
臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
救命救急センターだより「腹部刺傷」
みなさんこんにちは、空飛ぶ消化器内科医を目指すnaoです。
当院の休日の救急外来は一般日直(walk in担当)、ER日直(救急車対応)、ドクターカー番、ドクターヘリ番と4人の医師がおり、このうちER、ドクターカー、ドクターヘリを救急科が担当します。
私はドクターカーだけ独り立ちさせてもらっているのですが、ER やドクターヘリはOJT(On the job training:上級医について仕事をしながら学ぶ)の立場です。ERやドクターヘリがなぜOJTでカーだけは独り立ちさせてもらえるのか、その差を話すと長くなりますので次回にでも書かせていただきます。
ところが、先日突然、独りER当番が割り当てられました。自分の判断でHotLineを受け、ドクターヘリやドクターカーも同時に搬入してくる患者をトリアージしながらマネージメントすることは非常に難しいことを身をもって体験しました(今までは言われたように動いていましたので、自分が指示を出すのは大変でした)。
当直明けの先生が長めに残ってくれて助けてくれたり、何より、当院の研修医は当院の救急で育ってますから、なんなら私よりよっぽど頼りになる!笑 救急担当医が自分以外院内にいない時間が何度か発生し、恐怖におびえましたが、なんとか無事に乗り越えられました。
さて、関係のない話が長くなりましたが、今回はナイフによる腹部刺傷に関するお話です。先日腹部に包丁を突き立てた患者さんが包丁と共に救急搬送されました。初めての経験で、当然救命救急センターでは対応できなければならない疾患ながら、どのように対応すればいいのかわかっていないので和文誌をあたってみました。
「刺された包丁は病院に行くまで抜いちゃダメ!」
これはみんな知っていると思います。でも、じゃあ受け入れた病院ではどうやって抜けばいいの?救急外来でぱっと抜いてしまっていいの? そんなことも知らなかったので調べてみました。
原則的には深く刺さったナイフはope室で抜くことになります。ナイフなどによる腹部刺傷は緊急手術を念頭に対応します。ただし、意味のない侵襲的処置を減らす取り組みもされていて、手術の必要のない症例を見極めながら対応することになります。
緊急手術の絶対的適応は
① ショック、腹膜刺激症状がある(多量出血や腸管損傷を示唆)
② 多量の内臓脱出を認める(消化管損傷の可能性があるため検索が必要)
③ 吐下血、血尿(消化管、腎尿管損傷を示唆)
④ 凶器が体内深部に留置(包丁が深くまで入っている状態:抜去時の多量出血、内臓損傷のおそれのため)
上記のいずれでもない場合は、画像検査などを行いながら開腹以外の方法での加療を検討することになります(開腹手術をしなくとも、腹部ドレーン留置し腹腔洗浄を行うなどの治療をすることがあります)。
つまり、包丁が深く刺さった状態で来た時点で、緊急手術は確定です。外科にcallしながら、全身状態の安定および可能な限りの検索を行います。
凶器が取り除かれている状態で、かつ全身状態が安定している場合に限り慎重経過観察の手が取られます。初期治療で緊急開腹を選択しなかった症例でも4.7-20%で遅延手術を要したという報告もあるため慎重な経過観察が必要になります。
よく、「もう一度診療科を選択しなおす機会があったら何科を選択するか」を考えることがあります。できればすべてをできる医者になりたいのですが、知識的にも習得するべき技術的にも無理がありますのである程度分野を絞る必要がありますね。これまでは消化器外科医や心臓血管外科医など外科系へのあこがれがあったのですが、最近は外傷外科医になりたいなと思っています。
そういうことで、次の人生では内視鏡のできる外傷外科医を目指して頑張ろうと思いますが、この人生では空飛ぶ消化器内科医を引き続き目指して頑張ります。笑
(Nao)
ERでの処置中
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救命救急センターだより「大動脈疾患の診断」
ようやくなんとか無線従事者免許を取得し、着々と空飛ぶ消化器内科を目指しているNaoです、こんにちは。
わたしは初期研修中、必修のほかは興味のある科だけを回り、研修医の中でも最も履修診療科が少ないのではないか、というほど他科経験が少ないです。加えて、後期研修制度は現在のような制度ではなかったので消化器内科をいきなり専門にしました。そこで何が言いたいかというと、救急医としてはあまりに他科の知識がないことが足かせになっているわけです。今となっては整形外科とか皮膚科とか精神科とか眼科とか、もっといろいろ経験しておくべきだったなと思います。
さて本題に入りますが、そんなわたしが最近課題にしているのは大動脈疾患の診断をいかに早く行うか、ということです。救急外来では大動脈疾患の患者さんが検査までの間に容体が急変するということが経験されますが、三次救急病院である当院ではそれを一例でも減らし救命に結び付けるために努力しています。
先日、転倒し頭部打撲し、大きな裂創をきたした患者さんの救急要請が入りました。「はいはい、運んできてくださいー」と返事した後に、よく話を聞いたところ足がもつれたわけでなく突然倒れ、受傷。神経学的異常はなさそうだが、収縮期血圧が2桁と血圧低下が認められる。しかも過去に胸部大動脈瘤および腹部大動脈瘤で治療歴がある。これは…!
その日ER番だった救命の先生の指示で、瘤破裂の他いくつかの鑑別を念頭に最速の診断に向けて動き始めました。
患者さんが運び込まれるとすぐに両側上肢で血圧測定し、顕著な左右差あり。ライン確保、採血をしつつエコーを。心タンポはないが、左胸腔にecho free space出現、腹水は認めず。胸部レントゲンで縦郭拡大あり、ただしこれは以前からの所見。でもここまででほとんど胸部大動脈瘤の破裂+おそらく解離を確信。そのままCT室に行き、診断するという病院到着から10分以内に診断および心臓血管外科callまでを行いました。
大血管疾患は、特に胸部大動脈はエコーなどで直接観察することが難しいので、個人的には苦手に感じています。でも、救急科での修行を通じて、これはほかの疾患にも共通することではありますが、大血管疾患の早期診断にはまず疑うことが大切。疑って初療を行いながらその検査前確率を評価していく。検査前確率が高ければまず単純でいいのでCTを撮りに行く、という姿勢が大切であると感じました。優れた内科医は挙げられる鑑別疾患の数が多いと先輩に言われてきましたが、救急医もそうだな、と感じます。
そんなわけで本日のtake home messageは二つあります。
一つ目は、どんな経験が役に立つかわからないので、とにかく一つでも多くのことを経験してほしい。
二つ目は、鑑別を一つでも多く挙げられるように、今のうちに希少疾患を含めた多くの疾患について知識を蓄えてほしい。
この二点です。
たくさん勉強して、たくさん経験して、わたしより優秀な医者になってください。負けないようにわたしも頑張りますが。
(Nao)
救急車到着前の準備中
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救命救急センターだより「救急科にしか診れない症例」
医療者の働き方改革が求められており、2024年4月からは医師の時間外労働についても厳しく制限されることになっています。一部の病院ではサービス残業が発生するようになり、かえって苦しい状況になっているという噂も聞きますが、当院では実のある働き方改革を目指して各科努力しています。
救急科はシフト制で比較的働き方は守られておりますが、人数の増減に伴い、一人当たりの仕事量が増えてしまったりしている状況があるのも事実です。当院では常に5名前後の研修医が救急科を回っており、病棟管理に救急車対応にと駆け回ってくれて戦力として大活躍してくれています。ちなみに研修医も救急科研修中はドクターカーやドクターヘリの対応がありますので土日のシフトが組まれますが、代わりに平日に休むことができます。
さて、そんな中で救急科の入院を一般診療科で引き受けられないか、という案が出たり消えたりしていますが、なかなか実行に移せていません。では、救急科しか診れない症例とはどんな症例でしょう?
まずは外傷です。
外傷は骨折だけ、頭部外傷だけというシンプルなものもありますが、当院に搬送されてくるような高エネルギー外傷では、四肢や体幹の骨折に加えて頭部外傷、気道損傷、腹部臓器損傷を合併している、などの合併症を多数抱えていることも多く、そのすべてをマネジメントするのは、やはり救急科ならでは、です。
また、数は多くありませんが、内因性疾患の発症をきっかけに外傷に至るケース、例えば心筋梗塞を運転中に発症して、交通事故を起こした、などのようなケースでも主科は救急科であることが多いです。
他には減らない過料服薬や服毒自殺の患者さんは、救急科が管理しています。高度の熱傷も形成外科の応援を受けつつ、全身管理をするのは救急科の役割です。このように救急科は救急車対応以外何しているのか、意外と実態が分かりにくい科ですが、病棟管理にも忙しくしています!
これを読んでくださっている皆さんの中で、将来救急科以外の専門を選ぶ方も多いと思いますが、是非、空飛ぶ消化器内科を目指す僕のように、救急診療に一緒に関わると新しい経験もたくさん積めますし、自分の専門診療の知識を救急科の先生と分かち合うチャンスにもなるのでお勧めです。医者たるもの、目の前で苦しむ患者から目を背けず、命をつなぎとめるための最低限の初期対応はしっかりできるようでありたいと思います。
ちなみに、当院の育てる研修医はみんなそのように育ってくれています。あなたも当院で初期研修をして、そのような医者になりませんか?
(Nao)
外傷患者のヘリ搬送
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救命救急センターだより「人工呼吸器の管理」
寒さが一段と厳しくなってきましたが皆さんいかがお過ごしでしょうか。
当院のICUはsemi closed型の運用となっており、術後などは主科で管理していますが、呼吸器やCHDFが必要になる症例など集学的治療を要する場合は救急科が管理を行っています。
長期呼吸管理をする場合は複雑な病態の患者さんが多く、なかなか研修医の先生が手出ししにくく、ショックや痙攣などBの異常以外の理由で挿管した場合の呼吸管理は短期間になることが多いことから、なかなか研修医の先生が人工呼吸器の管理を覚えるチャンスが少ないのが実情です。
そんな中でも、救急科のメーリングリスト(救急科はシフト制のため、その日の救急症例やICU症例の状態について毎日報告しあっています)では人工呼吸器の管理などについての情報もまわり、これは「研修医の先生が勉強になる症例」と位置付けるなどして研修医の先生に学んでもらうチャンスを作っています。研修医の先生たちも、難しい症例でも一生懸命勉強しながら管理を考えてくれていて頼もしいです。
人工呼吸器の管理は、自分がちゃんと勉強したのはコロナの管理のためで、当院はコロナの重症専用病棟を持っていたので、2020年4月から多数の呼吸器およびECMO患者さんを管理してきました。それまではショックや膵炎の患者さんの呼吸状態悪化したときの管理くらいしかやってこなかったのでまだまだ学ぶべきところがたくさんあります。
そんな中で今回研修医の先生向けに、指導医の先生方がいろいろな情報を流してくれているのですが、僕も勉強になった話を一つお伝えします。
人工呼吸管理をする場合、人工呼吸管理に至った理由をしっかり明確にしておくことが重要です。
心不全、肺炎、ショック、気道閉塞、手術・処置のための挿管、鎮静、意識障害、呼吸筋など理由は一つではないかもしれませんが、何のための呼吸管理なのか。何のための呼吸管理なのか明確にすることで、自動的に呼吸管理の予測期間、goalなどが定まってきます。
例えば、処置のための挿管であれば処置が終わればもう抜管してよいわけです。呼吸に問題があるわけではありませんので。呼吸筋の問題は神経難病によるものがほとんどでしょうが、呼吸器離脱できるとしても時間がかかる可能性が高いので、早期に気切し覚醒し呼吸リハを開始していく必要があります。
呼吸器だけにかかわらないですね。何のために何をしているのか、goalをどうするか、それを見定めることは医療だけでなく、日々の生活でも必要なことかもしれません。
(Nao)
重症患者搬送直後のER!
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救命救急センターだより「病院前診療における脳卒中診断2」
空飛ぶ消化器内科医を夢見て日々奮闘しておりますnaoです、こんにちは。
前回の記事が中途半端で終わってしまいましたので、続きです。
病院前の脳卒中診断のためには「シンシナティ病院前脳卒中スケール」というのが有名かと思います。これは
- 顔面筋の左右差
- Barre徴候
- 構音障害
で脳卒中の可能性を判断するものです。
最近の脳卒中の病院前診療では、血栓回収の適応があるLarge Vessel Occlusion(LVO)を的確に見抜くことも大切になります。そこで日本医科大学から提唱されたのが、ELVO screen (Emergent Large Vessel Occlusion screen)です。これは
- 眼球変異のチェック
- 眼鏡や時計を見せて、これは何ですか?と質問する
- 4本の指を見せて、指は何本ありますか?と質問する
2は失語、3は視野欠損や半側空間無視に焦点を当てた質問だそうです。LVO予測としての感度は85%、特異度は72%と報告されています。
LVO screeningについては現在研究が活発に行われているようで、兵庫医科大学からJapan Urgent Stroke Triage score(JUST score)というものも発表されています。これで脳卒中の可能性だけでなく、LVOなのか、脳出血かSAHかといった病型まで分類できるといわれています。発表時21項目でしたが、より簡便性を高めるためにJUST-7 scoreといって7項目まで減っています。
OJTとしてヘリミッションで救急科Drにくっついていくと、指導医の先生たちは現場でこれは出血っぽいとか梗塞っぽいとか判断しているのですが、自分には脳卒中だろうというところ止まり、正直なところ病型の分類ができないので、JUST scoreを使いこなして病型分類にたどり着けるようになりたいと思っています。
現場活動では、なにかと経験が大切に感じますが、足りない経験は専門家の知恵を借りて補いましょう!笑
(Nao)
ドクヘリの格納庫内
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救命救急センターだより「病院前診療における脳卒中診断」
空飛ぶ消化器内科医を夢見て日々奮闘しておりますNaoです、こんにちは。
病院前診療において、ドクターカーとドクターヘリに求められる役割に少し違いがあります。(これは多分に私の個人的な意見が含まれるため、一部当センターの基本姿勢と相反する部分があるかもしれません)
本来的には病院前診療というものは病院到着前に迅速に医療介入することが主目的です。当院が水戸市と共同運航するドクターカーは患者搬送能力を持つ、いわゆる救急車方式ですが、病院・地域によってはラピッドレスポンスカーという、単に医療従事者を搬送するためだけの方式もあります。どちらにもメリット・デメリットがあるわけですが、単純にラピッドレスポンスカーって見た目が非常にかっこいい車が多くて憧れますよね(注:個人の感想です)。
つまり、ドクターカーの場合、病院への搬送能力だけで言った場合、救急車を超えることは全くないため搬送手段としてはドクターカーは不要です。あくまで現場への医療スタッフ派遣、あるいは搬送途上での医療スタッフ接触です。
極論では、ABCDの異常に対してのみドクターカーは価値を持ちます(ABCDの異常があっても救命救急士に許される特定行為は非常に限定的です)。
一方で、ドクターヘリは少し意味合いが変わってきます。というのは、搬送能力が(条件によっては逆転することもありますが)救急車よりも高いという点です。この場合の能力はあくまで搬送に要する時間という意味になります。
ですので、脳梗塞、特にLarge Vessel Occlusionではドクターヘリの搬送能力が求められることになります。脳梗塞疑いに対してドクターカーが出動する意味合いは低いが、ドクターヘリでは意味がある(私個人の意見ですが)と考えます。
かといって、脳卒中疑いの患者を何でもかんでも血管内治療可能な医療機関に運んでしまってはキャパシティオーバーとなってしまいます。もちろん、アメリカの脳卒中センターのように1日何十件でもかかってこい、という状況なら別ですが、日本の医療事情はだいぶ異なります。つまり、現場で脳梗塞なのか、脳出血なのか、脳梗塞なら血栓回収の適応がありそうかどうかなどを判断していく必要があります。
そこで役に立つのがELVO screeningなわけですが、今日は長くなってしまったので来週に続きます。タイトル詐欺みたいになってすみません。
(Nao)
ドクヘリに患者収容
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救命救急センターだより「鼠径ヘルニア嵌頓」
先日、鼠経ヘルニア嵌頓の患者さんが転院搬送されてきました。そこで今回は鼠経ヘルニアに対して用手還納を試みる際の注意点についてお話ししたいと思います。
鼠経ヘルニアについてはガイドラインが存在しますが、ガイドラインは基本的に外科的治療についての話が主体となっており、用手還納については基本的に言及がありません。ですので、私個人的な注意点という形になりますので、参考程度にとどめていただければと思います。
まず、ヘルニア嵌頓に対して用手還納を行ううえでどのような点に注意が必要でしょうか?
1.還納手技の際に腸管損傷をしてしまう(遅発的な間膜損傷の報告もあります)。
2.腸管壊死のため、結局嵌頓解除後に穿孔してしまう。
3.壊死腸管の急速な血流改善により、サイトカイン放出によるショック
などがあります。ですので、単純でよいので極力CT検査は行うことが望ましいです。
腹水や腸管浮腫などの(free airは論外ですが)、腸管壊死を疑う所見がないかをまず確認します。私は、加えて超音波を行い、腸管の血流を評価したり、ヘルニア門の位置を確認をしたりします。ヘルニア門と脱出臓器をしっかり確認することで還納がより確実になります。還納前に、腸管浮腫やヘルニア嚢内に腹水があるような症例では、用手還納後もできれば入院経過観察が望ましいと考えます。ルニア嵌頓は今後高齢化社会の中で増えてくるかもしれませんね。
(Nao)
水戸済生会のICU
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救命救急センターだより「ECMOとPCPS」
空飛ぶ消化器内科医を目指して救急科修行中のnaoです。こんにちは。
先日のドクターカー出動事案で実は初めての経験がありましたので、ご報告します。比較的若年の方のCPAで、目撃あり、バイスタンダーCPRありという救命を目指せる事案でした。初期波形はVFでDCを何度かかけ、その後PEA。現場で挿管し、ライン確保の上、自院へU turn搬送しました。直ちに救急外来直結のハイブリッドカテ室に搬入しPCPS導入しました。
以前にもお話ししたように当院はコロナに対してECMO対応していたため、呼吸状態悪化からのECMOは経験がありましたが、心肺停止患者さんに対してのPCPS導入に立ち会うのは今回が初めての経験でした。ほとんどAが全く触れない中で救急科Drたちの恐ろしい速さでのシース留置に驚きましたが、循環器Drがすぐに到着したため、そのまま循環器に引継ぎ、PCPS開始し併せて冠動脈造影に移行していただきました。
さて、今回あえてここまでECMOとPCPSという単語をごちゃまぜにして書いてみましたが、現場ではECMOという単語とPCPSという単語を使う人とに分かれていて、用語がわからないと話が通じないという状況になります。
ECMOはextracorporeal membrane oxygenationといい、体外式膜型人工肺と言われます。脱血管と送血管の留置の位置の違いでVV ECMOとVA ECMOと呼ばれます。
VV ECMOはrespiratory ECMOとも呼ばれ、重症の呼吸不全患者に対して適応になります。VA ECMOはcardiac ECMOとも呼ばれ、重症心不全患者に対して適応になります。
PCPSはPercutaneous cardio pulmonary supportといい、経皮的心配補助を指します。つまりV-A ECMOとほぼ同義です。ですので、今回の現場で言うECMOは(VA-)ECMOを指していたわけです。
ECMO導入は初めてで自分は救命士と交代でCPRしていただけという形でしたが、動きが少し理解できたので、次回からは自分のできる仕事の幅を広げていきたいと考えています。
ちなみに、この事案、実は最初に現場直近の中核病院に収容依頼をしたのですが、依頼中にROSCしたため当院へ搬送した事案になります。この時、僕のプレゼンがひどいもので、Hotに対応してくださった先生が、「復唱」という形で僕に簡潔明瞭なプレゼンを指導してくれた(ように感じた)ということで強く記憶に残った症例です。プレゼン力、大切ですね。
(Nao)
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救命救急センターだより「子育てとスマホ」
皆さんこんにちは。空を夢見る消化器内科医です。
当救命救急センターではInstagramをはじめました。「水戸済生会救命救急センター」でぜひ検索してください!
さて、当救命救急センターで運用しておりますドクターカーですが、これは水戸市からの委託で水戸市消防と共同で運用しています。365日8時半ごろから17時ごろまで稼働しています。
ドクターカーの車両および2名の救急隊員は水戸市から、医師と看護師は当院のスタッフになります。そのため、出動の際には救急隊とコミュニケーションをとる機会にもなり、いろいろな情報を得る機会にもなります。
先日、小児の事案で出動した際に救急隊から言われた話で、はっとしたことがありましたので記事にさせていただきます。その日の要請内容は幼い子が遊具で遊んでいた際に転落し、頭部打撲で意識混濁とのことで覚知要請(119通報があった時点で要請内容から重症度が高いと判断しドクターカー出動)されました。実際には先着隊が軽症と判断してキャンセルとなりましたが、帰路に救命士と話している際に、一つ大切な話を聞いたので皆さんにもお伝えします。
その救命士さんも幼い子を持つ親であり、お子さんを公園に連れていく際などに周りの親御さんの様子で思うところがあったようです。というのも、最近はスマホの画面ばかり見ていて、お子さんが危険な行動をしていても全く見ていないというシーンが多く、スマホさえなければ防げる事故も多かろう、と日々思っておられるとのことでした。そのためその方は子守の時はスマホは家に置いて、通話にしか使えないガラケーを持って歩いているそうです。そのせいでスマホに子供の写真が少ないのが難点だ、とおっしゃっておられましたが・・・。
多くの場面でこの判断の仕方は大切だと思いました。自分は今何を最優先に行動すべきなのか、ちゃんとそれを考えていかなければならないな、と思った次第です。
(Nao)
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救命救急センターだより「スマートデバイスとこれからの医学」
皆さんはスマートウォッチなどを使用しておられるでしょうか?
原理を調べていないのですが、アップルウォッチが心電図のモニタリング機能を搭載するようになるなど、これまでは病院にしかなかった医療機器を、だれもが身に着ける時代になってきました。当院の救急外来にもスマートデバイスからの「指示」で救急外来を受診するケースが散見されるようになってきました。これからご紹介するケースは実例で、ご本人様にもブログで紹介させていただくことをご了承いただいたものになります。
50代の特別な既往のない、自立生活を営む女性が、起床時に息苦しさを自覚されました。アップルウォッチで経皮的血中酸素飽和度を測定したところ、普段は97-98%であるものが88%程度とのことで病院を受診されました。
病院でSpO2を測定したところやはり88%程度とのことで、急いで検査を始めました。担当してくれた研修医の先生もとても優秀で、しっかりと低酸素血症の鑑別を頭に入れながら検査を組み立ててくれました。
心電図やレントゲンでは特に問題は指摘されませんでしたが、採血でd-dimerが30程度と異常高値であり、CTにて肺動脈血栓塞栓症を指摘し、遅滞なく循環器内科へコンサルし治療に移ることができました。
「私ちゃんと考えて最初からd-dimer取ってましたから!」ドヤァと素敵な笑顔な研修医の先生でしたが、引き続きいろいろな経験をしながらより頼もしく成長してくれることを願っています。
当院の救急外来では研修医の先生たちが一生懸命勉強しながら地域医療を支える重要な戦力として頑張ってくれています。医学生の皆さんも当院で一緒にドヤ顔医療しませんか?医学生の皆さんの当院の救命センターの見学をお待ちしております!
(Nao)
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水戸済生会総合病院の臨床研修は
総合診断能力を有するスペシャリスト
を目指します
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