臨床研修ブログ

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コレステロール塞栓症(CCE) その1

2020.09.29
カテゴリー: カンファレンス循環器

70歳代の男性が、急性冠症候群

のため右鼠経部アプローチでの

PCIを施行しました。

 

PCIは問題なく終了しましたが、術後に

腎機能の悪化を来してしまいました。

 

普通なら、ヨード造影剤を使用したこと

による造影剤腎症が一番考えやすい

のですが、もう一つ鑑別をおさえておく

必要があります。

 

あなたは何だか分かりますか?

 

それはコレステロール塞栓症(CCE::

Cholesterol Crystal Emboli)です。

 

今回はSuzuがCCEについてまとめて

くれたのでシェアします。

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CCE は血管内操作や抗凝固療法などの

誘因を契機 に,大動脈内の粥腫が破綻し,

コレステリン結晶がシ ャワー様に散布され,

腎,皮膚など全身の末梢動脈を閉塞する

ことにより発症する。.特に足趾動脈に

塞栓し た場合,その皮膚の色調の

特徴から Blue toe syndro- me(BTS)

ともいわれ,CCE と同義語として

用いら れている.。

⭐️BTS の主徴
1. 下肢痛

2. 網状皮斑

3. 末梢動脈触知可能

この 3 徴が挙げられているが、

さらに

4. 進行性腎不全

5. 血管内操作の既往

を加え た5 徴も提唱されている。

⭐️発生頻度
心血管造影を行った1,500 例のうち

 3 例(0.2%)で本症を発症したという報告

 がある。
 

剖検では生前にカテーテル検査を施行

し ている症例の 25~30% で本症が証明

されるとの報告 もあり,原因不明の

腎機能障害をみたら本症を疑う必 要

がある。

⭐️危険因子
・60 歳以上の高齢者

・男性

・高血圧

・喫煙

・糖尿病

が本症の危険因子として挙げられ,
虚血性心疾 患,脳血管障害,腹部

大動脈瘤を有する症例で特に発症頻度が高い。.

(Suzu)

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