臨床研修ブログ

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梅毒の治療

2022.09.20

前回までで、は梅毒の症状と診断についてまとめてきました。最後のテーマは梅毒の治療についてです。

 

梅毒の治療は、感染症を防ぐほか、合併症の予防につながるので治療歴がなければ積極的に治療します。ペニシリンがすべての病期に

選択すべき抗生物質です。

 

以下は処方例です。

 

【第一期・第二期梅毒、潜伏梅毒】

・アモキシシリン2-3gを2回/日+プロベネシド1gを1回/日、経口 14日間

・セフトリアキソン1gを生食10mlに溶解し1回/日、静注 14日間

・ペニシリンアレルギーの場合、テトラサイクリン500mg4回/日、経口 14日間

 

*後期潜伏梅毒の場合は4週間投与

*アモキシシリンに尿酸排泄薬のプロベネシドを併用するのは、アモキシシリンの尿中排泄を阻害して、血中濃度を維持するためです。

 

【第三期梅毒】

・筋注用ベンジルペニシリンカリウム720万単位を1週間おきに240万単位ずつ3回筋注

・セフトリアキソン1gを生食10mlに溶解し24時間毎に静注 14日間

 

治療上最も重要なことはRPRなどの定量非トレポネーマ抗原検査の抗体価が低下し、最終的に陰性化あるいは安定化することの確認です。治療後は3-6か月毎にRPR定量化検査をし、低下しているなら効果あり、4倍希釈以上の値の上昇は再感染、再発を疑わせます。

 

※Jarisch-Herxheimer反応

第一期・第二期梅毒患者の治療開始後数時間で、発熱、皮疹の増悪、リンパ節腫脹などを生じることがあります。第一期梅毒では半数で、第二期梅毒ではほとんどの症例で生じます。自然に消失するので、薬剤性の発熱と判断して、治療を中断してはいけません。国試でもそろそろ出題されそうと噂されてる内容なので学生の方は覚えておくといいかもしれませんね。

(新潟県産もやし)

 

松永先生とベッドサイドで診察中

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