臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
P(リン)のお話・4
今までPの話をしてきましたが、
今回は症例をもとに考えてみましょう。
【症例】
70歳台独居の男性が数日前から
食事摂取ができず、家の中を倒れて
いるところを近所の人が発見し
救急搬送されました。
体温36.0℃、脈拍102/分、血圧98/66
生化学:TP5.7g/dl、Alb2.3 g/dl、
Na134mEq/dl、K2.9 mEq /dl、
Cl94 mEq /dl、BUN19㎎/dl、
Cr1.32㎎/dl、Ca7.0㎎/dl、P2.4㎎/dl
このような症例の診療で注意すべき
点はなんでしょうか?
当院の透析室
本症例では低Alb血症や低K血症、
低P血症を認めるため、ある程度の
期間低栄養状態が続いていたものと
考えられます。
また、頻脈傾向で血圧も低いことから
循環血漿量の減少が予想されます。
よく脱水の際にBUN/Crの上昇が
みられると思いますが、低栄養が
過ぎる場合にはBUNの上昇を
伴わないこともあります。
独居の高齢男性が脱水になった原因の
検索が重要だと思います。また脱水や
栄養状態の補正をする際には、
KやPなどの電解質の補正も併せて行う
必要があります。
こういう患者さんにブドウ糖を含む輸液を
行うと低Kや低P血症を助長する可能性
があり、低Kによる心室頻拍(VT)や
心室細動(VF)、低Pによる横紋筋融解や
肝機能障害を呈する危険が高くなるので
注意が必要です。
(腎臓内科のベイマックス)
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