚えたくない、という場合は

以前に用いられていた

WHOの診断基準が簡単です。

 

それは

「虚血による胸部症状」

「(心筋梗塞に合致する)心電図変化」

「心筋逸脱酵素の上昇」

このうち2つ以上あれば急性心筋梗塞

と診断します。

 

疾患の定義や診断基準は変わるもの

ですが、自分の不得意な領域でも、

現場で経験した時に確認してみると

効果的ですよ。

(編集長)

慌ただしくPCIの準備中

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