臨床研修ブログ
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栄養の評価方法 CONUT・GPS・PNI
前回の記事で、特に高齢の入院患者では栄養とADLが大事だと紹介しました。実際のところ、栄養状態の評価方法については下記のようにいろいろあります。
・CONUT
・GPS
・PNI
・GLIM
・SGA
・MUST
これらの多くは外科の患者の評価、特にがん患者の予後評価に用いられますが、内科患者の評価にも使われるものもあります。それぞれ特徴があるのですが、もしあなたがこれらのいくつかでも知っているなら、かなり勉強している人に間違いありませんね。
現在は当院の消化器外科で専門研修中のMeguが、初期研修医時代に書いてくれた記事に、それぞれの評価方法の要点が良くまとまっているので再度紹介します。
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患者さんの栄養評価の指標となる検査値はいくつかあるが、その一つにCONUT score (Controlling Nutrition Status) がある。
2003年に欧州の学会で提唱された指標であるが、CONUT scoreは、日常よく測定される採血項目であるアルブミン値、総リンパ球数、総コレステロール値を用いた、簡便に栄養状態のスクリーニングを行えるスコアリングシステムである。
総リンパ球は、低栄養状態や異化亢進状態では、免疫細胞の産生低下が起こる事が知られていることから、免疫能の指標としてこのスコアリングに組み込まれている。
CONUT scoreは膵臓癌、消化器癌術後の予後予測因子として有用とされているが、心不全の予後予測因子としても有効という報告もある。
CONUT score以外にも、以下に紹介するような栄養評価指標は、特にがん治療の際にがんのステージ分類と組み合わせて使用すると、より正確な予後の評価が可能となる。
GPS(Glasgow Prognostic Score)
血清アルブミン値とCRPを用いた指標。非小細胞肺癌等の悪液質の評価に有用。
PNI(Prognostic Nutritional Index)
古くはBuzbyらが提唱した指標があるが、現在はより簡便化されたOnoderaらが提唱したものが使われている。血清アルブミンと総リンパ球数を用いて評価し、術前の予後予測因子に使う。この数値が低い(PNI≦40)と吻合不全が起きる可能性が高く、手術は難しいことが多い。
(Megu)
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