臨床研修ブログ

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奇異性塞栓症・・・徳田先生カンファより

2018.11.06
カテゴリー: カンファレンス 内科

前回は徳田先生カンファで検討した

症例をシェアしました。

 

そこで鑑別に挙げたのが、

奇異性塞栓トルーソー症候群でした。

今回は奇異性塞栓の補足説明です。

 

奇異性塞栓とは、

心房細動など塞栓症の原因となる

ものがないにもかかわらず、脳塞栓症など

動脈系の塞栓症を引き起こすものです。

 

DVTなどで静脈系に生じた血栓が、

心房中隔にある卵円孔(卵円孔開存:PFO)や

肺動静脈奇形(AVM)などの右左シャントを介して

動脈系に入り込むことで起こります。

 

ちなみにPFOは正常健常人でも

20%前後の頻度で見られると言われて

おり、決して稀なものではありません。

 

よく心房中隔欠損(ASD)と混同されて

いますが、PFOは普段は穴が開いて

いない(=シャントがない)のですが、

完全に閉鎖していないために、

重いものを持ち上げるとか、排便など

息こらえる時(=バルサルバ手技)などで

右房圧が上がった時に右左シャントが

生じるものです。

 

一方ASDは欠損孔が開いているので、

通常は左右シャントがあります。

 

もう一つの肺AVMは、肺動脈と肺静脈が

直接つながっているものです。本来は

肺がフィルターとして血栓や細菌などを

動脈系に入らないようにしているのに、

そこをすり抜けて動脈系に入り込んで

しまうのです。

左下葉の肺AVM

 

肺AVMがある患者さんでは奇異性塞栓症

の他に、脳膿瘍などが多くみられます。

 

ちなみに治療としては流入血管径が

3㎜以上で治療適応となり、手術的に

切除したり、コイル塞栓でAVMを塞いで

しまいます。

肺動脈造影

 

コイル塞栓後

 

最近は原因の良くわからない脳塞栓症を

ESUS(Embolic Stroke of Undetermined Sources)

と言ったりしますが、いずれにせよ

比較的若年者の脳梗塞や、心房細動が

捕まらないけど、画像上は塞栓症が

疑われる時に奇異性塞栓症を考えて下さい。

(編集長)

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