臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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救命救急センターだより「病院前診療の意味」

2022.08.13
カテゴリー: 救命救急センター

当救命救急センターでは病院前診療にも力を入れています。病院前診療とは、医師および看護師が患者さんのところへ出向いていき、早期の医療介入を行うためのシステムです。ドクターカーやドクターヘリなどがそうです。当院では県の事業でドクターヘリを水戸医療センターと共同運航しており、また水戸市からの委託でドクターカーを運用しています。

 

では実際にドクターヘリやドクターカーはどんな時に出ていくのでしょうか? どんな時に必要とされるでしょうか? ちょっとだけ考えてみてください。

 ↓

答えは簡単です。救急外来の初療時に大切なことを考えればよいのです。つまり、ABCの異常、切迫するDの異常に対応するために出ていくのです。

 

私たち医師が現場に行く意味は何でしょうか。ただ患者さんをお迎えに行くわけではありません。病院を選定することも主目的ではありません(状況に合わせ適切な医療機関を選択することも一つの役割ですが)。

 

病院前診療の意味、それは救急外来の初療と同じです。ABCDを安定させ、医療機関に安全にたどり着かせることです。現場での診断、治療には限度がありますから、最低限の仕事だけして一刻も早く搬送するのです。

 

できることすべてをやるわけじゃない。必要な最低限だけをやって現場離脱する。確実にこれをこなす先輩救急医たちはカッコいいです。

 

本当の本当にドクターカーやドクターヘリを必要としている患者さんは多くはありません。そのような患者さんは要請の何件かに1件です。でも、私たちは何度はずれの要請があっても、本当に必要としている人かもしれないので毎回緊張しつつ現場へ向かいますし、本当に我々を必要としていた患者さんを、適切な対応をして運ぶことができたときにはとてもやりがいを感じるものです。

 

救急医療の現場は楽しいことばかりでなく、やるせない思いをすることもあります(医療全般に言えることですが)。でも、アドレナリンがガンガンでて本気で命に向き合える現場でもあります。あなたも我々と一緒に本気出してみませんか?

(Nao)

 

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救命救急センターだより「簡単なようで難しい蘇生治療」

2022.08.06
カテゴリー: 救命救急センター

皆さん、心臓マッサージできますか?

 

医者になったらいつの間にかできるようになっていると思っていませんか?

 

なんでも、ちゃんとトレーニングしなければうまくなることはありません。医者になってから定期的に心臓マッサージのトレーニングしている、なんていう人は少ないでしょう。病院によっては心臓マッサージを勝手に行ってくれる機械を置いている施設もあるでしょう。しかし、いつでも機械があるわけではありません。医師もしっかりトレーニングして適切かつ有効な心臓マッサージを行えるようになっておく必要があります。

 

当院には3人の若手の救命士が在籍していますが、本当に心臓マッサージが上手です。見ていてほれぼれするほどです。時折、動脈圧ラインが入っている状態で心臓マッサージに至るケースがありますが、有効な心臓マッサージでは通常と同等レベルの収縮期血圧を保つことができます。

 

蘇生治療において一番大切なのは有効な心臓マッサージを継続させられることです。正しい深さ、リズムで途切れることなく行う。姿勢や圧のかけ方にコツがありますが、これはなかなか文章でお伝え出来ないので、興味のある学生さんや研修医の先生は当院へ見学にいらした際に聞いていただければと思います。

 

AHAのBLSプロバイダーコース(一般の方も参加可能)やACLSプロバイダーコース(医学生であれば医療資格取得前でもコース参加可能なはずです)がありますので是非そちらで学んでいただくのも良いと思います。

 

いざ、というときはいつ来るかわかりません。いつでも準備が大切です!

(Nao)

しばらく開催できていませんが・・・

水戸医学生セミナーでのラリーの一コマ

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救命救急センターだより「救急外来の超簡単エコー3選」

2022.07.30
カテゴリー: 救命救急センター

皆さん、エコーは当てていますか?救急外来で当てるエコーにはメリットがたくさんあります。積極的にエコーを当てていきましょう!今や肺もエコーで診る時代です。プレホスピタルでもエコーが患者さんの状態把握に劇的に役立っています。

 

今日は誰でも診れる超簡単なエコー3選をご紹介します。

 

1.Sliding sign(肺)

肺のエコーになりますが、これはどのプローブでも良いですが、リニアという平らなエコープローブがあればそれが一番良いです。

仰臥位の患者さんの前胸壁に当ててみましょう。そうすると、胸膜の下の肺が呼吸に連動して動いているのが見えます。動いているのは正常です。消えているときは気胸の可能性を念頭にレントゲン検査などを行いましょう。

 

2.胆嚢炎

腹部の臓器でおそらく2番目に描出が簡単な臓器です(人により難しいこともありますが)。右の肋間から肝臓に向けて描出すると、袋状の臓器が認められます。胆嚢炎の診断は簡単なようで難しいのですが、典型的な胆嚢炎はエコーがあれば1分以内に診断ができます。

胆嚢壁が3mm以上ある、胆嚢の短径が40mm以上に腫大している、この2点があれば胆嚢炎の可能性が非常に高いです。胆嚢壁の3層構造が指摘できればさらに胆嚢炎の診断は確実になります。

 

3.膀胱

飲酒後のおじさんがおしっこしたくでも出ねえんだ。腹がいてえといってくることがあります。そんなときは恥骨の直上にプローブを横にして当てましょう。尿閉であればその瞬間にパンパンの膀胱が見られます。

 

エコーでなんでも診られるようになるのは技術が必要です。でも、まず簡単なことから始めましょう。エコーを当てても基本的に患者さんの害にはなりません(疾患によっては痛いですが)。仮に先にCTを撮ったあとでも、採血の待ち時間などに積極的にエコーを当ててください。正常の「絵」を覚えることが異常を見つける近道です!

(Nao)

これはエコー室でのトレーニング

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救命救急センターだより「骨折がもたらすショック」

2022.07.21
カテゴリー: 救命救急センター

空飛ぶ消化器内科医を目指して救命救急センターで修行中のNaoです、こんにちは。

 

今回は僕が医者になって10年目にして知った衝撃の事実を、恥を忍んでお伝えしたいと思います。

 

それは「血管損傷がなくとも骨折部からの出血によりショックをきたすことがある」という事です。

 

皆さんはご存じだったでしょうか。知っているあなたは僕より救急医に向いていますので当院でぜひ働きませんか?

 

という話は、本気なのですが一旦わきに置いておいて、先日プレホスに出ていった先生から「交通外傷、体表に明らかな外傷は認められずFAST陰性だが、変形から明らかに大腿骨骨幹部骨折と考えられる。現時点ではショック兆候なし、輸液ライン確保して搬送します。」

とHot Lineに連絡が入りました。

 

Hot Lineを受けた僕はハイハイと情報を聞きながら、「大腿骨骨折しかなくて、出血もしてないのに何でショックがどうとか言ってるんだろ?」と思っていたときに上記の話を教えられました。

 

・大腿骨骨幹部骨折では転位がある場合1000ml以上の出血が見込まれる。

・両大腿の骨幹部骨折の場合、併せて2000ml以上の出血の恐れがある!

・関節包内の骨折の場合は問題ないが、骨幹部骨折で大きく転位しているときは骨折部からの出血の恐れがある!

 

たまたまそこにいた整形外科の先生からは骨折のタイプによっては大腿骨転子部骨折でもショックに至ることがあると教えてもらいました。救急科のDr達は病態から先を読んで、急変を起こさせない医療を提供しているのです!患者さんに緊急事態を引き起こさないところにも救急医の力が発揮されています。

 

正直、僕は整形外科が苦手だったので、初期研修で整形外科を回ってません。今空飛ぶ消化器内科医を目指している中で、もっと初期研修を真面目にやっておくべきだったと後悔しています。これから初期研修回る皆さんは是非一つでも多くの科を回って一つでも多くの知識を吸収してください。人生に無駄なことはありません。救急医を目指すなら特にすべての科の知識を吸収しつくしましょう!

(Nao)

1日の仕事を終えて

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救命救急センターだより「銃創に対する初期治療」

2022.07.14
カテゴリー: 救命救急センター

痛ましい事件が起こってしまいました。治療に当たられたドクター達は、必死に考え、何とか命をつなぎとめようと全力を尽くされたことと思います。私たちもヘリドクターの一員、また救命救急センターの一員として、自分が治療を担当していたら何をしたか。何をすれば救命に近づくことができただろうかとそれぞれに考え、議論しています。

 

救命救急センターだより第3弾では銃創についてお話したいと思います。銃創については、当院でも数は少ないながら経験があります。銃創の場合、ドクターカーやドクターヘリなどのプレホスピタルの要請がかかり、連携することがあります。

 

プレホスピタルにおいては、銃創だからと言って特別大きな何かがあるわけではありません。プレホスピタルの基本はA-Dの安定を図り、一刻も早く適切な医療機関へ搬送することです。銃創で一般に想定されるのはBの異常とCの異常でしょうか。

 

Bの異常は肺損傷からの緊張性気胸が想定されるため、現場での緊急脱気を考慮します。

 

Cの異常は可能な限りの止血処置および輸液路を確保して対応することになります。Cの異常に関してはどの部位が損傷しているかにもよりますが、銃創や刺創などの鋭的外傷は鈍的外傷に比してターゲットがはっきりしていることが多いため、そうであれば局所の止血で何とか食い止められることが期待できます。

 

ちなみに、緊張性気胸に対しての現場での開胸や胸腔ドレーン留置は救急医にとって最も緊張する瞬間の一つでもあります。自分の中では根拠はあるけれど、もし診断が違えばただの傷害行為になってしまう。プシューっと脱気され、呼吸状態がみるみる改善するのを見たとき、救急医にとっては自分の診断が正しかったことへの安堵感と心停止を回避できたことへの安堵感に満たされるとともに、救急医としてのやりがいを感じる瞬間です。

 

銃創について補足すると、弾丸自体は体内にあるものを取り出す必要は全くなく、放置しても感染を起こすことはないそうです。また、銃器の種類や距離などによる威力の違いにもよりますが、体内で骨にあたって方向が変わったりすると多数の臓器損傷を来しうるのですが、とにかく出血部位の止血とダメージを受けた臓器の対処に尽きます。

(Nao)

 

ヘリの格納庫

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救命救急センターだより「心停止の鑑別6H6T」

2022.07.07
カテゴリー: 救命救急センター

第2回の救命救急センターだよりは心停止時の鑑別、6H6T(5H5Tといわれることもあります)についてです。

 

心肺蘇生の基本やBLSについては、なかなかブログでお伝えするのが難しいので今回は割愛させていただきますが、救命センターでの蘇生治療はただ蘇生を考えているわけではありません。蘇生する先を見ています。

 

なぜ心肺停止に至ったのか、その原因がわからなければ同じことを繰り返してしまい、せっかくもう一度心拍を取り戻してもその心拍をつなぎ留めておくことができなくなってしまいます。そのため、蘇生と同時に「なぜ」を調べているのです。

 

その鑑別が6H6Tです。

 

Hypovolemia(循環血液量減少)

Hypoxia(低酸素)

Hydrogen ion(アシドーシス)

Hypo/Hyperkalemia(カリウム異常)

Hypoglycemia(低血糖)

Hypothermia(低体温)

Tamponade(心タンポナーデ)

Toxins(毒)

Tension pneumothorax(緊張性気胸)

Thrombosis coronary(冠動脈疾患)

Thrombosis pulmonary(肺動脈血栓)

Trauma(外傷)

 

この鑑別を常に頭の中に入れ、心肺蘇生法を行いながら、採血、レントゲン、エコーを隙間を縫いつつ行っていきます。蘇生の先を見据えて行動することで、救命~社会復帰を手繰り寄せることができるのです。

(Nao)

朝から慌ただしいER

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救命救急センターだより「熱中症の初期治療」

2022.06.30
カテゴリー: 救命救急センター

当院の臨床研修ブログも1000回を超えました。それを記念しまして、今年からは週に1回の「救命救急センターだより」を刊行していきたいと考えております。救命救急センターから医学生の皆様にぜひ知っておいてほしいワンポイントをお伝えできればと思います。

 

記念すべき第1回目は熱中症の初期治療です。

 

今年は6月から記録的な猛暑となり、すでに熱中症で死亡例が多数認められております。日本においては夏に多くのスポーツの大会が行われることから、中高生の熱中症患者さんも発生してしまう季節になります。

 

実は、熱中症は初期治療がとても大切な疾患です。適切な初期治療が遅れると、重篤化してしまい生命に危機を及ぼすことすらあります。

熱中症の重症度を非常に簡素に見分ける方法は

 

軽 症: 水分の自力摂取が可能

中等症: ぐったりし水分摂取ができない、嘔気などのために水分摂取ができない。

重 症: 呼びかけに応じない。

 

中等症は適切な対応で現場対応可能な可能性もありますが、基本的には中等症~重症はためらわずに医療機関へ収容しましょう。特に重症は救急車を呼びましょう。

 

軽症の対応は、

  • 日陰やできれば冷房のかかった部屋に移動します。
  • 厚手の衣服を着ている場合、汗の気化を阻害してしまいますので、なるべく薄い格好にします。
  • 冷たい電解質を含む飲料水(経口補水液やスポーツドリンク)を摂取させます。細かい説明は省きますが水やお茶は最適解ではありません。

 

中等症以上の場合であっても、救急車を待つ間や医療機関へ運ぶ間に上記対応を行いましょう。冷却したペットボトルがあれば首や腋下、股の間にあてて冷却するのも効果的です。

 

夏の運動は若くても注意しましょう。

 

引き続き「救命救急センターだより」をお楽しみに!

(Nao)

ドクヘリへ収容中

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明日は3月11日

2022.03.10
カテゴリー: 救命救急センター

明日は3月11日です。東日本大震災から11年経ちます。あの日、あなたはまだ小学生とか中学生だった頃でしょうか?

 

2016年5月からこのブログを始めて毎年この時期は、この記事を載せています。編集長としては、単にあの時のことが思い出されるだけでなく、これから研修を始めるあなた、現在初期研修中のあなたに、是非とも読んでもらいたいからです。 

この記事を書いてくれた白ひげ救急医は弘前大学の出身で、医師としてのデビューが東日本大震災という強烈な場面で、その後の医師人生に大きな影響を受けました。まだ医師でもない、何もできない立場だったとは言え、病院スタッフよりも一生懸命動き回ってくれていたのをよく覚えています。

 

そんな白ひげ救急医は、長い闘病生活の末に昨年天国に旅立ちました。ずっと死と隣り合わせでしたが、そんな様子は見せずに救急医としてドクターヘリやドクターカーに乗って活躍したり、後輩の研修医たちを鼓舞し、先頭に立って指導してくれていました。さらに、昨年の東京オリンピックの時にはボクシングのチームドクターとして会場での仕事をして、その時のことを満足気に嬉しそうに教えてくれました。

 

白ひげ救急医と一緒に仕事をしたことのある後輩も少なくなってきましたが、水戸済生会にはそんな先輩がいたことは覚えておいて欲しいと思います。

(編集長)

*************************************

白ひげ救急医です.

 

皆さんは「あの日」何をしていましたか?

 

僕はその頃,まだ法律的には医学部6年生.卒業は間違いないけど,国家試験の結果は出ておらず宙ぶらりんの状態.大学のある弘前から,妻と一緒に水戸に移動して来たのはあの日の前日.半日かけて車で東北道を南下し, 水戸市内のホテルに一泊.

 

そしてあの日.

 

朝から空っぽの新居に,引っ越し業者の手によって,意外に多い量の段ボール箱を搬入してもらい,僕と妻は少し遅い昼食をとりに外出.まだ見慣れない水戸の町並みの中,全国どこでも同じデザインのコンビニの駐車場に車を入れた瞬間・・・

 

2011年3月11日午後2時46分

 

当然,新居にはまだライフラインが通っておらず,怯える妻を連れて,自然と水戸済生会病院に足が向かっていました.

 

学生時代から何度も病院見学をしていたので,僕の顔を覚えてくれている先生方から声をかけていただきました.妻に安全な場所を提供していただき,僕はお借りしたスクラブに袖を通し,できる範囲のお手伝いをさせていただきました.

 

とは言え,法律的にはただの医学生.混乱する院内で事務的な作業,搬送のお手伝い,医療資器材の運搬など,はっきり言ってこの時の事はあまり覚えていません.何もできませんでした.

 

おそらく,医師の資格を持っていたとしても,ほとんど役に立たなかったと思います.“何もできなかった” “何も覚えていない”ということを強烈に覚えています.
 
これが僕の医師人生の,そして救命医としての始まりでした.その後,それぞれの早さで時間が流れ,救命医として勤務する中で,3月11日になると毎年「あの日」のことを思い出します.何の因果かわかりませんが,3月11日に当直を担当する事が多く,今年もまた当直に入ります.あの時何もできなかった自分と今日の自分を最大限客観視しながら,節目の日の当直を迎えます.

 

災害はいつ起こるかわかりません.その時医師として何ができるか.今のうちに考えてみませんか?

(白ひげ救急医)

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FASTのコツ

2022.02.24
カテゴリー: 救命救急センター

Nao先生は当院の消化器内科医で、訪問診療にも関わっているので、このブログでも消化器関連の記事をいろいろ書いてくれています。

 

でも、実はもう一つの顔があって、ドクヘリに搭乗しているフライトドクターでもあります。そんなフットワークの良さがウリのNao先生が、外傷の初期評価に欠かせないFASTのコツについて記事を書いてくれました。ぜひご覧ください。

(ちなみにFASTについては、この動画の21分過ぎから見ることができます)

「ERにおける外傷初療について」

 

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研修医の先生方はFASTやっていますか?

 

いざ外傷の患者さんが運ばれてきました、FASTやってくださいというときに、もたもたしていたら使い物になりません。患者さんが救急搬送されてきたら、全例、隙間を見て当てて練習してください。スムーズにエコーをあてられること、そして、瞬時に陽性者を見分けること。それができるにはFAST陰性の人にエコーを当てて走査を覚えることと、陰性の人の「絵」を覚えることが肝要です。

 

FASTの細かな手技については本を見ていただくとして、今回は研修医の先生が実際にエコーを当てているのをみて。改善するとより良くなるなと考えている部分をお伝えしたいと思います。

 

まず、そもそもですがFASTの意味をご存じでしょうか。僕は正しく理解していなくて、先日救急科の先生に教わりました。

 

FAST= ”Focused Assessment with Sonography for Trauma”

 

かなり意訳になりますが、エコーによる外傷患者の迅速評価といった感じでしょうか。外傷患者さん以外ではFASTとは言わないのです。医師9年目にして初めて知りました(笑)。

 

さて、本題は非常に短いです。

 

1.とりあえずゼリーは多めに出す。

FASTは時間勝負です。とりあえず多すぎていいのでゼリーをびゅっと出しましょう。急がない患者さんで練習して、必要なゼリーの量を体感で覚えましょう。

 

2.しっかりと力を入れて当てる。

エコーのときふわっと当てている方が多いですがしっかりと押し込むようにあてる。特に心窩部横走査と骨盤部走査では重要です。

 

3.モリソン窩と脾腎境界の走査の際に肋骨の向きを確認する。

 

上図のような向きでエコーを当てている先生が多いように思います。この向きですと肋骨がかぶってしまい、シャドーが入るため評価が難しくなります。

 

下図のような向きでエコーを当ててみてください。実際に指で触って肋骨の走行を確認してみてもよいです。

 

なお、肋間観察は骨にプローブが当たるのと、浮遊肋骨を強く圧迫してしまうと痛いので、ここの部位は押しすぎ注意です。

 

エコーは原則的に患者さんに害のない検査です(腹痛の患者さんに長時間のエコーは禁物ですが)。ですので積極的にエコーをあてに行きましょう。以前、当院の研修医が胃腸炎症状で来院した10代女性にエコーを当てて、膵臓のまれな腫瘍を発見したという事例がありました。もし私が最初から診察していたら、問診だけで済ませてしまい、腫瘍は当面見つからなかったと思います。研修医の先生、ナイスプレーという症例でした。そういうことはまれだとは思いますが、積極的にエコー当てましょう!

(Nao)

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◆レジナビFairオンラインに出演します!

2月28日(月) 19:30~

当院がレジナビWebに出演します。前半10分は病院説明のプレゼン、後半10分は質問コーナーです。

チャットでの質問をお待ちしています♪

レジナビのページはこちら

 

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Clinical Prediction Rule(CPR)を活用しよう!

2021.05.04
カテゴリー: 救命救急センター

めまいを主訴とする患者さんが夜のERを受診しました。

 

詳細に病歴を聴取して、丁寧に身体所見や神経所見を見て、どうやら、中枢性のめまいではなさそう。説明して、帰宅を指示しよう…と思っていたら患者さんがド派手に嘔吐!症状の訴えも強く、家族も心配そうに「大丈夫なのでしょうか?」と聞いてくるし、緊急でCT/MRIを撮ったほうが良いのか迷う…、こんな経験、研修医なら誰しもあるのではないでしょうか?

 

そんなふうに判断に迷うとき、Clinical Prediction Rule(CPR)が役に立つことがあります。CPRとは、臨床現場で得られる複数の情報を組み合わせて、ある疾病の有無や将来起こりうるイベントを予測するための指標です。有名どころでは、SOFA scoreやA-DROPシステムなどは国家試験でも頻出ですよね。

 

2021年3月に出版された舩越拓先生(東京ベイ・浦安市川医療センター救急外来部門部長)の著書『救急検査ケースファイル』はそんなCPRの原則を勉強するのに最適な1冊です。15種類の判断に迷うケース(主訴)に対してそれぞれいくつかのCPRが紹介されています。

 

詳細はぜひ購入して読んでいただければと思いますが、上記の様なケースは「acute vestibular syndrome(AVS)」と呼ばれます。AVSのうち25%は脳血管障害を原因としていることが報告されていますが、めまい以外の神経症状を呈さないこともあり、ERでは必ず中枢性であることを否定しなくてはなりません。

 

では、ERでめまい患者(特にAVS)に対して全例MRIを撮るのか?少なくとも当院のERでは、そんなことをしていたら当直がまともに機能しません。そんな時に研修医の強い味方になってくれるのが「HINTS法」です。

 

HINTS法とは、Head Impulse Test(HIT)、Nystagmus、Test of Skew deviationを組み合わせてAVSにおける脳血管障害の有無を判別するためのCPRです。上記3項目の陰性が確認されれば、MRI拡散強調像よりも正確に(!)中枢性めまいを否定できるとされています。(HINTS法に聴力検査を組み合わせるとその感度は何と100%!)もちろん正しく手技が行えることが前提条件ですが、使いこなせるようになればベッドサイドでほんの数分でヤバイめまいがバッチリ鑑別できる様になること請け合いです。

 

この本の素晴らしいところは、主訴ごとのCPRを網羅的に紹介したのち、「そのCPRはどういう意味なのか?」「実臨床で(筆者・舩越先生が)どの様に活用しているのか?」が記されている点だと思います。

 

この世には数多のCPRが溢れているわけですが、その解釈や有用性に疑問が呈されているものも多く、間違った使い方をすると痛い目を見ることになる危険性もあります。(そうならないようにひとつひとつが徹底的に分析されていて、読むほど嘆息が漏れます。。。)「巨人の肩に『正しく』乗って」ERでの診療をテンポ良く安全に楽しんでいきたいなーと思いました。救急医療のフィールドを志す人にはおすすめの一冊です!

(Dr.K)

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