臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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鑑別疾患のあげ方 その2
前回に引き続き鑑別疾患のあげ方を
紹介します。編集長が勧める鑑別疾患
の挙げ方は2つ。
一つ目は病因から攻める方法
二つ目は解剖学的に攻める方法です。
今回はこの解剖学的に攻める方法を
紹介します。
例えば「胸痛」の鑑別をあげてください
と言われたら、あなたはいくつ鑑別を
あげられますか?
狭心症、心筋梗塞、大動脈解離・・・・、
これで終わりなんてことはないと思いますが、
病名を覚えていても、すぐに思い出す
のは難しいですよね。何かと紐づけ
しておくと、思い出しやすいものです。
この時、解剖学的に近い臓器や組織を
考えていくと思い出しやすくなります。
具体的には
皮膚:帯状疱疹
乳房:乳癌、乳腺炎
骨:肋骨骨折、圧迫骨折、骨転移
筋肉:筋肉炎
肺(さらに胸膜、肺胞、間質、気管支、
気管と分けて考えましょう):
気胸、胸膜炎、肺癌、肺炎、気管支炎
心臓(冠動脈、心外膜、心筋、弁):
狭心症、心筋梗塞、急性心外膜炎、
心筋炎、肥大型心筋症、大動脈弁狭窄症、
大血管(大動脈とその分枝、大静脈)
大動脈解離、大動脈瘤破裂
縦隔:縦隔炎、縦隔気腫、縦隔腫瘍
食道:逆流性食道炎、食道破裂、食道腫瘍
胃:胃炎、胃潰瘍、胃癌
肝臓:肝膿瘍、肝腫瘍
胆嚢・胆道:胆石、胆嚢炎、胆管炎
甲状腺:甲状腺炎
神経:肋間神経痛、帯状疱疹後神経痛
横隔膜:横隔膜下膿瘍
まだまだあると思いますが、このように
解剖学的に近いものを順に頭に浮かべて、
それに関する疾患をあげていくと
意外とたくさん出てきますね。
臨床の現場では、前回紹介した
VINDICATE!!!+Pと、この解剖学的に
攻める方法を無意識に組み合わせて
鑑別疾患を考えていると思います。
医学生や研修医のうちは、鑑別疾患を
たくさんあげるトレーニングを意識しましょう。
と同時に、鑑別疾患を広げるだけでなく、
目の前の患者さんの診断に至るように
鑑別を絞り込むトレーニングも大事な
ことを忘れないようにして下さい。
(編集長)
こちらも中学生の職場体験の一コマ
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