臨床研修ブログ
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直腸潰瘍 その2
入院中の患者さんで時々遭遇する直腸潰瘍について、くま先生がまとめてくれたのものをシェアしています。今回はその2回目ですが、宿便性潰瘍についてのまとめです。
【宿便性潰瘍】
<好発年齢>:高齢者
<性 差>:なし
<機 序>:高度の便秘による糞便塊が腸管を機械的に圧迫することにより生じるが、長期臥床などによる血流低下が背景にある。
<基礎疾患>:
循環障害(心不全、閉塞性動脈硬化症など)、慢性腎不全、脳血管疾患、整形外科手術後、癌末期、精神疾患患者、麻薬常用者 鎮静剤、抗うつ剤、制酸剤(腸蠕動運動を抑制、粘液分泌低下)、大腸癌による腸管狭窄、Hirschsprung病、全身性硬化症
<症 状>
高度の便秘
浣腸や摘便などの機械的刺激
腹痛や肛門部痛はあっても軽度
<発生部位>
直腸が約6割を占める。S状結腸は2割程度、盲腸や回腸終末部での報告もある。
宿便性腸管穿孔はS状結腸が約半数を占める
<内視鏡所見>
不整形地図状潰瘍、周辺粘膜との境界明瞭、陥凹
単発も多発もある
潰瘍底は通常は黄色ないし黄褐色
縦走潰瘍
<病 理>
粘膜上皮の剥離、上皮層内への糞便成分の混入
粘膜筋板の乱れ
粘膜下層に達する腺管構造
*非特異的な変化しかみられないことが多い
<治 療>
補液
止血処置(内視鏡、経肛門的結紮術、動脈塞栓術、直腸部分切除、直腸切断術、人工肛門)
治癒までには平均2~10週
(くま)
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