臨床研修ブログ
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喘息の話(4)・・・井上先生の呼吸器レクチャー@Zoom
井上先生の呼吸器レクチャーからです。前回は喘息の治療について紹介しました。症状から治療ステップを選択するというものです。
しかし実際の臨床では、なかなか症状がコントロールできない場合があります。そんな時の診療の進め方がガイドラインにあります。
他に井上先生は、喘息のコントロール状態について医師と患者との間で認識に大きなギャップがあることを強調していました。治療を受けている患者らを調べると、医師側は79%でコントロール良好と認識していたのに、患者側では約半数しかコントロール良好と回答していなかったというデータがあるそうです。つまり、患者側の喘息治療に対する治療満足度が低いということです。
もう一つ、全身ステロイド投与、つまり経口とか点滴でのステロイド投与についてですが、長期に全身投与することは、いろいろ問題があるのは容易に想像できると思います。ですので、喘息コントロールのための経口ステロイドの使用は短期間の間欠投与(ステロイドバーストと呼ぶそうです)が原則です。
でも、ステロイドバーストを年4回以上行っていると、いくら短期使用といっても、骨粗鬆や高血圧、肥満、糖尿病などのリスクが上昇してしまいます。ですので、年に何度もステロイドの全身投与をするような患者さんでは、生物学的製剤の位置づけが高くなっているそうです。生物学的製剤は値段も高くて使用に条件がありますので、専門医に紹介して導入してもらいましょう。
まとめると、喘息の管理目標である
1、症状のコントロール(発作や喘息症状がない状態を保つ)
2、将来のリスク回避(喘息死回避、急性増悪予防、呼吸機能の経年低下抑制、治療薬の副作用回避、健康寿命と生命予後を良好に保つ)
これらを意識しながら、患者さんの満足度を高めるように積極的な治療を行う必要があります。
(編集長)
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