臨床研修ブログ

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喘息の話(1)・・・井上先生の呼吸器レクチャー@Zoom

2021.11.09
カテゴリー: カンファレンス 内科

今年度から始まった井上先生の呼吸器レクチャー@Zoomが先日開催されました。

 

今回のタイトルは「それでいいのか?喘息、COPDの診療」ちょっと攻めた感じでした(理由は井上先生の専門領域だからです)。今回から井上先生のレクチャーの中から気管支喘息(以下、喘息)について紹介していきます。

 

まず、あなたの喘息に対するイメージはどんなものでしょうか?

ゼーゼーしながら病院に来て、吸入や点滴をすると良くなって帰宅する病気と言った感じでしょうか?

 

編集長が研修医の頃は喘息発作の入院が多くて、それはもっぱら研修医の仕事でしたが、今は喘息発作の入院を経験したことがない研修医が大半かもしれません。。

 

ところが、喘息として治療を受けている人は約111万人(2017年統計)ですが、喘息様の症状がある人は数百万人いると推定されているそうです。その全てが喘息ではないとしても、、喘息と診断されておらず、未治療の人がまだまだ多いということです。

 

その未治療の喘息患者さんを診断し、治療に結び付けていくにはどうしたら良いか?それにはあなたが喘息を診断しなければいけません。

 

では、どうやって診断しますか?

初めに喘息の定義を振り返ってみると、
「気道の慢性炎症を本態とし、変動性を持った気道狭窄(喘鳴、呼吸困難)や咳などの臨床症状で特徴付けられる疾患」

となっています。

 

ここでのポイントは、纐纈奴や糖尿病などと異なり、数値が入っていないぼんやりした定義だということです。つまり、何か検査をして喘息と診断する訳でなく、症状から疑っていく必要があるということです。

 

具体的には

 風邪でもないのに・・・、

 冷たい空気を吸うと・・・、

 風呂の湯気を吸うと・・・、

 タバコや線香の煙で・・・、

 天気が悪くなると・・・、

 

 咳が出る

 息が吸いづらい

 胸が重苦しい

 胸が圧迫される

これらは喘息の症状かもしれません。

 

実際のところ、長引く咳の原因の7割が喘息関連(咳喘息+咳優位型喘息)というデータがあるそうです。(Niimi A et al. J Asthma. 2013; 50: 932 937)

 

繰り返しになりますが、あなたが「もしかしたら喘息かもしれない」と疑うことが未治療の喘息を診断する第一歩になります。

 

次回は、喘息を疑ったときの対応を紹介します。

(編集長)

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