臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
内科と産婦人科を学んで
久しぶりに周産期センターからです。
今回は水戸協同病院で初期研修を
終えた足立先生が書いてくれました。
足立先生は初期研修中に、当院に
産婦人科ローテーションで来て
くれました。初期研修を終えて、
内科認定医を取得してから、
筑波大学の産婦人科に入局
しました。そして、昨年から当院で
お仕事をしてくれています。
この春で異動するにあたり、わざわざ
このブログのために記事を書いて
くれました。
水戸医学生セミナーなどで、水戸協同
病院とは接点が多いのですが、
両病院のことを知っている足立先生の
記事はすごく貴重ですよ。
ぜひ読んでみて下さい!
(編集長)
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昨年の7月に赴任し、丸1年もたたずに
今年3月いっぱいで異動することになり
ました。9か月という短い期間ではあり
ましたが、いろいろな出会いと経験を
させていただきました。
研修医の時にも、この病院の産婦人科で
2か月研修させていただきました。
その2か月でさえ、ドラマでみるような
できごとが目の前で繰り広げられていて、
産婦人科ってすごいところ・・・!!
(いろんな意味で)と感じたのを覚えて
います。
産婦人科をモデルにした最近の某ドラマは
よくできていて、あんなに毎日帰れない
ことはないですけど、ドラマティックな
ことが起きる日もあります。数年して、
そんな世界に戻ってまいりました。
<内科と産婦人科を学んで、思うところ>
医療の現場では、産婦人科、特に産科は
少し特殊、という印象を持っている方も
多いのではないでしょうか。
苦手意識、使えない薬、やらない方がいい
検査・・・たしかに妊婦さんは見た目は
ひとりでも、ふたり分の命があるので、
患者さん自身も、家族も、そして我々
医療者もピリピリするところがあるのかも
しれません。
ただ、お母さんあっての赤ちゃんであり、
もちろん不必要な検査や薬は避けたい
ところですが胎児への影響を考えて制限
しすぎてしまうと、結局母体にも胎児にも
悪影響になってしまうこともあります。
胎児への安全性が確立されていなくたって
(確立されているものなんてほとんどない
ので)、必要な治療はやらなきゃいけない。
例えば、以前に紹介されている虫垂炎の
手術や、腸閉塞に対するイレウス管や
絶食・高カロリー輸液、癌合併妊娠での
抗がん剤や手術。
大がかりなものでなくとも、糖尿病合併に
対するインスリンや、高血圧合併に対する
降圧薬、ありふれたようにみえても
コントロールがつかなければ母体の命に
関わるので、妊娠の継続自体が困難に
なることも。
妊娠自体は病気ではないですが、患者と
しての妊婦の診療は、ひとりの患者の
診断・治療のプロセスの中から、状態に
応じてちょっとだけ取捨選択するだけ、、
そんなに難しく考えることはないはずです。
診療科が細分化されている現在は
ハイリスク妊娠の管理はいろいろな
診療科にご協力をいただいて成り立って
いますが、合併症妊娠の管理ができる
産婦人科医になりたいし、そんな内科医
・産婦人科医が増えてほしいなと思います。
お産は命がけということがどれほどの
妊婦さんに認識していただけているかは
わかりませんが、特にハイリスク妊娠で
つらい管理期間、それを乗り越えての
出産に立ち会うのは、何が起こるか
わからない緊張感、お母さんと赤ちゃんが
初対面している感動、無事に分娩を終える
達成感、、、気持ちが忙しいです。
けど、この気持ちが一気に味わえるのも
産婦人科だけだと思います。
どうですか、産婦人科、ちょっと覗いて
みたくないですか?
なんだかただ私の熱い思いをつづっている
だけになってますが、この病院の
周産期センターでは、各診療科や
こども病院のサポートのもと、通常管理は
もちろんハイリスク管理までたっぷり経験
できるところです。
苦手意識がある方も、将来産婦人科を
考えている方も、選択肢があるうちに
一度経験するといいんじゃないでしょうか。
水戸済生会総合病院のみなさま、
9か月間、ありがとうございました!!
この春で異動される産婦人科の先生方
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