臨床研修ブログ

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小児を診察はPATから・・・・第26回鑑別診断道場より

2018.11.27

前回は小児の発熱で除外すべき

疾患を紹介しました。特に3か月未満の

小児の発熱は要注意です。

 

なぜなら、重症細菌感染症の頻度が

10~15%と高いにも関わらず、

発熱以外の症状がはっきりしない場合も多い。

そして身体所見では重症細菌感染症の

除外が困難だからです。

 

身体所見があまりあてにならないので

「何となく元気がない」が大事ですが、

それを評価するのが、

PAT(Periatric assessment triangle)です。

 

PATは「あれっ、なんだかこの子やばそう」

というのを

Appearance(外観・見かけ)

Work of Breathing(呼吸仕事量)

Circulation(循環・皮膚色)

で評価します。

 

Appearanceは「見た目が元気そう」

ということですが、具体的には

 

・筋緊張(ぐったりしていない、

 手足を動かす)

・疎通性(呼ぶと振り向く、笑う)

・精神的安定(抱っこすると泣き止む)

・視線(視線を合わせる、おもちゃを

 目で追いかける)

・会話/泣き声(声を出している)

これらが出来ていればOKと判断します。

 

Work of Breathingでは

・呼吸の速さ

・努力呼吸

・明らかな呼吸音の異常の有無

これらに注目します。

 

聴診器なしで呼吸音が聴こえたらヤバイし、

陥没呼吸(Retraction)が肋骨弓下や

胸骨下だけでなく、鎖骨上窩や胸骨上、

胸骨で見られたら重症です。

 

Circulation (to Skin)

大人と違って、小児はバイタルサインが

循環動態を正確に反映しないうえ、

年齢によって正常値が異なるので

なかなか使いにくいのですが、

皮膚の状態が、全身の循環動態の

指標になります。

 

例えば皮膚の蒼白、チアノーゼ、

まだら模様は危ないサインです。

また、毛細血管再充満時間(Capillary 

Refilling Time:CRT)も良く用いられます。

 

CRTは成人と異なり、小児では四肢を

心臓よりやや高い位置に持ち上げた

状態で、四肢の皮膚を押して素早く離し

ます。押した部分の皮膚の色が戻るまで

に何秒かかるかを確認し、正常なら2秒

以内に皮膚の色が元に戻ります。室温で

評価しないと間違えてしまいます。

 

ERを受診した小児を観察して、

笑顔が見られ、おもちゃに目を向ける

 (Appearance)

頻呼吸や陥没呼吸なし

 (Work of Breathing)

チアノーゼなし、末梢冷感なし

 (Circulation)

ならば、PAT異常なしとして、現時点では

全身状態は良好と判断してください。

もちろんPATは3か月以上の小児でも、

使うことが出来ます。 

(編集長)

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