
臨床研修ブログ
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小児科専門医が教える医師国家試験のポイント1 オリジナル問題編
こんにちは。小児科の貴達です。
それでは、オリジナル問題を3問どうぞ。
1. 花粉-食物アレルギー症候群で咽頭違和感を認める原因食品として多いのは?
a. 鶏卵
b. 果物
c. 牛乳
d. 大豆
e. 小麦
2. 食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因食品として多いのは?
a. 鶏卵
b. 牛乳
c. 小麦
d. 甲殻類
e. ピーナッツ
3. 食物依存性運動誘発アナフィラキシーの診断のために必要なのは?
a. 食物経口負荷試験
b. RIST
c. RAST
d. プリックテスト
e. 運動誘発負荷試験
1の解答 b, d
花粉-食物アレルギー症候群は花粉抗原と植物性食物抗原の交差反応に起因します。交差反応はどちらかに感作されている場合にはもう片方にもアレルギー症状を生じうることを言います。花粉症の患者さんが果物を食べると喉がイガイガするというのが典型的なエピソードです。スギ花粉症の患者さんが日本では多いですが、スギ花粉とトマトの交差反応は稀で、むしろハンノキなどのカバノキ科の花粉症がある患者さんがりんごやモモなどのバラ科の果物で喉がイガイガすることが多いです。
2の解答 c, d
前述の過去問の解答に書いた通り、小麦、甲殻類で9割程度が原因となります。
3の解答 e
b, cは血液検査になります。RISTは血清中の総IgEを測定する方法で、RASTは原因食品ごとの特異的IgEを測定するものです。Dは皮膚テストであり、抗原を皮膚に垂らし、専用の針を使用してアレルギー反応を起こします。15分後に膨疹、紅斑の大きさを測定し、リスクを評価します。b-dは「リスク」を評価するために運動誘発負荷試験をする前に行う検査です。また、食物経口負荷試験は食物アレルギーが疑われる食品を実際に病院で摂取して、症状が誘発されるか確認する検査で、それに運動を加えたものが運動誘発負荷試験となります。
いかがでしたか?今回は以上となります。
参考文献
(1)保育所におけるアレルギー対応ガイドライン2019 厚生労働省
(2)病気がみえる6 免疫・膠原病・感染症 MEDIC MEDIA
(3)新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症診療ガイドライン 厚生労働省好酸球性消化管疾患研究班
(4)食物アレルギー診療ガイドライン 2021
(貴達)
食物負荷試験中
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