臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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COPDの話(2)・・・井上先生の呼吸器レクチャー
井上純人先生による呼吸器レクチャーから、前回に引き続きCOPDの話題をシェアします。今回はCOPDの治療、特に安定期COPDの管理についてです。
なお、略語ばかりで嫌になるかもしれませんので、先に説明しておきます。
SABA(短時間作用型β刺激薬)
SAMA(短時間作用型抗コリン薬)
ICS(吸入ステロイド)
LABA(長時間作用型β刺激薬)
LAMA(長時間作用型抗コリン薬)
さらに、「喘息病態の合併」とは分かりにくいものですが、喘息の既往がある場合、アレルギーの要素がある場合と考えると良いそうです。症状では、労作時の症状だけでなく、安静時にも息苦しさなどの症状がある場合も喘息病態が合併していると考えるそうです。
<一過性の息切れ、または咳、痰の時>
必要に応じてSABAまたはSAMA吸入の屯用
<日頃からの息切れと慢性的な咳、痰がある時>
・喘息病態 非合併例 → LAMA(またはLABA)
・喘息病態 合併例 → ICS+LABA(あるいはICS+LAMA)
<症状の悪化、あるいは増悪>
・喘息病態 非合併例 → LAMA+LABA(テオフィリン・喀痰調整薬追加)
・喘息病態 合併例 → ICS+LABA+LAMA(テオフィリン・喀痰調整薬追加)
<頻回の増悪>
・喘息病態 非合併例で、
末梢血好酸球増多あり → ICS+LAMA+LABA(未使用ならテオフィリン・喀痰調整薬追加)
それでもだめなら → 3剤吸入+マクロライドの追加
末梢血好酸球増多なし → LAMA+LABA+マクロライドの追加
・喘息病態 合併例 → 3剤吸入+マクロライドの追加
(未使用ならテオフィリン・喀痰調整薬追加)
COPD診断と治療のためのガイドライン第6版より
なお、COPDに対するマクロライドの追加は未承認ですが、使うとすればクラリスロマイシン(CAM)は避けましょう。昨今はCAM耐性の非結核性抗酸菌症が非常に大きな問題となっているからです。
(編集長)
吸入指導のコツを伝授♪
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