臨床研修ブログ
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心電図 渡されて、なに見るの? その2
さて、今回は心電図を見ていく順番を確認してみます。
1. 調律はどうか
2. 心拍数は
3. P波は正常か
4. P Q時間は正常か
5. Q R Sは正常か
6. S T-TとT波は正常か
7. Q T時間は正常か
8. U波は正常か
1.調律はどうか
P波が捉えやすい第II誘導またはV1において正しくP波とQRSが対応しており、P波が一貫して同じ形である事を確認する。整、不整も確認。
2.心拍数は
正常の心拍数は60/分以上、100/分未満である。心電図上で濃い線(5mmごとに濃い線)に重なっているQRSを探し、次のQRSまで5mmごとに300、150、100、75、60、50と数えれば心拍数を大まかに数える事ができる。
3.P波は正常か
P波はI、II、aVfで陽性。aVrで陰性が正常。V2-V6で陽性。これ以外の誘導ではP波は陽性、陰性、二相性などどれでも良い。実際にはI、IIで陽性で事足りる。また、第II誘導で幅3mm未満、高さ2.5mm未満をチェック
4.PQ時間は正常か
PQ時間の正常は3mm(0.12秒)以上5mm(0.22秒)未満である
5.QRSは正常か
【1】肢誘導において
- IとII誘導でQRSの振幅和(上向きの振れを陽性、下向きの振れを陰性とし【R波の高さ】-【q波の高さ】-【s波の高さ】として計算)がともに0以上である事
- 異常Q波の確認。異常Q波はaVr以外の誘導の幅が1mm(04秒)以上、深さがR波の高さの1/4以上であるQ波の事。IIIとaVlには単独で異常Q波があっても良い。
- QRS時間5mm(0.10秒)未満である事
【2】胸部誘導において
- R波がV1からV6と左側にいくにつれて大きくなるR波の増高がある事
- V1以外に異常Q波がない
6.ST-TとT波は正常か
連続するP波の立ち上がり部分を結んだ線を等電位線という。STはこの等電位線に一致し、上昇も下降もしてないのが原則。しかし、V1-V3などの右側胸部誘導では正常でも1-3mm程度ST上昇していることが多い。
T波はaVrで陰性であり、I、II、V2-V6で陽性で、高さは12mm未満かつR波の1/10であるのが正常。若年成人だと正常でもV2、V3で陰性T波が見られうる
7.QT時間は正常か
T波の終点がRR間隔の1/2を超えていれば明らかにQT延長
8.U波は正常か
陽性でありT波の高さの5-50%の範囲が正常。T波より高いU波や陰性U波は異常
参考書やGoogleに書かれてある事を書かせて頂きました。各々の波がどういう意味をなのか、異常ならどういう病態が考えれるのか。なぜその場所で陽性(or陰性)が正常(or異常)なのか、例外はどういう時か。などを考えたら、心電図理解への道のりは長いです。
とりあえず基本的な正常の形を頭に叩き込もうと思います。「理由は分かりませんが〇〇という理由でこの心電図は異常です。」と言える事を最初の目標に頑張ります。
学生の頃心電図の実習ありましたが、何をしていたのでしょうか。あの頃は出来ていたのになあと思う事が最近増えてきています。そういう年頃なのでしょうか。
(パイナップル頭)
プレゼンを終えてホッとしているところ
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