臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
壊死性筋膜炎・・・松永先生の感染症レクチャー
今回も松永先生の感染症レクチャー@Zoomからです。前回の記事で紫斑を生ずる感染症をまとめましたが、その中に壊死性筋膜炎が挙げられていました。
あなたが経験したことがあるなら分かると思いますが、壊死性筋膜炎は進行が非常に速くてビビります。そこであなたが慌てないように大事なポイントだけまとめてみました。
壊死性筋膜炎といっても起炎菌や病変の深さでいろいろ分類されていますが、臨床的に治療が大きく変わるわけではないので壊死性軟部組織感染症(NSTI)とう呼び方が提唱されています。
【症状】
Triadとして
・病変の様子に比べて疼痛が非常に強い
・進行が速い
・皮膚が非常に湿潤
この他に、水疱形成、皮膚の変色、出血、握雪感などが見られる
【細菌学的には】
・連鎖球菌:GAS、GCS、GGS
・クロストリジウム
・市中MRSA
・Polymicrobial
【診断】
・画像診断では判断困難
・外科に速やかにコンサルとして、病変部の切開のうえ皮下や筋膜などの状態を確認(一緒に培養も!)
【治療】
・治療のメインは外科的デブリ
・抗菌薬は補助的な位置づけ
・培養で同定されないこともあるので、広範囲にカバーする
とにかく20~30分の単位で皮膚病変拡大していくので、画像検査に時間を取られることなく、速やかに外科に連絡して、すぐデブリすることが大事です。ためらってしまうのは分かりますが、ここは違っていて怒られても気にすることはありません。見逃すとヤバいことになります。
(編集長)
えーっと、次の救急車は何だっけ?
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を目指します
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